国産エンジン史エコカーその9・ハイブリッドvs高効率エンジン

コストやスペースの問題でハイブリッド化できない例も

ハイブリッドで先行したトヨタ、ホンダに続いて日産や三菱、だいぶ遅れましたがスバルもハイブリッド車に参入しました。
現在のマツダや初期の日産のように、トヨタからTHSのパテント(特許利用料)を購入してハイブリッドモデルをラインナップしている例もありますが、多くはオリジナルです。
その一方、車体スペースやコストの問題でハイブリッドシステムを搭載できない、あるいは簡易的なマイルドハイブリッドの採用に留まる例もあります。
軽自動車やコンパクトカーなどその最たる例で、普通車メインのメーカーなら一部車種が採用できない程度ですが、軽自動車とコンパクトカー以外はほとんど作っていないメーカー、ダイハツやスズキとなると、会社の存亡に関わる問題です。
本来なら小さくて軽いので、少なくともシティユースなら燃費がいいクルマとしても売れたところ、ハイブリッド車にアッサリと燃費で負けてしまいました。
かつてはスズキ ツインハイブリッドやダイハツ ハイゼットカーゴハイブリッドという例もありましたが、安直にバッテリーでモーターアシストするだけなのに価格はやたらと高いという問題があり、どちらも長続きしていません。
コストだけではなくスペースの問題もあり、トヨタでさえアクアやシエンタよりコンパクトなクルマにハイブリッドは採用できていないのです。
スズキのS-エネチャージもハイブリッドと言いつつ、EV走行はおろかモーターアシストもごく短時間に限られるマイルドハイブリッドですから、一般的な認識のハイブリッドとはちょっと離れた存在と言えます。

エンジンの最大効率化でハイブリッド車並の燃費を目指す

そこで2000年代半ばから主に軽自動車メーカー各社が取り組んでいるのが、エンジンのままでハイブリッド車並の燃費を目指すため、最大限の効率化を進めている事です。
無駄な燃料は使わない、という事で停車中のアイドリングストップを行うのはもちろん、最近では停車の直前からエンジンを止めるようになってきました。
また、初期には単純にエンジンの一番効率的な回転数をキープしたまま走るためのものだったCVT(無段変速機)も、エンジンの電子制御スロットルやブレーキその他との統合制御を行う事で、それまでバラバラに制御していた時代から飛躍的な燃費向上が可能になっています。
その仕組みとはこのようなものです。

エンジン・ミッション・その他統合制御による燃費向上の仕組み

まずアクセルを踏むと、昔ならアクセルペダルとワイヤーで機械的に接続されたエンジンスロットルが、踏んだだけエンジンを操作します。
しかし現在の電子制御スロットルでは、
「ドライバーがアクセルを踏む」
「走行状況とアクセルが踏まれた量から、コンピューターがどのような操作を行うべきか判断する。」
「CVTがコンピューターの判断した操作を最大限効率的に実現するギア比に変速していく」
「最適化されたギア比で最低限のエンジン操作により、ドライバーの意図を実現する」
以上は加速の場合に行われるプロセスを最低限明記したものですが、実際はもっと複雑なほか、減速や緊急回避、緊急加速などの時にもブレーキその他と連動したまた別な操作が行われます。

エンジンそのものを最適化したダイハツと、エンジンの負担を減らしたスズキ

ドライバーの操作に対する反応という意味ではどこも今ではあまり変わりませんが、エンジンそのものに対するアプローチはメーカーによりだいぶ異なるのが面白いところです。
エンジンそのものを効率化して最適な燃焼を行うよう制御をギリギリまで詰めたのがダイハツで、コンピューターが不要と考えればドライバーがアクセルを踏もうともスロットルを開かず、それでも加速や高速巡航を可能にする事で燃費を伸ばしています。
一方、エンジンそのものの負荷を減らすべくマイルドハイブリッドのS-エネチャージを採用したのがスズキで、減速時は低負荷時のエンジン出力による発電や回生ブレーキで走行用のバッテリーとは別なリチウムイオンバッテリーをチャージ。
それを車内のエアコンその他の電装品に使う事で、元々のバッテリーの役目を純粋に走行用に限定しています。
これにより、例えば夏場にエアコンを使った事で電力を消費したバッテリーを補うため、オルタネーター(発電機)を駆動すべく、エンジン回転数が上がる事を防いでいるのです。
つまりエアコンをかけていながらアイドリングストップすら可能にするわけで、スズキがユーザーが報告する実燃費で他社軽自動車に大きな差をつけている理由がここにあります。
ただ、スズキのS-エネチャージはシステム自体が高コストで安いクルマへの応用が難しい事から、トータルで見ればどのクルマでも応用できるダイハツにも分があるのです。

燃費やCO2総量で火力発電所に対抗するマツダ

それらとアプローチ方法ではそう変わりはありませんが、より大きな目標を挙げているのがマツダです。
「燃費を最大限引き上げ、CO2排出量も減らせば、それらのクルマたち全体の燃費とCO2排出量で、火力発電所に対抗できる。」
つまり、現状では現実的に火力発電所で起こす電気に大きく依存しなければいけないEVにガソリンエンジンやディーゼルエンジンの効率化で対抗しようという発想をしています。
EVが結局元をたどれば不安定な自然エネルギーではなく石油に依存し、発電所のCO2排出を止められないという問題に対して、現実的な対案を示しているという事で、今後一層注目されそうな分野です。
実際、マツダの自動車つくりに革命を起こしているSKYACTIVEテクノロジーにはハイブリッドやEVは含まれていないのが興味深いところでしょう。


今回はスペースやコストの問題があるクルマでもハイブリッドシステムに対抗する手段としての高効率エンジンを紹介しました。
既存の内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼル)はまだまだ発展の余地があるので今後数十年は役立つ技術のほか、発展途上国などでは今後も役に立つ技術だと思います。
次回はハイブリッドへの対抗馬その2として「ハイブリッド vs EV」をご紹介しましょう。
国産エンジン史エコカーその10・熟成進むハイブリッド vs まだ課題の多いEV


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コメント:
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