フランス車ファン必見!!かつて素晴らしいクルマを生み出し、レースやラリーで活躍したアルピーヌ。1995年を最後に生産が終了しましたが、21年ぶりに復活することを発表しました!
現在、フランスの自動車メーカー「ルノー」のスポーツモデルは「ルノースポール」ブランドで販売されています。
しかし、かつては自らの名でルノー車ベースのスポーツカーを開発し、現在も「ルノースポール」の開発、生産を担当しているチューナーがあるのです。
2016年のブランド復活を目指す、その名も「アルピーヌ」。
大衆車をベースにしたスポーツカー開発
アルピーヌは、フランスでレーサーとして活動するかたわら、ルノー車のディーラーを経営していたジャン・レデレが1956年に設立したスポーツカーメーカーです。
得意としていたのは、大衆車をベースにFRPなど軽量素材のボディを載せてエンジンをチューンしたスポーツカーで、最初はリアエンジン大衆車「4CV(キャトルシヴォ)」をベースにした「A106」を生産しました。
わずか750cc、43馬力のエンジンながら、軽量で空力に優れたボディで最高速153kn/hを発揮した「A106」は、日本で大衆車「パブリカ」をベースに軽量空力ボディで好成績を上げた「トヨタ・スポーツ800(ヨタハチ)」を思い起こさせます。
初期のWRCで名を馳せた「A110」
ルノー車ベースのスポーツカーメーカーとして、アルピーヌの名を不動のものとしたのが「A110」です。
アルピーヌは4CVをベースにした初期の「A106」に続き、4CVの後継車「ドーフィン」をベースにリアエンジン車でありながら流麗なロングノーズ・ショートデッキスタイルのボディを持つ「A108」を1959年に発表しました。
A106に引き続きレースで活躍したA108のデザインは、その次期作「A110」にも生かされます。
1963年にルノーの大衆車・ドーフィンが後継車「ルノーR8」に移行したのに伴い、アルピーヌもR8をベースにした「A110」を1963年にデビューさせますが、レースだけでなく数々のラリー競技でも成功を収めます。
そのバックボーンとなったのは、アルピーヌが得意とする軽量ボディ、そしてリアエンジンのため駆動輪である後輪に十分なトラクションがかかった事です。
まだ4WDラリーマシンが登場する以前、エンジンと駆動輪が同じ側に乗っているFF車やRR車(エンジンも駆動輪も同じリア。ポルシェ911と同じ)は悪路走破性に優れ、好成績を残していたのです。
やがて国際ラリーを統一して世界ラリー選手権「WRC」が1973年から開催されると、デビューから10年を経て熟成を重ねたアルピーヌA110は初代チャンピオンマシンに輝きました。
そのため、その後「アルピーヌ」の名ではラリーから遠ざかったにも関わらず、現在でも「アルピーヌA110」の名は多くのラリーファンの記憶に残っています。
ルノーの子会社へ
WRCで初のシリーズチャンピオンとなった1973年、アルピーヌはルノーの子会社になりました。
引き続きルノー車ベースのスポーツカーを開発・生産し続けますが、A110以降の「A310」以降はボディも大型となり、大衆車のエンジンベースではパワー不足となる事から、エンジンも排気量をアップしたV6エンジンなどを搭載するようになります。
走行性能の面でもポルシェ911をライバルとして意識するようになり、小型軽量のスポーツカーではなく大型GTカーとしての性格を強めていきました。
並行してルノーのスポーツやレース部門として、レーシングカーやラリーカーなどの部品開発、供給も行う事となり、「アルピーヌ」のブランドを使ったルノーの戦略に組み込まれていくのです。
そのブランドも1995年に大型GTカー「アルピーヌA610」が生産中止になったのを最後に、ルノーのオリジナルブランド「ルノースポール」に引き継がれました。
以降、アルピーヌは「ルノースポール」ブランドの開発・生産担当となって今に至ります。
よみがえる「アルピーヌ」
2012年11月に、ルノーは子会社のアルピーヌとイギリスのスポーツカーメーカー「ケータハム」の合弁企業「オートモビル・アルピーヌ・ケータハム」を設立し、共同で「アルピーヌ」の名を冠したスポーツカーを開発する事を発表しました。
名前こそかつての名車の50周年を記念した「A110-50」だったものの内容はスーパーカーと呼べるもので、新興国の発展から爆発的に市場が拡大するスーパーカー産業への参入を図ったのです。
しかしケータハムの販売不振から、2014年6月にルノーは提携を解消し、アルピーヌ単独で2016年に新型スポーツカーを発売する、と発表しました。
帰ってくる「アルピーヌ」が、どんなスーパーカーをリリースするか、今から期待しましょう!