ブレーキペダル、思いっきりかけたことはありますか?

クルマを運転するにあたって一番重要なのはアクセルやハンドルではなく、ブレーキング能力です。


みなさんに質問です。
車にとって一番大切な機能って、何だと思いますか?
車は走らないと意味がないからアクセル?
運転の象徴でもあるハンドル?

色々な考え方があるかとは思いますが、僕はブレーキこそ、車にとって一番大切な機能だと考えます。

車というのは、便利な半面その使い方を間違えると非常に危険な凶器に変貌しうる道具です。

一度走りだした車は非常に大きなエネルギーを纏いながら、高速で移動します。確かに道具としての機能を考えれば走ってなんぼの道具ではありますが、その持ち合わせた危険性を少しでも下げるという視点に立てば、ブレーキこそ一番重要な機能であると考えるからです。

ブレーキの効かない車は、言わば着陸できない飛行機のようなものですよね。

さて、そんなわけで今日はこのブレーキの、とりわけ緊急ブレーキのかけ方について考えていきたいと思います。

フルブレーキングの経験で制動距離を変える

皆さんは今までの運転キャリアの中で、いわゆる急ブレーキを何回くらい踏んだことがありますか?
もちろん理想は、一生に一度も急ブレーキを踏まずに一生を終える事かもしれませんが、いつなんどき急ブレーキを踏まざるを得ない状況に陥るか分からないのが交通社会というものです。

我々レーシングドライバーは様々な特殊な運転技術を持っていますが、その中でも一番重要かつ、奥が深い技術が「車を止める技術」です。
時速300キロで走る勇気を持つことができるのは、「車を止める」ということに関して絶対の自信と技術を持ち合わせているからに他なりません。

以前のコラムで紹介した、僕がインストラクターを務める「走れ、86特別試乗会」では、プロデューサーの脇阪寿一監督の考えの下、プログラムの最初にまずは参加者の方々にフルブレーキングの体験をしていただきます。

目の前に人が飛び出してきた。そんなシチュエーションを想定してのブレーキングで我々が参加者の方々に口を酸っぱくして言うのは、
「ブレーキを、もっと強く蹴って下さい。そして全力で踏み続けてください!」
ということ。

意外とこれが、できないんです。

同じ速度で、同じ場所から急ブレーキを踏むと、レーシングドライバーと比較すると一般の方は僕の感覚で平均2割〜3割は制動距離が伸びます。
だた、単純にブレーキを思い切り踏む、という単純作業をしているだけなのにです。
まして今の車はABSが効くので、本当に単純にペダルを踏みつけるだけなのに、です。

これは何故なのかというと、一般の方には圧倒的に、急ブレーキを踏む経験が足りないからです。
フィジカル的な違いもゼロではありませんが、アクセルからブレーキに足を移すスピード、ペダルを蹴る足の動きの早さ、踏む力の強さ、全てが違います。
そして、急ブレーキを踏むのは思いの外怖いものなのですが、そこにたいして全く躊躇をしない点も、大きな違いと言えます。

恐らくみなさんにいきなり急ブレーキを踏めと言っても、「思い切り踏んだら、壊れちゃわないかな?」という不安もあるかもしれません。
そして、踏んだら踏んだで、車が今まで経験した事の無い動きをします。さらには次の瞬間にABSが作動し、ガガガがガッ!という音と共に経験したことのない減速Gが体を襲います。

人間の脳は優秀なので、こういう瞬間は時間がスローになり、沢山の事を短時間で考えて、これらの初めての経験を分析します。
そしてその感覚を何度が経験すれば、それの経験が体に染み込むわけです。
記憶が忘れても、体が覚えているので、いざという時に躊躇なく体がブレーキを蹴ってくれます。

皆さんには、是非これを経験しておいてほしいのです。
もし周りに、安全な広いスペースを確保できる場所があれば、一度ご自身の車で本気の急ブレーキをかける練習をしてみてください。(速度はそこまで高い必要はありません)
本来であれば、自動車教習所で、急ブレーキを徹底的に経験させるプログラムがあって然るべきだろうというのが、僕の本音です。

先ほど言ったように、この経験を積むと、急ブレーキ時の制動距離がゆうに2〜3割は変わります。
歩行者が車の前に飛び出しました。レーシングドライバーだったら50メートルで止まれる距離とスピードだったとしましょう。もしその歩行者と車の距離が55メートルだった時に、その歩行者の運命を握っているのは、そのドライバーのブレーキング能力なのです。

もし、モータースポーツができる社会貢献があるとすれば、この「車を止める技術を世に広める」というのは、その筆頭にあげられると僕は思います。

世の中の悲しい交通事故を一件でも減らせることを祈って、これからも地道にこの活動を続けていきたいと思います。

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コメント:
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