BMW Z3クーペとは
BMW Z3クーペは本格的な走りを楽しむことができる遊び心満載のスポーツカーです。斬新なコンセプトを受け継ぐZシリーズの2代目に設定されました。初代Z1のデザインと比べるとかなりオーソドックスなデザインが継承されていますが、セダンタイプを思い浮かべるBMWの中では異質の存在です。日本にもゆかりが深く日本支社の15周年特別仕様車も発売されたモデルとなります。
グレードは、前期モデルで2.8Lエンジンを搭載するベースモデルの2.8iと3.2Lエンジンを搭載するMクーペ。後期モデルでベースモデルの2.8iが3.0Lエンジンを搭載する3.0iへと変わっています。特に人気なのはMクーペでエンジンも内装も細部にまでこだわりを感じることができます。2002年に製造終了されてからも長い間人気が続いています。
大人のイメージが強いBMWの中でスポーツ感の強いデザインで、若い人の人気を集めていました。ロードスターと比べるとかなりの上位機種になりますが2シータの割には大きな荷台があるため普段使いでも比較的使い勝手が良い車種です。多くのカスタムパーツも発売されていてドレスアップを楽しむこともできます。ドライバーの個性が際立つため、現在流通している中古のZ3クーペもさまざまなタイプが存在します。
開発された歴史と経緯
Z3は、アメリカ合衆国のサウスカロライナ州に建造された工場で初めて作られたBMWでした。初代はオープンタイプのロードスターで、その後ルーフやテールゲートを変えたクーペタイプを追加することとなりました。未来を感じさせる外観の斬新的なデザインの担当者には日本人も含まれていました。BMWの中でもかなりのショートボディで1996年の発売当初は大きな衝撃となりました。名前に使われているZはドイツ語の未来であるZukunftの頭文字から取られていて、このシリーズの初代であるZ1から引き続き使われました。名前の通り時代に先端を行くデザインをしていました。
冒険心のある本気のBMW
Z3を見た時に浮かぶのはアンバランスと言う感想です。ボディー部分とノーズ部分がほぼ同じ長さであるために、ボディが小さく感じてしまいます。前後の重量配分は50対50であり、直進安定性はかなり高いものとなっています。ホイールベースをできる限り長くとっていることからも、高速走行を想定していることがわかります。見た目のアンバランスとは別に走るために追及されたデザインはイメージと比較にならないぐらいスポーティなものとなっています。
また、内装にはほとんど収納スペースがなく、走ることだけに専念することができるこだわりを感じます。
走るための本気のエンジン
Mクーペに搭載される最高出力321psを発揮する直6DOHCエンジンは、M3用に特別に開発されたものです。小さなボディは軽く、このような高出力なエンジンでは不釣り合いな印象があります。公道を走ると言うよりもレース場で活躍するためのものとして開発されたのではないかと感じさせるスペックです。しっかりとした重量配分がそんなオーバースペックなエンジンでも不安定になることなく走行を楽しむことができます。ここまで追及されているとこれぞスポーツカーと言えます。
まとめ
BMW Z3クーペは、デザイン、エンジン共に未来を感じさせるモデルです。ドライバーの遊び心を捉えて離しません。しかし、製造終了から15年以上も経過していることから年々入手が困難になっています。BMWを好きな人なら一度は乗って見たい車種の一つだと言って過言ではないでしょう、それだけBMWシリーズの中ではかけ離れた存在です。フロントグリルだけ見ると大型車のイメージがありますが、小さな見た目のデッキが愛嬌を感じさせます。どうしても乗りたい人は早めの検討が必要です。