いわゆるアメ車の魅力は、広大な北米大陸が育んだ、そのワイルドさにあります。とりわけ1960年代以降、アメリカン・マッスルカーと呼ばれるハイパフォーマンスカーが人気を集めました。いずれも、威風堂々とした大柄なボディに、大排気量のエンジンを搭載。パワフルな走りにファンは熱狂しました。
しかし、オイルショック以降は、米国市場においても、燃費性能や静粛性に優れた車種が主流となっています。そんな流れに抗うかのように、往年のアメリカン・マッスルカーを彷彿とさせるハイパフォーマンスカーが新型モデルとしてよみがえり、再び脚光を浴びています。それらをいくつかご紹介します。
ダッジ・チャージャー(クライスラー)
アメリカン・マッスルセダンの代表車種として君臨するのがダッジ・チャージャーです。フラッグシップモデルであるSRT-8には、431PSを発揮するV8・6.1リッターHEMIエンジンを搭載。5100ミリに達する全長と1895ミリの車幅、そしてセダンとしては高めの1510ミリの車高を持つ、極めて大柄なセダンボディにもかかわらず、豪快な走りを実現しています。
ビッグパワーを受け止めるブレーキシステムには、世界最高峰の性能を持つブレンボ社製を採用。特徴的な十字デザインのグリルや、HEMIエンジンを格納する大柄なボンネットに設けられた大面積パワーバルジ、そして、ウイングスタイルのリアスポイラーが、ハイパフォーマンスカーであることを強烈に印象づけています。
シボレー・カマロ
アメリカン・マッスルクーペの代表格と言えるのがカマロ。現行モデルは2009年にデビュー。ロングスリット状の特徴的なフロントマスク、ボンネットの大面積パワーバルジ、そして、アメフト選手を彷彿とさせるブリスター仕様のリアフェンダーなど、見た目の迫力は満点です。パワートレーンには、405PSを発揮するV8・6.2リッターOHVエンジンを上位モデルに採用。20インチAWやブレンボ製ブレーキも採用し、迫力ある走りを楽しむことができます。
フォード・マスタング
フォードが誇るアメリカン・マッスルクーペが、マスタングです。上位モデルには、426PSものビッグパワーを発揮するV8・5.0リッターDOHCエンジンを搭載。大型エンジンを格納するロングノーズスタイルボディは、4790ミリの全長と1920ミリの車幅、そして1380ミリの車高という、ロング&ワイド&ローボディとなっており、圧倒的な存在感を放っています。
19インチAWやブレンボ製ブレーキシステムを採用しているほか、電動パワステ採用により、リニアなハンドリングと燃費性能の向上をも実現しています。マスタングは、通常のクーペボディのほか、コンバーチブル仕様もラインナップしています。
このほかにも、シボレー・コルベットやダッジ・チャレンジャー、ダッジ・バイパー、ポンティアック・トランザムなどが、アメリカン・マッスルカーとして人気を博しています。維持費の問題や、日本の道路事情には大きすぎるボディゆえに、いざ所有するとなると躊躇する人が多いかもしれませんが、そういった現実を忘れさせてくれる圧倒的な魅力が詰まったアメリカン・マッスルカーに、一度は乗ってみませんか?