日本車はダサいのか。外車に学ぶ長年愛されるデザインの作り方

先日、1938年から80年に渡って人気を博してきたフォルクスワーゲンのビートルが生産終了となりました。ビートルはヒトラーの国民車構想によって高速でも走れるようにデザインされ、実際に生産されて以来その原型を崩すことなく現行の3代目まで続きました。そして、世界の様々な人にそのデザインは愛されてきました。80年経っても色褪せないデザイン。このような長年経っても愛されるデザインがあり、それを崩さないように新型をつくる。海外のメーカーは日本に比べてそういった車の作りかたをするメーカーが多いように思います。日本車はダサいダサいと長年言われていますが、それは海外のメーカーのように決まったデザインがないからではないでしょうか。というか、そもそも日本車がダサいというのは世界共通認識なのでしょうか。今回は外車のデザインが長年愛される理由、そして日本車がそう見えないのはなぜなのか、語っていきたいと思います。

日本車ってダサい?

まず、よく言われる日本車がダサいという問題について。そもそも本当に日本車ってダサいのでしょうか?外車のデザインについて考える前に、ここでは日本車のデザインについて考えてみたいと思います。

日本車のデザインの傾向

日本車におけるデザインの傾向として、外車のように長年愛されるデザインがないというのが一番に挙げられるでしょう。それは言い換えれば、売る時の社会の傾向や時代によってコロコロとデザインを変えているということ。少し前に売られていた車や1世代前の日本車って自分が思っている以上に古く見えたりしませんか?その理由の大きな一つとして売る時代によってコロコロとデザインを変えているため今のデザインとの差があり、外車と違いちょっとだけ前の車のデザインでもひどく古く見えてしまうということがあるのではないでしょうか。

なぜデザインを変える?

では、なぜ日本車は外車と違いデザインをコロコロ変えるようになってしまったのでしょう。そこには日本の国民性を見て取ることができます。日本人の車を作る際の考え方として、売れる車ということを大前提に車作りをしています。この、売れる車を作ろうと考えている。これがデザインをコロコロ変える理由です。売れる車を作ろうとする時みなさんは何を考えますか?まず、人々に受け入れられるということを考えるのではないでしょうか。しかし、人々は常に同じようなものが欲しいと願っているわけではありません。その時々によって人々が求めているものは違います。その結果作る時々によって違うニーズに合わせて車を作るため、コロコロとデザインが変わる車ができあがってしまうのです。

日本車をダサいと思っているのは日本人だけ?

日本の中では日本車はダサいダサいと言われていますがそれは日本だけなのでしょうか。例えばドイツ車はドイツ国内では国産車です。もし、ドイツも日本と同じように国産車はダサく外車はかっこいいと言われているのであれば、日本車も日本国内ではダサいと言われていても海外からみれば別にダサくないということになります。

海外ではダサいとは言われていない

結論から申しますと海外では日本車のデザインはダサいという評価はされていません。しかし、近年の日本車のデザインはみなさん口をそろえてどれも似たり寄ったりだと言います。つまり、海外から見る日本車はダサいのではなく個性がないのです。これは日本のメーカーが人々に受け入れられるデザインばかりを考えてしまったがゆえの結果でしょう。

外車のデザインの特徴

では、今度は逆に外車のデザインについて見ていきたいと思います。外車のデザインには一体どのような特徴があるのでしょうか。

長年経っても色褪せない

外車におけるデザインの特徴としてまず挙げられるのが長い年月が経っても色褪せず、愛され続けるということでしょう。むしろ長い年月を経てば経つほどデザインに味がでてきています。フォルクスワーゲンのビートル、フィアットのフィアット500などがその典型です。これらの車は日本の車のように毎年のようにマイナーチェンジをすることはなく、2.30年に一回もともとのデザインを崩さないようにモデルチェンジを行うくらいです。もともとのデザインがしっかりしているので長年製造でき、モデルチェンジもデザインを崩さないため最小限に行うのですね。

デザインに意味がある

外車のデザインの多くにはそのデザインになった理由があります。先ほど例に挙げたビートルを見て見ましょう。ビートルが作られたのはドイツがナチスによって支配されていた頃、ヒトラーによって掲げられた国民全員が車を持てるようにするという国民車構想、そして速度無制限で走れる道路を建設するという二つの政策にあった車作りを依頼されたという背景があります。小型でも高速で走れるように、そして高速で走っても丈夫なようにと考えられて作られた結果、あのような長年愛されるデザインになったのです。

日本車と外車デザインの違い

ここまで、日本車と外車それぞれの傾向について見てきましたが、ここでは日本車と外車のデザインに対する姿勢の違いについて比べてお話ししていきたいと思います。

売れるためか愛されるためか

この違いはデザインを作る上で大きいでしょう。そもそものデザインをする目的が違えば出来上がるデザインが変わってくるのは当たり前です。日本のメーカーは売れることを目指して車を作ってます。しかし、車のデザインというのはどの車を買うのか考える上で非常に重要な要素です。売れる車を作ろうとしてデザイン性で外車を選ばれてしまっては本末転倒のような気がします。一方、海外のメーカーは愛されることを目指して車を作ってます。そのため価格面で言えば売れるためだけを考えた日本車より高くなってしまうのは仕方がないのかもしれません。しかし、その少し高くなる値段も愛されるということでいえば良い意味でブランド力になるのでしょう。

目先の新しさか遠い先の“味”か

これはデザインを作るにあたって、どの時代のことを考えて作るのかという違いです。日本の車のデザインはその車を出した直後の反応を気にしてデザインを設計しています。世に出した時に人々がパッと新しさを感じたり先進的なデザインだと感じることができれば興味を持ってもらいやすくなり購入に繋がるからです。しかし、言い換えればそのデザインは興味を持ちやすく飽きやすいということです。車を出した直後は興味をもってもらえますが、しばらく経つと飽きられてしまい、結果的にこまごまとモデルチェンジによってテコ入れをしていかないといけない状況になります。一方、海外の車のデザインは長い年月が経った時、そのデザインが味になるように考えてデザインを設計しています。最初こそ日本車に比べればすぐにとっつきやすかったり、新しさを感じないかもしれませんが一度気に入られるとそのデザインはずっと愛されます。

日本のメーカーが外車に学ぶべきこと

日本の車と海外の車のデザインには大きな目的の違いがあることがお分かり頂けたと思います。では、最後に日本の車が無個性だったりダサいと言われないためには外車のどこを見習っていけばいいのか考えて見たいと思います。

売れる車をという概念を捨てる

これはもうはっきりしていると思いますが、デザインのことだけでいえば売れる車を作るという概念は大切にされるデザインを作る邪魔者になります。まずは、売れる車を作るという考えやそれに沿って作られた、こうしなければいけないというルールを撤廃していくことが重要でしょう。

新しさにだけに目を向けない

新しいものだけが全てではありません。新しいものは確かに車を世に出す上で必要ですが、新しさだけを詰め込みすぎるとその新しさが失われた際、またすぐに新しいものを作らなくては追いつかなくなり負のスパイラルに陥ってしまいます。今の日本車は新しいものに目がいきすぎている気もするので、ここは長年愛されている外車を見習ってもいいのかもしれません。


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