三菱が閉鎖した米国工場を拠点に、謎の新興メーカーが起業する?

工場が蘇れば、それは何よりなのですが…。

日本人からすると残念な限りですが、2015年に三菱自動車は、北米で唯一だったイリノイ工場を閉鎖しました。 1988年に開所したこのプラントでは「アウトランダー・スポーツ」を生産しており、クライスラーとの合弁事業として運営されていました。 先日の『オートモーティブ・ニュース』の報道によると、そこへ、このほどリビアン・オートモーティブという名前のメーカーが、この工場を買収しようとしているようです。 リビアン社は2024年までに200億円あまりをこの工場に投資しようと計画中のようで、2021年までに500人の雇用を生み出すとしています。 これは、イリノイ州の通商経済省によるプレスリリースで明らかにされた内容です。

このリビアン社がどんな企業であるかは、CEOがRJスカリンジ(Scaringe)という名のRPI・MITの卒業生であり、2009年に設立されたという点以外、まだ明確には示されていません。 自社については「持続可能なモビリティーに向けて、統合された商品やサービスを開発する」と述べるに留まっています。 会社としてのミッションは、「従来型の自動車産業を改革し、保守的な経営の欠点を払拭する」としています。 なんとも曖昧な説明ではありますが、これが意味するところを知りたいと思う人は多いでしょう。 1つの捉え方としては、自動運転や再生可能エネルギーを使う動力源の採用かと考えられますが、同社のウェブページすら「Coming Soon」表示のままになっており、イリノイ州でさえ、同社の計画内容を知らないということです。

実は、この旧三菱工場が正式に買収されたかどうかについても、これまでの報道は分かれているところです。 イリノイ州当局の女性広報担当者、ジャクリーン・レイネッケ氏は、現時点ではまだ工場買収は成立していないと述べています。 また、レイネッケ氏は「現地の税務関係者は、まだ補助金を出せるかどうか協議中」であるとしています。 リビアンが何を考えているのか、詳しいことは分かりませんが、幹部をはじめとする従業員には、経験のある人材を雇い始めてはいるようです。 COOには、ワートン・ビジネス学院の卒業生で、これまではGMで働いていたガブリエル・メサンザ氏を起用としたということです。

さらに同社は、クライスラーの元副社長や、GMとフォードからもデザイナーを抜擢したとしています。 三菱の跡地から成長する、新たなアメリカの自動車メーカーに期待したいものです。

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