プジョー・シトロエングループが、このタイミングで公開したワケ
先日ジュネーブサロンで公開されたプジョーのコンセプトカー「インスティンクト・コンセプト」をご紹介します。 プジョー・シトロエングループ(PSA)は今、まるで初めての子供を持った若い保護者のような立場にあります。 これまでは自社とその社員の面倒だけ見ていれば良かったのですが、独オペルおよび英ヴォグゾールをGMから買収した現在、PSAはフォルクスワーゲンに次ぐ欧州2番目の巨大メーカーに押し上げられました。 この変革によって、PSAも今回のジュネーブサロンの会場でインスティンクト・コンセプトを発表するに至ったのでしょう。 同車は自動運転車の将来像を示すものですが、ヨーロッパをリードするメーカーとして自社の将来を真剣に考えなくてはならなくなった今、PSAが権威づけのような形で披露したものと言えます。 その様子は、あたかも20代の若者が、早くも退職後に備えて貯蓄を始めたかのような姿にも映ります。
エクステリアデザインの詳細をチェック!
このコンセプトカーの存在については、ジュネーブサロンの開幕よりも前から噂されていました。 また、噂が飛び交い始めてからすぐに、その公式情報もPSA側からリリースされていました。 そして、ジュネーブの会場では実車も展示されたのです。 これは、意外なほど早い展開です。 会場では、ほかのコンセプトカーたちに引けを取らないくらいに興味をそそられる外観で、非常に見栄えがしたということです。 フロントグリルからは空気を通す「穴」が消え、同じくミラーも見当たりません。 どちらも空気抵抗低減の名の下に撤去されていますが、ミラーの代わりはリアカメラが努めることになります。 グリルの見え方は見る角度によって変化し、はっきりそれと分かるようにも見えれば、ボディーの他のパーツとブレンドしてしまうようにも見えます。 このデザインの工夫も、エアロダイナミクスを考慮した結果です。 LEDを採用するヘッドライトは、動物の牙(きば)のようにも見えます。 後方に向かうボディーラインはシームレスに見えますが、これは観音開きドアの採用によるところが大きく、高級感の演出に貢献しています。 その上、わずかながらこれまた空気抵抗の削減にも役立つデザイン処理となっています。
ルックスの良さは、運転する楽しみと合わさってこそ活きる…はずでは?
このように、ハンドルとペダルを持たない完全な自動運転車でありながら、見かけに関しては素晴らしくゴージャスなクルマと言えるでしょう。 このまま量産化してほしいと言う声も大きそうですが、クルマ好きを楽しませる工夫もしてほしいところです。 これほど躍動的な外見のクルマに仕上がっているのですから、本当のところは、それに見合った良質なドライバーを乗せて走った方が、理に適っているのではないでしょうか? 自動運転車であるがゆえの、「単なる移動用の箱」に留まってしまっては、実にもったいないところです。
The Peugeot Instinct Concept Is The Only Autonomous Car We Could LoveAncar | Ancar(アンカー) – 中古車の個人間売買