性能と価格で激しく争うGT-Rとポルシェ911ターボ、宿命の対決は静かに続く?

泣くなスカライン!鈴鹿の華~宿命のはじまり~

そもそも現在のGT-RがかつてスカイラインGT-Rであり、その源流をさかのぼれば、まだ日産と合併する前のプリンス スカイラインGTに行き着きます。 1963年の第1回日本グランプリでトヨタに苦杯を舐めさせられたプリンスは、最上級セダン、グロリア・スーパー6のエンジンを小型セダン、スカイラインに無理やりぶち込んだスカイラインGTで、第2回日本グランプリでの打倒トヨタに燃えていたのです。 有力な対抗馬の無いトヨタにプリンス圧勝と思われた刹那、突如エントリーしてきたポルシェ904にまたも勝利をさらわれます。 破れたりとは言え相手は純レーシングカー、それに対してファミリーセダンベースの急造マシンで善戦したスカイラインは「泣くなスカイライン、鈴鹿の華」と讃えられましたが、それ以来スカイラインとポルシェの50年以上続く因縁が始まったのでした。

かつてポルシェ944ターボをベンチマークとしたGT-R

時は流れ1980年代後半、第2世代スカイラインGT-Rの第1陣、日産 BNR32スカイラインGT-Rの開発に当たっては、ベンチマークとされていたヨーロッパ車が存在しました。 それは何か? JTC(日本ツーリングカー選手権)でR30スカイラインRSが全く歯が立たなかったボルボ240ターボか、それとも、ボルボほどではないにせよ、いずれにせよR30ではお話にならなかったBMWやジャガーか。 既に世代はR31スカイラインに入っていたので、そうした古い車ではなかったものの、依然としてレースの世界ではヨーロッパ車のフォード シエラRS500が立ちはだかっており、いずれレースで破らなければならない相手でしたが、それともまた違います。 BNR32が目指したのはさらに上、ポルシェ944ターボだったのです。 ピュアスポーツと言って良い911に比べれば乗用車然としているように見える944ターボにさえ、当時の日本車で勝てる車はいない。 「どうせならヨーロッパでもっともバランスの採れたスポーツカーをターゲットにしよう」 その944ターボをベンチマークに、パワートレーンだけではなく優れたハンドリングを追求していった結果、BNR32は第2世代スカイラインGT-Rが世界中で名車として現在に至るまで讃えられる、最初の一歩を踏み出したと言えるでしょう。 それにしても、あの第2回日本グランプリから20年以上がたって、直接サーキットで対峙したわけではないとはいえ、またもスカイラインはポルシェをライバルとして、スカイラインGT-Rという最強のマシンを生み出したのです。

そして今、R35 GT-Rと911ターボの静かな争い

BNR32がベンチマークとした944ターボは1991年で生産終了、後継車の968も1995年で生産終了し、そのまた後継は(ポルシェとしては)ライトウェイト・スポーツのボクスターとなったことで、一旦ポルシェとスカイラインの因縁は途切れたかに思えました。 スカイライン自体も2002年のBNR34 スカイラインGT-Rの生産終了で、その系譜は一旦途切れます。 しかし2007年、日産が新世代のR35GT-Rをデビューさせると、その性能といい価格といい、今度はポルシェ911ターボを意識し始めたことが明確になってきます。 最初は700万円台と「安価なスーパーカー」だったGT-Rの価格と性能が年々上昇すると、2010年代半ばには面白い現象が起きました。 北米市場において、ポルシェが911ターボおよびターボSの価格が割高に。 筆者はその前の状況を把握まではしていませんが、他のモデルと本国価格・日本での価格・北米価格を比較すると、911ターボ系だけが妙に高いことだけはわかりました。 その頃何が起きたかといえばGT-Rの性能アップにともなう値上げで、いよいよ永遠のライバル・ポルシェの911ターボを抜くのも時間の問題と言われてます。

性能のGT-Rか、ブランドの911ターボか

実際、2017年2月現在での北米価格はGT-R NISMO(17万4,990ドル)が911ターボ(15万9,200ドル)を抜き、911ターボS(18万8,100ドル)に迫る勢いです。 ポルシェとしてはブランドイメージも重要なのでGT-Rより安くなりたくない、という戦略的価格設定をしていた時期もありましたが、最近はそれが少し緩くなったようで、911ターボよりGT-R NISMOの方が高くなりました。 (素のGT-Rは911ターボより安いままです) スペックは今や911ターボより素のGT-Rが、911ターボSよりGT-R NISMOの方が上ですが、性能で一歩譲ってもブランドイメージを価格で維持している、そんなところなのでしょう。 地味な争いではありますが、この両者のライバル関係はまだまだこれからも続きそうです。

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