激突DTM!メルセデス・ベンツ190E2.5-16と火花を散らしたBMW M3

至上オーダー・宿敵メルセデスを撃破せよ!

もともとグループ5、ついでグループCマシンによって戦われていたドイツレーシングカー選手権があまりに強すぎるポルシェのため衰退、それに代わって市販車ベースのグループAマシンで戦われるように開催れたのが、DTM(ドイツツーリングカー選手権)です。 1984年の開催直後は多彩なマシンが参戦する中、BMWはスーパーカーのM1用エンジンを組み込んだM635CSiで開幕年のドライバーズタイトルをゲットします。 翌年以降はボルボ240やフォード シエラの台頭で苦戦しますが、1986年に登場した宿敵メルセデス・ベンツのグループAホモロゲーションマシン、190E2.3-16がBMWに火をつけました。 同時期、3シリーズをベースとした新たなグループAマシン、初代M3の開発が、BMWモータースポーツ(現在のBMW M)に委ねられており、1985年には既にデビューしていたのです。 オーダーは打倒メルセデス!!!(と、その他もろもろ)

ベース車の印象から大きく変わる、強烈なメーカーチューンド

それに応えたBMWモータースポーツは、E30型3シリーズクーペをベースとしてM1やM635CSi用の3.5リッター直6エンジンから2気筒をカットした2.3リッター直4DOHCエンジンを搭載することとしました。 しかし、エンジンだけでは市販車ベースのレースには勝てません。 市販車からの改造範囲が制限されたレーシングカーでは、市販車そのもののポテンシャルの高さが大きくモノを言います。 そこでBMWモータースポーツは3シリーズクーペのボディを切り刻み、無骨な印象を与えるブリスターフェンダーを与えて思い切ったワイドトレッド化を敢行し、タイヤやホイールもより大きく太いものを装着可能にしました。 さらに前後エアロパーツもノーマルと全く印象を変える大胆なものが装着され、Cピラーやリアウインドウの角度すら変更し、トランクも変更して空力を徹底的に追求。 見た目はベース車から全く異なる、凄みと戦闘力の高さを思わせる外観へと変わったのです。 ブレーキやホイールベアリング、ボディ補強など見えない部分にも徹底的に手を加えられたM3は、「3シリーズクーペの高性能版」というより、「3シリーズをベースにした全く新規の高性能車」として生まれ変わったのでした。

DTMでの大活躍と、ライバルとの激しいバトル

1985年より市販開始、190E2.3-16に1年遅れて1987年シーズンからDTMに投入されたM3は、早速第1戦からデビューウィンを飾るなど10戦中5勝を上げ、ドライバーズタイトルを獲得する活躍を見せました。 以降、エンジンのパワーアップやエアロパーツを追加したエボリューションモデルの投入などで戦闘力を高めつつ、190E2.3-16やフォード シエラコスワースと激しいバトルを繰り広げます。 1990年代に入るとアウディやアルファロメオといった新たな強敵を迎えますが、その中でも戦闘力を維持した190Eのエボリューションモデルに対して、M3のエボリューションモデルはその戦闘力を失っていきました。 結果、1992年までワークス体制で戦い続けたものの、2代目M3にチェンジしたタイミングでDTMから撤退することとなります。 ライバル同様末期には2.5リッターまで拡大していたエンジンでしたが、直6エンジンを搭載した190Eに対し、直4のM3では戦闘力を維持できなかったのがその理由とも言われました。 DTMそのものもメーカー間の過剰な争いで参戦費用が高騰し、レース中のラフプレーも目立つ中で参戦メーカーやチームの撤退も相次いだため、1996年で一旦終息しています(2000年に復活して今に至る)。

日本のツーリングカーレースでも活躍した初代M3

ドイツのツーリングカー熱は日本にも伝播していたようで、1985年に始まっていたJTC(全日本ツーリングカー選手権)にも、初代M3は1987年から参戦しました。 こちらでもメルセデス・ベンツ190E2.3-16が参戦していたものの、メルセデスワークスでも無い状況では十分な実力を発揮できなかったようで、プライベーター主体のJTCではM3が圧倒していきます。 排気量2.5リッター以下のクラス2は、クラス1(2.5リッター以上)のBNR32スカイラインGT-Rともども初代M3のワンメイクレース状態となり、それが1993年のJTC終焉まで続いたのです。

2代目E36以降のM3は直6、あるいはV8の大排気量エンジンを搭載した公道向け高性能市販車となり、初代M3とは名前は同じでも、その性格を大きく変えました。 レースに参戦していなかったわけではなく、4代目E92型クーペでDTMへの復帰も果たしたものの、レース用マシンとしての役割は、クーペモデルが独立した4シリーズのM4に譲り、今はM5の小型版高性能サルーンとなっています。 かつての面影がすっかり消えたM3ですが、現在はひと回り小さい1シリーズ派生クーペの2シリーズベース「M2」が登場しており、初代M3の再来と好評です。

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