アウディと言えば4WDスポーツ、クワトロ!
今では遠い昔の話になってしまいましたが、そもそもアウディは1981年に登場した初の4WDターボマシン「クワトロ」でWRC(世界ラリー選手権)を席巻、1992年までその活躍が見られた、4WDスポーツによるラリーの名門だった時期がありました。 日本でもバブル時代には「4WDのアウディ、雪上の王者」のような扱いで非常に人気が高かったのですが、その後日本車にも4WDターボマシンが登場。 セリカGT-FoirやギャランVR-4、ランサーエボリューション、インプレッサWRXなどが4WDスポーツの覇権を争うようになり、輸入車でもランチア デルタHFインテグラーレが人気を博す中、アウディ車は次第に「普通の車」となっていきました。 代わってフォルクスワーゲン(以下VW)のプレミアムブランドとしての役割が強まり、スポーツイメージが遠のいてはいったものの、車名からアウディ4WDシステムの代名詞となった「クワトロ」は健在で、現状はそれを強くアピールしない、ちょっともったいない状況にあると言えます。
アウディの4WDスーパースポーツ、R8!
そんなアウディにも、数は少ないながらクワトロを活かしたスポーツカーがあります。 FFおよびクワトロ4WDの「TT」と、その上級カテゴリーに属する「R8」です。 このR8は2006年に販売開始されたスポーツカーで、乗用車ベースではなくリアミッドシップにエンジンをマウントし、大排気量エンジン+クワトロで四輪を駆動するミッドシップ4WDスポーツ! 初代は420馬力の4.2リッターV8エンジン搭載でスタートしましたが、後に525馬力の5.2リッターV10直噴エンジンを追加。 2016年に登場した2代目ではV10に一本化され、540馬力の「R8 V10」と、610馬力の「R8 V10 plus」の2種類があります(後にV8エンジンが追加される可能性は一応あり)。
レクサスLFA、日産GT-R、ホンダNSXでも味わえないオールインワン
日本でもV10搭載のスーパーカー(LFA)や4WDのスーパーカー(GT-R)、はたまたハイブリッド4WDのスーパーカー(NSX)もありますが、アウディR8のような全部盛り、すなわちオールインワンのスーパースポーツはありません! このようなピュアスポーツがありながら、今ひとつスポーツイメージが薄い日本でのアウディを見ると、他の国で見たトヨタや日産(そしてレクサスやインフィニティ)も、同じように高性能車が今ひとつイメージアップに貢献していないのでは…と少し心配です。 なお、アウディ自身もその点は心配していたのか、2016年にメルセデスAMGやBMW Mに相当する「アウディスポーツ」ブランドの展開をはじめ、各モデルの「RS」グレードや、この「R8」はアウディスポーツに組み込まれています。
クワトロシステムも電子制御式に進化!
5.2リッターV10エンジンの、自然吸気大排気量エンジンがもたらすトルクフルな走りもさることながら、気になるのはやはり4WDシステム「クワトロ」の進化です。 初代では機械的にビスカスを使って前後に駆動配分していたフルタイム4WDですが、2代目では多板クラッチを使った電子制御式で、基本は前後20:80とかなりリア寄りの駆動配分。 そのため、初代ではアンダーステアをブレーキを使ったスタビリティコントロールで無理やり制御していたような感覚も消え、スムーズに曲げてはフロントの駆動配分を増やしてコーナー出口へ引っ張る!という、気持ちよく曲がるセッティングになりました。 4WDスポーツとしてより洗練されると同時に、ミッドシップスポーツとしての利点も最大限に活かした形となり、乗るとアウディに対して持っていたイメージが変わっていくかもしれません。 あくまで外観はアウディ車のイメージそのものなので、同じVWグループでもランボルギーニのような派手なものではありませんが、それだけに「大人のミッドシップスポーツ」を求める人にはうってつけかもしれませんね!
新型が出たとは言え前型の中古車価格もまだまだ高い
新型のものだとまだまだ2500万弱ほどします。 ただ、R8の醍醐味を味わうなら前型でも十分すぎるので、前型ででも欲しい!と思う方もいるかもですが、こちらも大分価格は落ちてきたとは言え1200万円〜1400万円あたりで推移しています。 10年経ったもので800万円台といった所です。
さすがに気軽にR8の走りを体感するのは用意なことではありませんね。 ただ、これだけのスーパーカーになると、これまでのオーナーも然程乗り回していないのか、低走行距離なものが多いので、もう数年待ってみるともう少し買いやすくなるかもしれません。
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