サソリのエンブレムが目立つイタリアの自動車『アバルト』は、「見た目はどう見てもフィアットなのに何故?」と思ったことのある人も多いのではないでしょうか。
フィアットと言えば、ルパン三世のカリオストロの城で乗っていた「可愛い黄色の車」と言えばピンとくる人がいるかも知れません。
でも『アバルト』となると、かなりの車好きでないと日本では知らない人が多いでしょう。
そこで今回は、アバルトの値段やフィアットとの関係性、そしてあの『サソリマーク』に隠された秘密を紹介します。
アバルトはもちろん、フィアットに興味のある人も、ぜひ最後までお読みください!
フィアットなのにアバルトなのは何故?
アバルトは、1949年に北イタリアにある都市トリノで設立された『ABARTH&C.社』が最初。
アバルトは、レーシングチーム『カルロ・アバルト・スクアドラ・コルセ』としてモータースポーツに参戦し、その後のレースで次々と勝利を収めます。
アバルトは、車自体を製造するメーカーではなく、フィアット社の『FIAT500 Topolino』用のトランスミッションやマフラーのチューニングキットを開発して販売する、チューニング専門企業です。
自動車のチューナー企業は、日本であまり馴染みのない企業形態ですが、ドイツの『アルピナ(BMWのチューナー)』や複数のメーカーのチューナーとして有名な『ケーニッヒ(フェラーリ、BMW、ポルシェ、メルセデス・ベンツ、ランボルギーニなどのチューナー)』などの独立系チューナーが有名です。
その中でもアバルトは当初からフィアットをメインとしたチューニングをおこない、レースの結果などに応じてフィアットからアバルトに成果報酬が支払われるという契約が締結されました。
そして、コンパクトな実用車であるフィアットに、本格派なレースの走りを与えるチューナーとして、アバルトは人気となったのです。
このようにしてフィアットとの関係を深くしていったアバルトは、その後の1958年に『FIAT ABARTH500』を生み出し『アバルト』のブランドが確立しました。
しかし、1971年代にアバルトはフィアットに買収され、フィアット内部でモータースポーツ部門を担当しながらWRCなどを中心に活動を続けます。
さらに2007年には、レーシング仕様車のプロトタイプ『グランデ・プント・アバルト』をリリース。
現在アバルトブランドの車は、フィアットの正規ディーラーでも販売されています。
現在販売されているアバルトは、当時のようなメカチューンではなく、ターボエンジンと足回りを強化し、エアロパーツの装着などのチューニングが施された車です。
サソリのエンブレムの意味
アバルトの象徴とも言えるサソリのエンブレムの由来は、創業者のカルロ・アバルトがさそり座であったから。
小さなボディにハイパワーなインタークーラーターボを載せた現在の『フィアット アバルト』にもぴったりのイメージと言えるでしょう。
現在日本でも販売されている『アバルト』は、フィアット500の高性能モデルとして2009年に『アバルト 500』の販売が開始され、2017年のマイナーチェンジを期に『アバルト595』として改名されました。
そのため、見た目のフォルムは『フィアット500』とほぼ同じでありながら、スペックは強烈なスポーツカー仕様となっています。
アバルトの値段
アバルトは、日本全国のフィアットディーラーで購入可能で、現在『アバルト595』は320万円を基準にさまざまなオプションを装着可能です。
乗り出し価格は、グレードに合わせて概ね400万円~500万円前後と考えて問題ないでしょう。
中古車では150万円程度から500万円弱の車が多くなっています。
また、2017年以前の『アバルト500』の中古相場は100万円~250万円が相場となっており、少し古くなる分安くなっています。
まとめ
このように、フィアットの特別ブランドとして販売されている『アバルト595』は、その見た目とは裏腹な『走り』が特徴の車です。
フィアットは、アバルトだけでなく『フィアット500』シリーズや『Panda』など、見た目も可愛い車種が多く、お洒落な奥様にもピッタリな車となっています。
アバルトは遊び心満載の旦那様に、フィアットシリーズはオシャレで快適なセカンドカーとして、ぜひご検討くださいね。