今回取材に行ったのは神奈川県横浜市金沢区。無数のヨットを見渡せるマリーナの隣にある500坪の倉庫だ。現在絶賛準備中のMobi Lab.完成予定地にはまだDIYの机とノートPCが一台。そしてCarstay代表の宮下さんが作るキャンピングカーが一台あるだけだ。しかしそこは多くの可能性と車を中心とした暮らしの未来が詰まっていた。
横浜市金沢区の倉庫を活用したMobi Lab.
Mobi Lab.は以下の3つの組織が手を取り合って運営する全く新しい試みである。金沢区で40年間、工業用ファスナーの専門商社として地域に根付いてきたヨコハマ機工がこの造船場として扱われていた倉庫を用意し、キャンピングカーと車中泊のシェアサービスのプラットフォームを運営するCarstayがこの空間とノウハウを活かしてプロデュースする。そしてヨコハマ機工と同じく金沢区で「ものづくり」のワークショップを開催するAozoraFactoryがコミュニティの力を強めていく。
場所は金沢区鳥浜駅から徒歩5分。すぐ近くには三井アウトレットパーク横浜ベイサイドや横浜ベイサイドマリーナがあり、平日でも多くの人が行き来するホットなスポットだ。駅からアウトレットに向かう道沿いにMobi Lab.があり、駐車場へ入る道でもあるため金沢区近隣の人や週末に買い物に来る人にとって馴染み深い場所となるだろう。
未来の「旅・仕事・暮らし」を共創・体験
現在は3つの組織が運営しているMobi Lab.だが、さらに多くの個人・企業が参加して未来の「旅・仕事・暮らし」を共創する者たちが集う場所となる。例えばCarstayは先述の代表・宮下さんが作成するキャンピングカーを「トレーラーオフィス」として動くオフィスとして設置する。もちろんそれだけではなく、今後は車と我々が関わる様々なコンテンツが集まることになる。Carstayはこれまでにも2020年7月豪雨で被災した熊本県で働く医療機関にキャンピングカーを無償で貸し出すなどして車と「旅・仕事・暮らし」を創造してきた。
車×ものづくり
車とものづくりだって深い関係がある。車のカスタムはものづくりと言ってもいい。特にキャンピングカーの内装はその車や用途によって一つ一つ作られる家具やインテリアを作り、ペイントを施して自分だけのキャンピングカーにするのだ。倉庫の奥ではそういったブースを用意する構想が組まれている。
車×5G
5Gの普及が進めば車は走るスマホになる。タイムラグがほとんど0で高速大容量な通信を可能とする5Gを用いればコネクテッドカーは当たり前になり、車と車、車と人、スマホやAIに信号機まで様々なモノと通信し繋がることができる「V2X(Vehicle to Everything)」が実現できると言われています。ガソリンの残量がスマホで確認できたり、走りながら見つけた良さげなレストランを調べてそのまま予約することもできるかもしれません。また車と車、そしてAIが通信することにより自動運転が実現し渋滞は劇的に改善されるでしょう。そんな無限大の可能性を持つ車×5Gに関する商品の研究開発の場として活用していく。
Mobi Lab.のこれから
倉庫奥のスペースは車のカスタムや整備ができるスペースとし、その他は未来の「旅・仕事・暮らし」を共創・体験するスペースとして生まれ変わる。また、倉庫前の道に面する部分では様々なイベントが常に開催されているようにしたいという。普段からアウトレットを目的として多くの人が訪れる場所だ。そんな場所で常にイベントを開催して地域を賑わせていきたいそうだ。そこでは車の展示などテーマに合わせて多種多様な車を置いて車好きが集まる場所としても活用していく。また、2階のオフィススペースはシェアオフィスとして使用しMobi Lab.のコンセプトにマッチする企業に貸し出す予定だ。まだ何もない広い空間だが、これから多くの個人・企業が集まり【Mobility × Mobile5G】の中心地として賑わっていくことだろう。来年、2021年の2月始動を目標に着々と準備を進めている。
第1期「Mobi Lab. Membershipプログラム」募集開始
現在、Mobi Lab.ではこの新たな挑戦に参加する個人・企業を募集中だ。車事業だけでなくものづくりやアウトドア。ITやAIの分野など様々な参加者を募集している。
詳細はこちらhttps://mobilab.ai/
第1期「Mobi Lab. Membershipプログラム」として、Mobi Lab.のコンセプトに合致する企業および個人を幅広く募集し、厳正な審査を経た上で採択いたします。採択者はプログラムの一環として、2021年2月の施設オープンを目標に、空き倉庫のスペースの利活用や、金沢区のものづくり企業との連携、採択者同士のコラボレーション等を通じて、未来の「旅・仕事・暮らし」を共創・体験できる空間を創造します。
Mobi Lab.事務局長には、Carstay CMO(最高マーケティング責任者)の田端信太郎が就任し、本プログラムの運営を株式会社ヨコハマ機工と共同で実施します。また、地域パートナーとして、横浜市金沢区の魅力を発信する特定非営利活動法人Aozora Factory(本社:神奈川県横浜市、代表理事:本多竜太)と連携し、採択者の地域企業との連携や販路拡大を支援します。