トヨタチェーサーはマークⅡの姉妹車でスポーツセダン車です。もともとは俊足サルーンという位置付けでしたが、ターボエンジンの搭載やキャラクターの明確化などにより、ジワジワとユーザーを増やしていくのです。今回はそんなチェイサーの歴史を探っていきます
トヨタチェイサー
中型高級スポーツセダン「トヨタ・チェイサー」はどんな車?
チェイサーは、トヨタ自動車が1977年から2001年まで生産していた中型高級セダンの乗用車で、同社のマークIIやクレスタの姉妹車にあたります。
車のイメージとして、マークIIとクレスタがラグジュアリーなイメージであるのに対し、チェイサーはスポーティーなイメージを持つ車種でした。
ボディやエンジンは、基本的にマークIIやクレスタと同様のものを採用しています。
ボディサイズは全長4530~4750mm×全幅1670~1755mm×全高1375~1415mm、新車当初価格は200~350万円でした。ボディサイズや価格はモデルによって異なります。
チェイサーはトヨタオート店(現ネッツ店)で販売されていました。
チェイサーは3兄弟の中で最もスポーティーなキャラクター
トヨタ・チェイサーの特徴として挙げられるのは、マークII、クレスタ、チェイサーの中で最もスポーティーなイメージを持つ車種であることです。
特に最終型の6代目(X100系)チェイサーでは、オーバーハングが前後短縮され、丸型4灯ヘッドランプの鋭い顔つきのデザインを採用するなど、スポーティーなイメージを全面的に強調した車でした。
さりげない高級感とスポーティーさを組み合わせた、品格のあるスポーツセダンです。
直列6気筒2500ccターボエンジンを搭載
トヨタ・チェイサーには、「ツアラーV」という直列6気筒2500ccターボエンジンを搭載したハイパワーモデルがラインナップされていました。
この「ツアラーv」というグレードは、5代目(X90系)モデルから採用されたエンジンで、最高出力:280ps(206kW)/6200rpm、最大トルク38.5kg・m(378N・m)/2400rpmものパワーを発揮するエンジンです。
圧倒的な速さを求めるユーザーに人気なグレードで、年配者だけでなく若者にも人気のあったグレードでした。このエンジンはマークIIとクレスタにもラインナップされていました。
チェイサーの歴代モデル
トヨタ・チェイサーは1977年~2001年までの24年間、製造販売されたトヨタの代表的な中型セダンです。その歴史は長く、歴代モデルの多くが名車とされています。
初代(X30/40系1977年-1980年)1977年にデビューします。2ドア仕様も存在しました。
2代目(X60系1980年-1984年)2ドア仕様のグレードが廃止され、全車4ドアのセダンとなります。
3代目(X70系1984年-1988年)フェンダーミラーからドアミラーが主流になります。
4代目(X80系1988年-1992年)5ナンバーのグレードが存在する最後のモデルです。
5代目(X90系1992年-1996年)全車3ナンバーとなります。スポーツモデルが「GT」から「ツアラー」に変更されます。
6代目(X100系1996年-2001年)最終型のチェイサーです。この6代目で24年の歴史に幕を閉じます。
歴代モデルの中古車価格
トヨタ・チェイサーの歴代別中古車価格を紹介します。全体の中古価格相場は、10~329万円です。
初代(X30/40系1977年-1980年)約150万円
2代目(X60系1980年-1984年)不明
3代目(X70系1984年-1988年)約22~140万円
4代目(X80系1988年-1992年)約26~128万円
5代目(X90系1992年-1996年)約26~110万円
6代目(X100系1996年-2001年)約15~329万円
おすすめの歴代モデル
トヨタ・チェイサーのグレードの選択肢は豊富です。
おすすめしたいモデルとグレードは、最終型チェイサー100系モデルの「ツアラーS」です。
「ツアラーS」の搭載エンジンは直列6気筒2500ccのNAエンジンで、ターボは搭載していないグレードになります。スペックは馬力200PS、トルク26.0kg・mなので、ターボ搭載車のツアラーVよりはパワフルな性能ではありませんが、十分な走行性能を発揮します。
ツアラー系のグレードは、サスペンションやハンドリングなどの足回りを固めにセッティングしてあるので、スポーツ走行のような繊細なドライビングを楽しむことができます。
おすすめの歴代モデルの燃費
トヨタ・チェイサー100系の燃費を紹介します。チェイサーの燃費は、10モード/10・15モード燃費で8.6~12.0km/リットルです。
おすすめグレードの「ツアラーS」の燃費は、10モード/10・15モード燃費で9.0~10.0km/リットルです。
ガソリン燃料はハイオクを使用しますが、20年ほど前の車であることとエンジン性能を考慮すると、比較的燃費の良いエンジンでした。
おすすめの歴代モデルの維持費
トヨタ・チェイサー100系の維持費を紹介します。年単位でかかる費用と、毎月にかかる費用の2種類を紹介します。
・年単位でかかる費用
自動車税:45000円
車検代:86230円
・毎月かかる費用
ガソリン代(1年1万km&カタログ燃費×軽油110円、レギュラー120円、ハイオク130円、):14400円
駐車場代:1万円
任意保険代(年齢30歳、免許証ブルー、30歳以上限定、本人限定、車両保険無し、新規で申込、年間走行距離11000km以下):16350円
オススメのオプション
付いていてほしいオプション①
トヨタ・チェイサー100系のおすすめしたい1つ目のオプションは、ディーラオプションの「スポーティパッケージ」です。当初価格は10~20万円です。
このオプションはメーカー純正のエアロパーツで、チェイサーをよりスポーティーでスタイリッシュなエクステリアにします。ハーフエアロなので、純正の魅力を崩すことなく、上品な雰囲気を演出します。
付いていてほしいオプション②
トヨタ・チェイサー100系のおすすめしたい2つ目のオプションは、「カセット一体AM/FMマルチ電子チューナーラジオ&MD/CDプレーヤー+6スピーカー(チェイサー・ライブサウンドシステム)」です。当初価格は不明ですが、中古で販売している場合もあります。
MD、CD、カセット、ラジオが聴ける多機能オーディオです。高品質のオーディオで、当時は最先端のカーオーディオでした。
付いていてほしいオプション③
トヨタ・チェイサー100系のおすすめしたい3つ目のオプションは、リアサンシェードです。当初価格は不明です。
チェイサーはセダンなので、リアガラスの角度が寝ています。そのため、日差しが強い日は後部座席に直射日光が当たり、車内の温度が上昇します。
それを防ぐのに効果的なのが、リアサンシェードです。車内で快適に過ごすための装備として、おすすめしたいオプションです。
まとめ
トヨタ・チェイサーは、国産スポーツセダンの代表的な車種と言えます。近年の自動車業界では前輪駆動車(FF)が主流となり、後輪駆動(FR)のセダン型乗用車の車種が減少傾向にあります。現代において、チェイサーのような後輪駆動(FR)のスポーツセダンは貴重な存在と言えます。
チェイサーは最終型の販売が終了して20年以上が経過していますが、今でも車好きに人気の車種です。特に100系の「ツアラーV」は、中古車価格の相場が上昇傾向にあります。
年式が古いため、走行距離が少なく程度の良い中古車を探すのが難しい状況ではありますが、チェイサーのようなスポーツセダンは、若者の車離れが進行している今の時代だからこそ、多くの人におすすめしたい一台です。