ガルウィングドアとは、カモメの翼のように開く個性的な自動車のドアです。この記事ではガルウィングドアの解説や、ガルウィングドアのように個性的な自動車のドア10選などをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
ガルウィングドアとは
ガルウィングドアとは一般的な車のドアと違い、地面に対して垂直に開くタイプのドアを指します。車のドアにはさまざまな種類があり、その中でも「カモメの翼」を意味するガルウィングドアは有名です。ガルウィングドアというと上に開くドアのイメージがありますが、上に開くドアがすべてガルウィングドアというわけではありません。ガルウィングドアは名前のとおり、正面から見たときにカモメの翼のように開くドアを指します。
ガルウィングドアの歴史
ガルウィングドアは、メルセデスベンツで採用されたのがはじまりと言われています。従来の形のドアを取り付けることが不可能となったモデルを作ったメルセデスベンツが、ガルウィングドアを誕生させました。既存のアイデアではなく、新しく革新的なアイデアを追求しており、その結果ユニークなドアが出来たのでしょう。
ガルウィングドアの特徴
ガルウィングドアは見た目にもインパクトがあります。ガルウィングドアはカモメの翼のように開くため、強いインパクトがあります。しかし実際に採用している車種は少ないです。ここではガルウィングドアの実用性や採用している車種などについて解説していきます。
ガルウィングドアに実用性はある?
>ガルウィングドアは見た目にインパクトがあります。最初にガルウィングドアが採用されたメルセデスベンツ300SLは、剛性を確保しながらも軽量な車を作るために生まれました。そのため、最初は実用性を重視する形で生まれたと言えるでしょう。しかし実際のところ実用性に乏しいため、採用している車は多くはありません。
ガルウィングドアはどの車種に採用されている?
ガルウィングドアはスーパーカーのパガーニ・ウアイラなどに採用されています。ガルウィングドアは有名なところでは映画のバック・トゥー・ザ・フューチャーに登場する「デロリアン DMC-12」に採用されており、最近は「パガーニ ウアイラ」などに採用されています。
ガルウィングの他にも!特徴的な車のドア10選
ガルウィング以外にもさまざまな個性を持った自動車のドアがあります。自動車の個性的なドアとしてはガルウィングドアが有名ですが、ユニークなドアは他にも多く存在しています。ここではガルウィングドアを含めた特徴的な車のドア10選をご紹介します。
1:ガルウィングドア
ガルウィングドアはカモメの翼のように開くドアです。先にご紹介したとおり「カモメの翼」を意味する名前のドアで、ドアを全開に開いたときに正面から見るとまるでカモメの翼のように見えることからそう名付けられました。ガルウィングドアはメルセデスベンツで採用されたのをはじまりに、スーパーカー特有のユニークなドアとして有名になりました。
2:スーサイドドア
スーサイドドアは、一般的なドアとは逆開きに開くドアです。現在街中でよく見かける車のドアは、開けると後方が開きますが、スーサイドドアは前方が開くというユニークな造りになっています。スーサイドドアはクラシックカーに採用されていることが多く、日本車ならスバル360、現在はロールス・ロイスがスーサイドドアを採用しています。
3:バタフライドア
バタフライドアは蝶の羽のように斜め上に広く持ちあがるドアです。ガルウィングドアに近い見た目をしていますが、地面と平行なルーフの線でドアを支えるガルウィングと異なり、ドアの付け根とルーフの2点を支点に斜め上のほうへ広く持ち上がる形状になっています。マクラーレン車の特徴であるディヘドラルドアは、構造も見た目もバタフライドアとほぼ同じです。
4:スワンウィングドア
スワンウィングドアは軽く角度がついて持ちあがるドアです。白鳥の羽という名前が付いたスワンウィングドアは、開閉したドアに少し角度が付くのが特徴です。見た目はほとんど普通のドアと変わりないですが、少しだけ上向きに開きます。日本車でも、マツダが特許の申請を出したことでも一時期話題となっていました。普通のドアに少しアレンジを加えたデザインのため、他のドアのような派手な見た目ではありませんが、ユニークさが際立つデザインです。
5:ファルコンウィングドア
ファルコンウィングドアはガルウィングに近い特殊な開き方をするドアです。採用している車としては、「テスラ・モデルX」が挙げられます。ファルコンウィングドアは「ハヤブサの翼」を意味し、ガルウィングのように上向きに開きますが、ドアの上側と側面がそれぞれ別に動きます。複雑な動きになっているため、狭いスペースでも乗り降りができます。
6:ラプタードア
ラプタードアはドアが垂直になって開くドアです。ラプタードアは猛禽類の翼を意味し、正式名称を「DIHEDRAL SYNCHRO-HELIX ACTUATION DOOR」と言い、ディヘドラルドアとも呼ばれています。ラプタードアはスーパーカーブランド「ケーニグセグ」が採用しており、ケーニグセグの特徴となっています。
7:シザードア
シザードアはドアが跳ね上げ式で開くドアです。はさみを意味する名前のシザードアは、ドアの前方にヒンジがあるためはさみのように縦に開くのが特徴です。シザードアはガルウィングに似ており、ランボルギーニが採用しているためランボルギーニのドアはガルウィングだと思っている人も多いです。しかしシザードアと呼ばれるもので、ガルウィングとは微妙に形状が異なります。
8:引き込み式ドア
引き込み式ドアはドアが垂直に引き込まれるドアです。引き込み式ドアはBMW Z1で採用されているドアで、ボタンを押すことでドアが前輪と後輪の間に垂直に引き込まれて格納される仕組みになっています。そのため、ドアがない状態になるという特徴があります。また、引き込み式ドアを採用しているのはBMW Z1となっています。
9:前面開きドア
前面開きドアは車体前面が大きく開くドアです。イタリアのイソ社が開発した「イセッタ」に採用されたドアは車体前面開きで、丸いフォルムが可愛らしい車です。車の前面が大きく開くため、ドライバーは前面からの乗り込む構造になっています。近年イセッタから発想を得たという車が開発され、そのフォルムはイセッタと同じく丸みがあり、車体前面から乗り降りするスタイルになっています。
10:キャノピードア
キャノピードアはいいぞ pic.twitter.com/GV0Ex8Wz0A
— 門前 秋良🙄らきあえまんも (@Amommae) March 15, 2018
キャノピードアは航空機のコックピットのように上部が開くドアです。キャノピーとは航空機のパイロット席上部を覆う部分のことで、小型航空機のように自動車のルーフ部分をそのまま上に開くようにして乗り込む方式になっています。
ガルウィングドアのメリット
ガルウィングドアはスペースが狭い場所でも開閉できるメリットがあります。ガルウィングドアのような跳ね上げ式のドアは、横方向へのスペースが狭い場所でも開閉可能です。そのため、一般的なドアでは駐車できないようなスペースにも駐車することが可能です。
ガルウィングドアのデメリット
ガルウィングドアはコストが高くなるというデメリットがあります。ガルウィングドアは構造上重たくなってしまいますが、乗降時にドアが落ちてこないような仕組みにする必要があります。そのため、どうしてもコストが増えてしまいます。さらに天井が低い駐車場では逆に駐車しにくいため、街中を走行したり狭い駐車スペースに停める場合は、ガルウィングドアはデメリットが多いでしょう。
ガルウィングドアはかっこいいけど普段使いには難しい
ガルウィングドアはユニークですが実用性には乏しいと言えます。ガルウィングドアをはじめとする個性的な自動車のドアは、今では特定のスポーツカーや高級車にのみ採用されていて、街で見かけることがあまりないかもしれません。これらのドアは実際に使用するとなると利便性は低く、普段使いには厳しいといえるでしょう。今後、個性的で利便性があるドアが登場し、ファミリーカーなどにも採用されていくとことを期待しましょう。