旅行や出張などで寒冷地に行く機会があるかもしれません。もしくは、冬の時期などはあなたの住んでいる場所でも想像を超える寒さになる日もありますよね。そんな中で運転する際には、サイドブレーキの凍結について気を付ける必要があります。寒冷地に住んでいる人にとっては常識かもしれませんが、スキー場や温泉など寒い地域に旅行する方々はサイドブレーキの凍結について知っておくべきでしょう。サイドブレーキの凍結に気付かずに運転をしてしまうと、大事故につながってしまう可能性もあります。
そこで今回はサイドブレーキ凍結の危険性、理由、対策について紹介していきます。
サイドブレーキについて
サイドブレーキとは?
サイドブレーキとは、止まっている車を動かないように後輪を固定するものであり、正式名称はパーキングブレーキです。「手で引くタイプ」と「足で踏むタイプ」があります。
サイドブレーキが凍結すると危険?
寒冷地でのサイドブレーキの凍結と危険性
寒冷地でサイドブレーキを引いて駐車すると、サイドブレーキが凍って動かなくなってしまう可能性があります。サイドブレーキが凍結した場合、アクセルを踏んでも車が動かなくなります。たとえ車が動いたとしても、サイドブレーキを解除せずに走行すると、車が突然スピンしてしまう恐れがあります。また、ブレーキが利かなくなる可能性もあるので大変危険です。サイドブレーキを降ろすことは出来ても、サイドブレーキの凍結は実際に走ってみなければ分からないこともあるので注意が必要です。
サイドブレーキ凍結が起きる理由と対策
なぜサイドブレーキ凍結が起きる?
サイドブレーキと車の後輪のワイヤーはつながっています。タイヤのブレーキはワイヤーで引っ張ることによって止まるようになっています。そして、そのワイヤーは筒のようなものに覆われて保護されています。その筒の中には水が入ってしまうことがあり、寒い時期はこの水分が凍結してしまう可能性もあります。そのため、ワイヤーが動かなくなってしまうことにより、サイドブレーキの凍結が起こります。
最近の自動車の性能は上がっています。そのため、新しい車はワイヤーの防水性が高く、サイドブレーキの凍結が起こりにくいことは事実です。しかし、寒冷地ではまだサイドブレーキが凍結してしまう可能性はあるので注意しましょう。古い車やボディの下部をぶつけたことがある車は、サイドブレーキの凍結が起きやすいということもあります。寒冷地などでは、サイドブレーキをかけない方がよいでしょう。
※最近は、電動式パーキングブレーキシステムも増えてきています。電動式パーキングブレーキシステムは、エンジンを切ると自動的にサイドブレーキが作動するようになっているものもあります。寒冷地でそのような車を使う場合は、取扱説明書等を参照してサイドブレーキの取り扱い方について確認しておくようにすると良いでしょう。
どんなときにサイドブレーキが凍結するの?
- 濡れた道路を走るなどして、ワイヤーに水分がつく
- 氷点下(0℃)を下回る
この2つの条件に当てはまる場合、サイドブレーキの凍結が起こるかもしれません。氷点下10度以下になるときは特に注意が必要です。
※氷点下に近い温度(1~5度など)で風が強く、日陰に駐車している場合、氷点下に達していなくてもサイドブレーキの凍結は起こりうります。
サイドブレーキ凍結の対処法・対策
サイドブレーキの凍結が起こった時の対処法
お湯をかける
お湯をかけることによって、凍結を溶かすことができるかもしれません。お湯の温度が高すぎると部品を傷つけてしまう可能性があります。ぬるすぎても、再び余計に凍結させてしまう可能性があります。そのため、後輪のホイールの裏あたりに適量のお湯(50~60℃程度)を少しずつかけることを心がけましょう。タイヤを外し、ドラムブレーキのあたりをお湯やドライヤーで暖めることもできます。
JAFなどロードサービスにお願いする
必ずしも上記に述べたようにできると限りませんし、JAFなどのロードサービスにお願いしてみても良いでしょう。すぐに問題を解決してくれるかもしれません。
寒冷地ではサイドブレーキをかけずに、ギアを「P」に入れて輪留めを着用
ATの場合は、ギアは「P」に入れるようにしましょう。MTの場合は、「ロー」か「バック」に入れるようにしましょう。さらに、サイドブレーキなしでも車が動かないようにしておく必要があります。ATの場合、ギアを「P」に入れれば車は止まるかもしれません。しかし、それだけでは危険です。特に、坂道での長時間の駐車などは、耐えきれずに動き出してしまう可能性すらあります。そのため、寒冷地ではなるべく平坦な場所に駐車するようにしましょう。昼間の駐車のは、日陰よりも気温の下がりにくい日向に駐車しておくのがベストです。また、車両を固定するために、必ず輪留めを着用するようにしましょう。輪留めは前後2か所に対角線上にすると良いです。
ただし、夏場はサイドブレーキをかける必要がありますし、天候や季節などを考え、サイドブレーキが必要かの判断を必ずするように心がけるようにしましょう。