プリウスにそっくりのダイハツ「メビウス」って知ってる?自動車メーカーの「OEM」という仕組みについて

みなさんはダイハツから販売されている車「アルティス」や「メビウス」を知っていますか?ほとんどの人が名前すら聞いたことがないのではないでしょうか。ですが、新車として売られている正真正銘の現行車種です。

これらは「OEM」によって製造・販売されている車であり、世界でも毎月数台のみしか扱われていません。一体、OEMとは何なのでしょうか?今回はOEMの意味と各自動車メーカーのOEM車一覧を見ながら、OEM車を購入するメリット・デメリットをご紹介していこうと思います。

OEMとは

https://www.daihatsu.co.jp/lineup/mebius/index.htm

OEM(Original Equipment Manufacturing)は他社ブランドの製品を製造することです。日本では「相手先ブランド名製造」と訳されます。先ほどのメビウスを例に出すと、その名の通り「トヨタが相手先ブランドであるダイハツの名前で車を製造」しています。つまり、実質的には「プリウスα」と同じ車を「ダイハツ・メビウス」の名前で販売しているわけです。

OEMを行うということは自社生産を行わないということです。これによってコスト削減や生産が追い付かないなどの状況を回避することができます。また、営業力が低い企業にとってはOEM先の営業力を活用することができます。

OEM車

日本の自動車メーカーの現行OEM車は以下の通りです。

※今回はBRZと86のような共同開発された車は除外。カッコ内の数字は2019年10月の販売台数(http://www.jada.or.jp/data/month/m-brand-ranking/)

これを見ると自動車のOEMはほとんどがダイハツ、スズキが供給元(OEM元)となっており、その多くが軽自動車であることがわかります。逆にダイハツとスズキには普通車のラインナップが少ないのでトヨタや日産からOEM供給を受けています。

販売台数では、OEM車がオリジナル車を超えることは多くありません。トヨタのカムリやプリウスαが月に1,000台ほど販売されるのに対して、供給先のダイハツ・アルティスやメビウスは5台ほどしか売れません(2019年1, 2月)。

とはいえOEM車(供給先)の販売台数が供給元を上回るケースもあります。トヨタのパッソはダイハツ・ブーンのOEMモデルですが、ブーンの4倍も売れています。またルーミー/タンクの販売数量はトールの6倍です。自動車全体の中でもルーミーの販売数量は6,962台でカローラ、シエンタに次ぐ3番目、タンクは5,420台で5番目でした。OEM車は売れないとは一概には言えないんですね。

そしてよく見るとホンダがいないことにも気づきます。その一方でスズキのエブリイワゴンは日産、三菱、マツダにOEM供給されており、実質的に同じ車を4社が販売しているのです。

自動車メーカーがOEMをする3つの理由

OEMを行う一般的な理由については触れましたが、その中でもなぜ自動車メーカーはOEMを行うのでしょうか?

①開発・生産費用をかけずに車のラインアップを充実させられるため

ダイハツやスバルを除く現代の自動車メーカーは事業をより効率化、合理化するために軽自動車の生産から撤退しました。しかし、その販売まで撤退すると今まで軽自動車を購入してくれていた顧客を失うことになります。それにより車の販売数が減少するだけでなく、ディーラーの収益において重要なその他の仕事(車検・点検、保険、修理など)も減ることになります。車のラインアップを揃えることで顧客が離れていくのを防ごうとしたのです。

供給元としても生産台数が増える分だけ1台にかかるコストが小さくなり、利益の拡大が見込めるというメリットがあります。

②他メーカーのディーラーに接触させないため

ラインアップが不十分だと商用車として、またセカンドカーとして軽自動車を所有したい場合に顧客が離れて行ってしまいます。つまり、他メーカーのディーラーに接触することになります。そして他メーカーの営業力が高かった場合、ファーストカーも乗り換えられてしまうおそれがあります。それを防ぐという意味でも、車のラインアップを充実させることが重要なのです。

③軽自動車は粗利が安いから

現代の軽自動車は機能がしっかり備わっており、価格の割に製造にかかるコストは高いのです。つまり、軽自動車販売で得られる粗利は小さいのです。

また、自動車メーカーは新車を開発するのに数十億から百億円のコストと約4年の歳月を必要とします。ですから、売り出したい普通車を製造する傍らでダイハツやスズキのように軽自動車の製造・販売に予算と熱量を注ぐ余裕はないのです。そのため、OEM供給を受けることで効率化を図ったわけです。

OEM車を買うメリット/デメリット

私たちがオリジナル車ではなくOEM車に乗るメリットやデメリットはあるのでしょうか?

メリット

①価格が同じ、または安い

気になるOEM車の価格について見ると、多くの場合でオリジナル車と同じ価格かそれよりも安価です。ダイハツ・ブーンとトヨタ・パッソの各同グレードを比べると、FFではどちらもほとんど同じ価格であり、4WDではパッソのほうがブーンより2~3万円ほど安い価格で販売されています。数万円の差が気になる人にとっては大切なポイントです。

https://www.daihatsu.co.jp/lineup/boon/02_grade.htm

(上)ダイハツ・ブーン CILQ GパッケージSA Ⅲ FF: 172万7,100円/4WD: 192万6,100円

(下)トヨタ・パッソ MODA Gパッケージ FF: 172万7,000円/4WD: 190万3,000円

https://toyota.jp/passo/design/?padid=ag341_from_passo_navi_design

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コメント:
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