「ジープ」という自動車ブランドを知っていますか?
ほとんどの方が「Jeep」と書かれたワイルドな外見の車を見たことがあるのではないでしょうか。「ジープ」についてワイルドでかっこいいというイメージを持っている方も多いと思います。言わずと知れた有名なメーカーですが、実は軍用車両として開発されたことがはじまりでした。そんな軍用車として開発された「ジープ」がどのような歴史を歩んできたか気になりますよね。「ジープ」は日本市場で最も成果を上げているアメリカの自動車ブランドです。
今回は、自動車の人気ブランドである「ジープ」について紹介していきます。
ジープってどんなメーカー?
ジープとは?
ジープはアメリカのFCA US LLC(フィアット・クライスラー・オートモービル)傘下の自動車メーカーです。
ジープというブランド名の由来
社名の由来についてはさまざまな説がありますが、最も有力な説はアメリカ軍の車両であった「ジェネラル・パーパス」の頭文字である「GP」を早口で発音でしたことから「ジープ」という名前になったというものです。
ジープの歴史
ジープは米軍のために作られた
ジープは1941年に米軍兵士のために「ウィリス・オーバーランド社」によって開発されたのがはじまりでした。初代の車両である「ウィリス・クアッド」は「アメリカン・バンダム」、「ウィリス・オーバーランド」、「フォード」の3社によって開発されました。
「ウィリス・クアッド」は第二次世界大戦で使用され、優れた耐久性と走行性能が兵士たちから高い評価を得ました。物資の運搬から戦闘まで、多様な目的に使われていたそうです。
第二次世界大戦後には「ウィリス・クアッド」の次なるモデルである「ウィリス MA」や「ウィリス MB」などが開発され、朝鮮戦争やベトナム戦争などのさまざまな戦争にも使われました。
民間にも使われるように
「ジープ」という名称は第二次世界大戦後に「ウィリス・オーバーランド」によって商標登録されました。軍用車両として開発されましたが、大戦後をきっかけにレクリエーション用やプライベート用などにも使われるようになっていきました。
1960年代には乗用車のような外見の「ジープ・ワゴニア」が誕生します。軍用車両としてはじまった「ジープ」でしたが、このころから民間向けに快適性や利便性を備えた乗用車の「ジープ」が作り出されるようになりました。また、この「ジープ・ワゴニア」がクルマの人気ジャンルであるSUVの元祖だといわれています。「初代ジープ・ワゴニア」の販売以来、「ジープ」は一般の方にも利用される人気の自働車ブランドとなりました。
三菱が日本でジープを販売
戦後には日本にもジープが登場しました。三菱がライセンスを取得し、ノックダウン生産(部品を輸入し、現地で組み立て・販売)によって三菱・ジープが販売されるようになりました。
ジープが日本に登場した当初は軍用車というイメージが強かったようです。しかし、SUV車として利便性や高級感を追求していくことにより、日本でも受け入れられていくようになりました。
ジープは日本で成功している唯一のアメ車ブランド
ジープは日本で成功している唯一のアメ車ブランドだといえます。日本でのアメ車の不人気ぶりは深刻化しています。アメリカの大手自動車メーカーである「フォード」も日本市場の撤退を決めたほどです。アメリカのトランプ大統領も、日本で売れないアメ車に不満を抱いています。
そんな中でも、「ジープ」は日本市場で大きな成果を挙げています。「Business Journal」によると4代目ラングラーの発表会で公開されたデータでは、2009年から2019年の10年間の日本での売り上げがなんと10倍になっているそうです。この数値は世界シェアの4割を占めていることになります。
そんなジープは近年、日本での売上が絶好調だ。輸入元であるFCAジャパンが10月に行った、4代目ラングラーの発表会で公開された資料によると、2009年のジープの年間販売台数は1027台。ところが、昨日は実に1万91台という数値を叩き出しており、この10年間で10倍に膨れ上がったことになる。
デザインに変化
「ジープ」のデザインは2010年代から大きく変化しています。「軍用車らしくワイルドな外見」から「都会的で高級感のあるデザイン」へと変わっています。軍用車としてはじまったジープが現在も日本で成功している理由はここにあるのかもしれません。
現在のデザイン
ジープのデザインは2000年代頃から大きく変わりました。軍用車として生まれたジープは、民間向けの車両でも軍用車らしいワイルドな外見が特徴的でした。しかし、2000年代頃からは「都会的で高級感のある乗用車」へと変わっています。スタイリッシュなデザインの車両が増えつつあり、より高級感が増しています。
そうした変化はありますが、ジープのすべての車両は以下のような点で共通しています。
- 7スロットグリル(フロントグリルという車の前面の網の部分が7つあります。)
- 台形のホイルアーチ(車輪部分のボディの切り欠きが台形になっています。)
- クラムシェルタイプのエンジンフード
スタイリッシュにするなどデザインの変更はあるものの、伝統的なデザインは残しています。デザインに変更を加えながらも、ジープのブランドの特徴を上手く残しながら差別化を図っているといえるのではないでしょうか。人々のニーズに応えながらも、ジープブランドの特徴を大切にしていることが日本での大きな売り上げを作り出していると考えられます。
ジープの代表車
ジープ ラングラー
ジープラングラーは1987年から販売されているクロスカントリーカーです。歴史のあるジープの代表車といえます。
ジープ チェロキー
1973年から、デザインを変化させながらも、多くの人々に愛されてきた車両です。現在のチェロキーは、ジープの特徴的なデザインと都会的でスポーティーなデザインを兼ね備えたクールな車両になっています。
ジープ レネゲード
ジープの小型SUV車両です。コンパクトなものの、ジープらしい力強さのあるデザインが特徴的です。