【意外と知らない】車両火災の原因と対策 – どの保険が適用される?

これからの季節、空気が乾燥してくると火事のニュースが増えてきます。住宅などの建物火災や山火事など、火事というのは命を奪う本当に恐いものです。そしてそこには車の発火も含まれます。車には電気系統が張り巡らされていますし、そもそもガソリンやディーゼルといったオイルを燃やして走っています。安全を考慮したつくりになっているとはいえ、一歩間違えれば大きな災害につながります。

今回は車両火災の原因、防止策、そして火災に遭った際の対応まで詳しくお伝えします。すべての人に知っていただきたい大切なことなので、ぜひご一読ください。

車両火災の原因

火災の10件に1件が車両火災

さて、皆さんは1年間にどれだけの数の火災が起きているかご存知ですか?消防庁によると平成30年の1年間に起きた総出火件数は37,900件でした。1日あたり104件、14分ごとに1件だそうです。今この瞬間にもどこかで火事が起きているということです。

では車両火災はというと、1年間に3,653件発生しています。すべての火災のうちの10分の1が車両火災であり、それは1日1件起きているのです。とても多いですね。また、そのうち69人が命を落としています。実は建物火災の次に多く発生し、死者を出している火災が車両火災なのです。

自動車は設計、製造段階で燃えにくい材質を使用するようにしていますが、可燃性の材質も一部使用されています。その意味で小さな火種が最終的には大きな火災につながります。

では車両火災は何が原因で起こるのでしょうか。

排気管(マフラー)

車両火災の原因として最も多いのが排気管からの出火です(606件)。排気管の構造の中でエンジンに一番近いエキゾーストマニホールドは最も発熱が起こる部位です。排気の熱を受けて高温になると放射熱を発生するため、断熱材(グラスウール)が巻かれる、金属製の遮熱板が取り付けられる、セラミックコーティングが施されるなどの処置がとられています。

こうした防火対策はメインマフラー(排気出口)に至るまで施されています。ではどうして発火するのでしょうか?火災後の鑑定では多くの場合でマフラー内に繊維片の燃えカスが見つかります。つまり、整備などでの可燃物の置き忘れが原因で火災が起きているのです。

また、漏れ出たオイルがマフラーに接触することが原因となって火災が起こる例もあります。もしかすると皆さんは燃料であるガソリンが漏れ、高温のマフラーに接触すると火災が起きると考えているかもしれませんが、そのケースはほとんどありません。ガソリンは一瞬にして蒸発してしまうからです。

逆に、一般的には燃えにくいとされているオイル(エンジンオイル、ブレーキオイル)が排気管に接触したことにより火災が発生したケースは多くあります。オイルには粘性があるため排気管に付着し、いずれは発火温度に達するためです。

車両内配線/電気機器・装置

排気管の次に多い出火場所が車両内配線です。配線の経年使用による絶縁劣化、接続部の緩みや取り付け不良が原因で火災が起こります。経年劣化によって配線の芯線がボディーと接触してスパークし発火する、といった具合です。

同様の理由で他の電気系統での火災も発生しています。例えばバッテリーのターミナルは劣化しやすく、長年使っていると錆びてきます。あるいは漏れたバッテリー液によって腐食することもあります。バッテリーターミナルが緩むことによって発火の危険性が高まります。

たばこ

年間の車両火災の150件以上はたばこが原因です。誤ってたばこを落としてしまい、吸い殻は片づけたものの残った火種から出火してしまうというケースです。またダッシュボード上など、車内の直射日光があたる場所にライターを放置したことにより火災が発生した事例や、コンソールボックス前に置いていた物(ゴミ箱など)によってシガーライターが押し込まれたことによって発火した事例もあります。

放火

たばこと並んで多いのが放火による車両火災です。意外ですし、被害の防ぎようがない気もします…。ところで、放火ってどんな人がやっているか知っていますか?イタズラや気晴らしとして放火する、いわゆる愉快犯がやっているのは確かですよね。ですが実は、自分で自分の愛車に放火する人も多いのだそう。その大きな理由は保険金目当てだといいます。

車両火災が起こると多くの場合「損害調査人」が見積調査を行います。損害調査人は各保険会社が提携する損害調査会社に所属し、車両の火災状況から保険金の見積を行います。このとき、車両火災の原因が何であるかは関係しません。ということで、放火によって保険金を手に入れようとしているわけです。

その他の車両火災の原因

その他の発火要因として水の入ったペットボトル、アクセサリーを吊るすためにフロントガラスに張り付ける透明な吸盤などがあります。これらの物には太陽光を集める作用があるので部分的に高温の箇所を作ってしまうのです。

フロントウインドウに貼り付けられるのは、道路運送車両・保安基準「第29条」の細目告示第3節「第195条」に則ったものでなければならない。

また車の周囲に枯れ草があった場合、タイヤの摩擦熱や排気管の熱によって発火する場合があります。路面状況を確認するときに枯れ草を気にする人は多くありませんが、乾燥するこの時期は特に注意が必要です。

今年は日本列島に大きな台風が上陸しましたが、浸水した車も火災を引き起こす原因となります。特にハイブリッド車や電気自動車は、電気配線が複雑なうえ高電圧のバッテリーを搭載しているため注意が必要です。

これは乗用車ではありませんが、ここ数年ごみ収集車の火災が相次いでいます。その原因はスマートフォン充電用のモバイルバッテリーなどに利用されているリチウムイオン電池です。リチウムイオン電池は可燃性の液体を含むので、一般ごみとして出すと割れてしまい、発火の恐れがあります。それぞれのメーカーや自治体によって処分方法が異なるので、廃棄する際には注意が必要です。

車両火災を起こさないための防止策

では車両火災を起こさないためにはどうしたら良いのでしょうか?

ここまで見てきたように車両火災の原因の多くは点検時の可燃物の残留、車両部品の経年劣化によって引き起こされます。自分で車を扱うのが好きな人はメンテナンス時の可燃物の置き忘れや部品の取り付けには十分に注意してください。またそうした人も何かしらの異変を感じた際には必ず業者点検に行くようにしましょう。実際、「オイル漏れに気づいていたが火災になった」「火災の数週間前から異臭を感じていた」などというケースも多くあります。

車両の内装は難燃規制によって以前よりも燃えにくくはなっています。しかし、車内に多くの可燃物を持ち込めばその分、引火しやすくなります。車内には必要がないものを持ち込まず、クルマから離れる際もライターやスプレー缶などの火災を引き起こすものを放置しないようにしましょう。

浸水などの不測の事態においては自分で車のエンジンをかけず、まずはロードサービスや整備工場などの専門の技術者に確認してもらいましょう。

万が一、車両火災が起きたときの処置

どれだけ備えたとしても、突然災害は起こるものです。もし車両火災が起きたとしたらどうすればよいでしょうか?

まずはハザードランプを点滅させて後続車、周囲に異常を知らせてください。車を停止させ、消防や警察に電話をしましょう。まだ火が小さければ自分の着ている上着や飲料水などを使って消火活動に努めましょう。

自動車用消火器という車両火災に適した製品も販売されています。車両に搭載する消火器は温度や湿度の変化、振動など厳しい条件下にさらされますがその中でしっかりと消火をすることが可能です。

車両火災、自分の保険で受けられる?

「車両火災なんて起きないだろうし…」と保険のことはあまり気にしてないのではないでしょうか?車両火災時のために自分の車両保険について確認しておきましょう。

「エコノミー型」「一般型」どちらの車両保険に加入していても、基本的には車両火災の補償を受けられます。しかし、出火原因によって受けられない保証があります。補償を受けられないのは以下の4つが原因で車両火災が発生した場合です。

  1. 噴火または地震
  2. 故意に火をつけた
  3. 重過失あり
  4. 整備不良

上述したように「放火」は車両火災の原因として多いものですが、「故意に火をつけた」際には補償を受けることはできません。つまり、保険金を見積もったとしても貰うことはできないのです。むしろ罰金を払うことになります。

「重過失あり」とは、注意すべき時に不注意であったということです。例えば、「車内で寝タバコをした」などが該当します。

整備不良による車両火災の場合、車両保険の補償を受けられません。というのも、整備不良に関しては乗員には責任がないからです。責任は整備会社や自動車メーカーにあるため、彼らに対し損害賠償請求できます。

車両火災の保険金請求、まずは警察に連絡

車両火災が起きたときまず連絡するのは消防ですが、保険金請求のために連絡するのは警察です。警察へ車両火災の届出をして、事故受理番号を発行します。その後は保険会社、修理会社へ連絡を行い、保険金(修理費)受け取りを進めてください。

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