アメリカ独自のレーシング仕様車の中身とは一体どんな感じになっているでしょうか?意外な一面もあるようなのですが…。
果たして今年は、首尾良く買い手が見つかるでしょうか?
トヨタ「カムリ」と言えば、アメリカでもかなりの人気を誇る中型セダンです。日本では2018年6月に新グレードのカムリスポーツ(カムリWS)が登場し、話題になったのも記憶に新しいです。
2016年、そのカムリのレーシング仕様がとんでもない価格で売りに出されました。この車両は、現行モデルより一世代前のカムリをベースとしたNASCARレーシング仕様のクーペです。アメリカではNASCARという独自のレースが人気で、そのための競技仕様車というわけです。
この車両は特に新しいクルマというわけでもなく、すでに2010年にも、RKモータース(クラシックスポーツカーを中心にショールームを展開するディーラー)やアメリカトヨタが共同で、SEMA(ラスヴェガスで開催される最大級のトレードショウ)に出展していました。現在はオークションサイトのeBayに、即決価格としてなんと16万ドル(約1750万円)の値段が付けられました。
実はこれが初めての販売ではなく、2013年にもオークションにかけられましたが、そのときには買い手が付きませんでした。言うまでもなく、16万ドルは安い金額ではありませんが、たしかにこれは普通のクルマとは違うという点は、認めなければなりません。
まずその心臓を見てみましょう。
NASCAR仕様のカムリのエンジンは、5.9リットルのV8となっており、最高出力は680PSを発生します。駆動方式はなんとFFではなく、FRです。トランスミッションも6速MTと、何もかもが常識外れのカムリです。
また、これだけレーシング志向が強い割に、座席はきちんと4人分が用意されているのもまた面白いところです。室内には本革があしらわれており、シート用のパワーコントローラーも装備されています。それに、レースカーにはないと思われがちなエアコンも…。
RKモータースは同車をピカピカの状態で保存しており、走行距離計もわずか17マイル(約27km)しか刻んでいません。公道を走れるNASCARレーシングカー、しかも豪華装備つき。
外観上も、ボディーサイドにエキゾーストパイプが付いていたり、リアデッキのスポイラーもあったりと、雰囲気満点です。たしかにこれでは大金を払わざるを得ないかも知れません。
もし16万ドルを用意できるなら、ホンダ(現地ブランドはアキュラ)「NSX」だって買えてしまいます。
ただ、我々の予想では、16万ドルよりも安い値段で最終的には売られると見ています。
以前のオークションで売り損ねたディーラーのRKモータースにしてみれば、3年経った今となっては、早く売ってしまいたいと考えるのが妥当だからです。
さて、海の向こうのこんなウルトラパワーの日本車ですが、一体誰が落札することになるか、気になりませんか?
【追記:現在はRKモータースからは削除済み】