政界と業界を結ぶ線から、意外なグッドニュースが生まれました。マニアックなあのクルマの復活です。
レンジャーとブロンコ、復活へ!
アメリカの大統領選挙まで、あと数日。
大統領候補の所得申告やメール問題などで大きく揺れ続ける米国の政界ですが、間もなくその結論が出る日がやってきます。
トランプ候補はフォード社が生産能力の一部を米国外に移してしまったことに怒りを示していますが、そんな中でも米自動車業界には明るい話題が持ち上がりました。
ここ1ヶ月のアメリカでは、フォードの伝統的なSUV「ブロンコ」が復刻するというニュースでも盛り上がっています。
これは、トランプ氏による避難を回避する目的も兼ねて、約1ヶ月前にフォードが発表した声明で明らかになったものです。
『デトロイト・フリープレス』誌とのインタビューで、全米自動車労働組合(UAW)のチェアマンであるビル・ジョンソンは、これまでモデルが廃版となっていた2車種が(北米市場に)カムバックすることを発表しました。
トランプ候補の態度からブロンコ復活見通しがつく
このジョンソン氏は、フォード以外のメーカーも米国外に工場移転を図っている事実がありながら、トランプ候補がフォード社だけを責めるかのような態度を取っていたことに言及したかったようです。
加えてジョンソン氏は、そのような工場の移転が生じても(具体的には、「フォーカス」や「C-Max」の製造が米国からメキシコ工場に移管されることが決まっています)、米国内のミシガン工場はより高利益率のSUVなどの生産で、今後も忙しく稼働を続けることになると述べています。
フォードは、4つの新しいSUVを導入すると発表していますが、そのうちの1台が例の「ブロンコ」であるはずと予想されているのです。
今回のジョンソン氏のコメントのお蔭で、その見通しがより確実なものとなりました。
アメリカではフォードのSUVとして象徴的な存在であるブロンコですが、同車はもうしばらくの間、ラインナップから姿を消していました。
それがこの期に及んで、復活となるようです。
ちょうど燃料価格が下落し、アメリカのユーザーの多くが再びSUVを志向するようになっている現在です。
ブロンコの生産はミシガン工場か?
「クルマの生産がメキシコへ移るのは非常に残念ですが、『レンジャー』や『ブロンコ』がミシガン工場へ来ることは、我々の将来を保証するものとなります。実際これは、これまでの『フォーカス』以上の貢献となるのです」とジョンソン氏は語っています。
フォードの有名ブランドのSUVが復活するというだけでもグッドニュースですが、しかもそれが相応しい場所であるミシガン工場に再び降臨となるわけです。
まだその復刻版ブロンコがどんな外観をまとってデビューするかについては、まったく定かではありません。
けれども、フォードはその血統を大いに意識して、ファンの期待に応えるようなデザインの、無骨なSUV(本格オフローダー)に仕上げてくれるに違いありません。
実質的に考えて、ここに掲載したようなイメージ画像(「bronco6g」が作成・提供)のようなデザインにはならないだろうと『Carbuzz』誌では予測していますが、とは言え、それに近い出来映えとなることも期待してしまいます!