カーフェリーの旅にもいろいろありますが、今回はオーシャン東九フェリーの思い出をご紹介。
東京・有明埠頭のフェリー乗り場は寂しいどころではなく?
筆者は讃岐うどんが大好物なもので、よく四国に旅行に出かけます。
自走で延々と旅をしてもいいのですが、そこをフェリーで寝ながら旅をするというのも良い趣味だと思っていましたから、ある時東京~徳島経由で北九州まで航海する「オーシャン東九フェリー」を使ってみる事に。
割と長距離航路なので、いつものお気に入り「太平洋フェリー」の感覚だろうと勝手に思い込んで有明埠頭のフェリー乗り場に向かったのですが、これが実に、別な意味で味わい深い旅になろうとは思いませんでした。
まず、フェリーとは全然関係無いのですが、有明埠頭に通じる道の途中で何かトラブルでもあったのか、止まった2台のクルマの間で殴り合いのケンカをしている2人が。
東京では時々見かける光景ですが、地方人としてはコワイコワイ…何か先行きが怪しいなと思いながらフェリー乗り場につくと、閑散としているどころではなく誰もいない!
一瞬場所を間違えたかなと思いましたが窓口が開いていたので、単純に乗客が極めて少ないようです。
結局自分以外の乗客を見かけたのは10人足らず。
今回はどうも寂しい旅になりそうですが、それならそれで別な楽しみ方もあるというものです。
いざ出航するも、波高し!
トラックやコンテナを積んだトレーラーを除けば閑散とした車両甲板にクルマを止めると、早速船内に落ち着きます。
その時利用したのはカジュアルフェリー「おーしゃん・のーす」。
オーシャン東九フェリーには2016年現在「シンプルフェリー」と「カジュアルフェリー」の2種類で2~3隻ずつ就航していますが、確か旅をした当時(2008年)には「シンプルフェリー」の方にカプセルホテルタイプの個室が無く、カジュアルフェリーを選んだんですね。
乗客がほとんどいなければどっちでも良かったのかもしれませんが、あるいはこの後書く理由で、カジュアルフェリーは人気が無かったのかもしれません。
出航は夕方過ぎで、時期によってはもう真っ暗な時間帯。
夜の闇をついて出航した「おーしゃん・のーす」は、浦賀水道を抜けて太平洋に入るとその日は波が高かったのか、早速大きな揺れにドンブラコと揺られ始めます。
というより、船酔いに強い筆者でも、ちょっとこれはどうかなーというレベル。
スパルタンな食事は「よく言えばセルフサービス」
どうせ酔うなら、酒に酔って寝てしまえばOK!とばかりにロビーに繰り出しますが、他の乗客は船酔いで早々に寝てしまったのか人気が無く、どことなく照明も暗いような?
確かに乗客が少ない中で煌々と照らす必要も無いでしょうが、旅気分というよりは物々しい雰囲気を感じます。
しかしとりあえず、食うものとビールさえあれば問題無し!と自販機でビールを買うものの、実はこの船、食事もオール自販機!
「24時間ご自由にお食べください」という事らしいのですが、レストランも屋台も無い船旅というのは初めてでした。
それでもホットフード各種に寿司の自販機もあったのでいくつか買い込み、うんうん自販機の割に寿司はネタもシャリも悪くない…などと思いつつ、船の揺れに身を任せます。
というより、その時点でローリング(横揺れ)・ピッチング(縦揺れ)ともに激しく、船体もテーブルも椅子も何やらギシギシと音を立てる中、ほの暗いロビーでビール片手に一人寿司をつまむ男というのは…これもワイルドで面白いかもしれないと思いました(笑)
とにかく揺れが激しいのでテーブル上のあれやこれやを抑えつつ、それでも片手のビールは離さない、船酔いにかかるくらいならば、酒に酔った方がマシなのです!
翌昼、あっけなく到着
ビールを何本も開けて、その場の勢いで寿司やホットフードを買いまくっては激しい揺れの中でむさぼり食うという一人宴会を楽しんで、あとは船酔いとも酒酔いともつかぬ気分で船室に行ってベッドでグッスリ…
翌昼には、あっけなく徳島港に着いたのでした!
船はこのまま北九州に向かいますが、筆者は四国に用があるので、ここで下船。
高速道路のSA(例えば名神高速の足柄SAなど)にある宿泊施設だとビールは売ってませんが、フェリーでは飲めるのも魅力ですね。
翌日残らない程度なら問題無いので、徳島港着岸直前までグッスリ寝て酔いを覚まして、元気いっぱい上陸したのでした。
あとは港で待っていた現地のツレと合流して、徳島ラーメンを経由して讃岐うどん製麺所巡りの旅を!
こういうスパルタンな船旅も、ひとつの経験ですね。