皆さんはよく新車中古車に限らずどの車を買おうかと考えているときに、BMWが選択肢に入ることがあると思います。しかしBMWの車を見ていて「M Sportってなんだ?」「ラグジュアリーってなんだ?」はたまた、「Sportとは何が違うの?」こんな疑問を抱いたことがあるかと思います。さらにBMWには『M Performance』や『M』などと言ったものもあり、紛らわしいことこの上ありませんよね。しかしそういったラインナップも色々な人にBMWの楽しさを体感してもらいたいというBMWの想いです。今回はそんなBMWの車の仕様による違いをご紹介していきたいと思います。
近年幅が広がりつつあるBMWのラインナップ
現在BMWの仕様には様々なものがラインナップされていて、ユーザーそれぞれの好みやライフスタイルに合わせて選べるようになってきています。エディション系などの例外を除いた、現在日本市場に存在しうる仕様(販売終了も含め)を可能な限りまとめてみました(略称で表記、意は下にご紹介します)。また、Xシリーズ、BMW iは一旦別で考えております。
注1(①…スタンダード / ②…Style / ③…Sport / ④…Luxury / ⑤…M Sport / ⑥…M Performance / ⑦…M / ⑧…M Competition / ⑨…M CS)
注2 スマートフォン、タブレットの方は右にスクロールしてご覧ください。
モデル名 | BMW | BMW M | |||||||
① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ | |
1シリーズ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||
2クーペ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||
2カブリオレ | ◯ | ◯ | |||||||
2アクティブツアラー | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||
2グランツアラー | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||
3セダン | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
3ツーリング | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||
3グランツーリスモ | ◯ | ◯ | |||||||
4クーペ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||
4グランクーペ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||||
4カブリオレ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||
5セダン | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||
5ツーリング | ◯ | ◯ | ◯ | ||||||
6クーペ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||||
6グランクーペ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||||
6カブリオレ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||||
6グランツーリスモ | ◯ | ◯ | |||||||
7セダン | Excellenceなど | ◯ | ◯ | ||||||
8クーペ | ◯ | ||||||||
8カブリオレ | ◯ | ||||||||
8グランクーペ | ◯ |
上の表から分かるように、近年のBMWのラインナップはかなり幅が広がってきていて、日常使いしやすいものから超高性能版まで揃えられています。他に分かることは、下位モデルでは顧客層が厚いこともあり、スタンダードからM Performance、Mまで幅がある反面、7シリーズや8シリーズなどの上位モデルでは顧客層の薄さのため最初からハイエンドなモデルしか用意がされておりません。そしてさらに、このデザインラインナップを含め、それぞれにエンジンのグレードが3通り(ハイオクとディーゼルそれぞれに)ほど、さらには駆動方式も2駆と4駆と用意されていたりと、ライフスタイルに合わせて選べるようになっています(例えば3シリーズ ツーリングを買いたい、よりスポーティなモデルが良い、エンジンはそんなに強くなくていい、そして冬は頻繁に車でスキーなども行きたい、こういった方には4駆モデルの320i xDrive ツーリング M Sportなど )。また、新車の場合買いたい時にすでにディーラーの在庫にない場合もありますので、欲しいクルマがあるかどうかは直接ディーラーに聞くことをお勧めします。
このように様々なラインナップがありますが、SportやStyleなど似たような名前がありすぎて、何が何だかわからないかもしれません。そこで、それぞれのデザインラインナップのコンセプトイメージをまとめてみます。(M PerformanceをはじめとするMモデルからはBMW M社によって開発された全くの別物になりますので疑問を抱く方がいるかもしれませんが、M Sportなどとの比較のためにも、ここでは一緒に書かせていただければと思います。)
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①スタンダード…一般的に言うノーマルです。そのモデルのなかでデザイン的にも価格的にも最も落ち着いたシンプルなグレードで、安価で落ち着いたBMWが欲しい方におすすめです。
②Style…現在は主に1シリーズに設定されます。マットシルバーのキドニーグリル、グレー系の内装などさりげない華やかさを売りにするグレードです。中身の変更はないので、安価がいいがスタンダードより華やかさが欲しい方におすすめです。
③Sport…スタンダードよりも各種装備が充実しています。外装がよりスポーティでワイド&力強いイメージになります。サスペンションなど中身の変更点はなくM Sportほどのこだわりはないが見た目でのスポーティさが欲しい方におすすめです。
④Luxury…クロームバーを多用し、前後左右そして内装どこから見ても高級感を漂わせるデザインです。上に同じくサスペンションなど中身の変更はないので、落ち着いたデザインで高級感が欲しい方におすすめです。
⑤M Sport…大きめのエアインテークなどBMW M社のDNAを受け継ぐスポーティかつ攻撃的なデザインになります。モデルによってはサスペンションなど中身もその他と異なってMモデルに共通するものもあり、Mモデルは買わないけどその雰囲気、走りに憧れる方におすすめです。
⑥M Performance…BMW M社がBMW車をベースにサーキット走行も視野に入れてチューンしたものです。イメージとしてはBMW車のボディでマットグレーのアルミのパーツがフロントエアインテークに装備されます。少し控えめだがM社のエンジンが楽しめる。Mモデルを買いたいけどまずは少し出力等抑えめがいい方におすすめです。Mモデル入門の方へ。
⑦M…BMW M社がBMW車をベースにサーキット走行も視野に入れられるように開発したものです。M以上はボディサイズ、足回り、エンジンも専用チューンされていて、Mモデルならではの圧倒的な加速、動力性能、出力、音、デザイン、Mモデルのブランドが欲しい方におすすめです。
⑧M Competition…上のMモデルを出力アップなどでより高性能にしたものです。普通のMモデルよりさらに高出力が欲しい方におすすめです。
⑨M CS…Club Sportの略で、上のM Competitionモデルを更にサーキット仕様にチューンしたものです。カーボンを多用し、軽量化を最大限まで極めた現在最強モデルになります。相当なBMW好きで、究極の1台が欲しい方におすすめです(M4にはGTSという、後席を取り外しロールバーを装着するなど、さらに軽量化・出力アップを求めたモデルもあります)。
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こうしてみると、色々なニーズに合わせて満遍なくラインナップしてきている印象です。こうしてみると、色々なニーズに合わせて満遍なくラインナップしてきている印象です。
その中で日本でも人気のあるM Sportモデルはどのようなものなのでしょうか。
M Sportの特徴
M Sportは上の表でも書きましたが、『Mモデルは買わない(買えない)けどその雰囲気、走りに憧れる方』にオススメのモデルです。ではなぜそう言えるのか、解説していきたいと思います。
よりMモデルに近づけるデザイン
まずは何と言ってもわかりやすいのが、デザインの面です。エクステリアデザインでは、Mモデルにも似た大きめのエアインテーク、2本出しリアディフューザー、サイドのMバッヂなど随所にMモデルのDNAが散りばめられています。まずはMモデルのエクステリアデザインを見てみましょう。
超大径エアインテークやダブルバーキドニーグリル、専用サイドギルなどかなり攻撃的なデザインです。いかにも走りまっせ!と言いそうな雰囲気でノーマルのBMWとはまた違った印象なのがMモデルです。(画像はM5 Competitionモデル)そんなMモデルのDNAを受け継ぎつつ、普段使いに優れているのが下のM Sportです。
こちらが3シリーズの330e、M Sportのエクステリアデザインです。Mモデルよりは控えめですがやはり押し出し感のあるデザインです。
デザインラインナップによる違いはどのモデルでも割と共通で、このようにM Sportはラグジュアリーや安価なモデルよりは迫力が増したデザインになっています。ホイールのデザイン1つ取ってもだいぶ印象が変わりますよね。
5シリーズセダン、M Sportのインテリアデザインは、華やかさというよりかはシートのホールド感も含め、よりスポーティな仕上がりになっています。
5シリーズセダンはラグジュアリーなインテリアデザインです。レザーの色味やステッチ、ウッドパネルなどがより高級感を際立たせています。
Mゆずりの足回り設定がある
では、M Sportのラグジュアリー以下との違いは押し出し感のあるデザインだけなのかというと、もちろんそうではありません。ノーマルのBMWの中で唯一、Mモデルにも装備される足回りが選べるという点です。例えば上でも紹介している5シリーズセダンでは、530iのM Sportであればそれ以外のグレードとは異なり、8速ATが8速スポーツAT、ノーマルサスペンションがM スポーツサスペンション、などといったようにM SportにすることでMモデルにも装備されている足回り系統のものが標準もしくはオプションで装備されるようになります。
価格帯もラグジュアリーモデルに比べて平均約10万円増しほど(モデルによって異なる)なので、非常にお得なのではないでしょうか。そしてMモデルとは値段の差が大きく、例えば5シリーズセダンならM5は1,800万円ほどですが530i M Sportは840万円ほどです。
このようにM Sportの良い点は、Mモデル譲りのデザインと装備、そして手が届きやすい値段にあります。ですから『Mモデルは買えないけどその雰囲気、走りに憧れる方』にお勧めできると言えます。
MモデルのDNAを受け継ぐ走り
このようにデザイン・装備面で見てもM Sportはそれ以外のノーマルBMW車の中で特にMモデルに近い位置付けであることがわかります。そしてその違いは実際に走ってみても全く違うものでした。エンジンをかけた時は、(Mモデルのなかのエントリーモデルである)M Performanceモデルと比べても排気量が小さいこともありますが全然静かで、ご近所への迷惑を気にする必要はありません。それなのに走りは他のノーマルBMW車に比べると固めだけどしなやかな走りをします。地面に吸いつくような気持ちの良い走りとはこのことです。もちろんMモデルに比べるとそのパワーは小さいものですが、必要にして十分、スポーツモードに入れると日本ではむしろ早すぎるくらいです。
自分に合ったクルマ選びを
今回はM Sportについて特に詳しくご紹介しました。M Sportでは走りがよりMモデルに近付いたものになっているという話をしましたが、そのほかであってももちろんつまらないわけではなくBMWの車はラグジュアリーやスタンダードであっても、全てのモデルにおいて『駆け抜ける歓び』が実現されていると感じました。ちなみに自分は現在BMW 2シリーズグランツアラー(7人乗りミニバンモデル)の218i スタンダードというBMW車の中でもかなりボトムエンドなモデルを所有しておりますが、日常生活の中で使う分にはパワーも必要にして十分です。走りに関してもFF(フロントエンジンフロントアクスル)にも関わらずダイナミックなハンドリングで、他のメーカーに比べて『駆け抜ける歓び』が高次元で実現されていると感じでおります。しかし、もちろんその楽しさは今回ご紹介しましたM Sportには敵いませんので、次回はM Sportを買い、ゆくゆくはMモデルをと考えております…。