スバルサンバーは軽トラックの中でも有名で長い歴史を持つ車種です。
残念ながら2012年に生産終了してしまいましたが世界から農道のポルシェと呼ばれる理由、今回はスバルサンバーの歴代車種、特徴について比較しながら考察していきます。
スバルサンバートラックの特徴について
スバルの「もうひとつの名車」
車好きに「農道のポルシェ」と敬意を込めて呼ばれたスバルサンバー。
現在でも販売されていますが、2012年以降はダイハツからのOEMのため、それまでの車とは全く違うものとなっています。
スバル生産のサンバー、累計生産台数は、1961年からの50年間で約364万台にのぼります。
ここまで支持された理由は、軽とはいえ手を抜かない、技術のスバルらしいこだわりが随所にみられるからです。
「農道のポルシェ」である所以
サンバーは、発売当初よりリアエンド床下にエンジンを横置きに搭載する「リアエンジン」レイアウトを採用しています。
このため車高の高い軽トラックでも安定感が増し、高速走行時にも安定した走りができます。
また、四つのタイヤが独立して動く「四輪独立懸架方式」を採用しているためクッション性に優れ、人には乗り心地がよく、貨物は優しく運ぶことが可能になりました。
このようなパワートレインレイアウト、サスペンション形式をとっている車には356以来のポルシェがあります。「農道のポルシェ」の別名は、ここから来ています。
際立つ独創性
スバルの独創性は、軽にも十分に発揮されています。
サンバーは1980年に通常型軽トラック・軽キャブオーバーバンとして初めて四輪駆動方式を採用し、1990年代からはスーパーチャージャー(エアポンプで空気をエンジン内に押し込む仕組み)装備モデルが設定されています。
こうした革新的な取り組みから、サンバーには熱烈なファンが存在しています。
スバルサンバートラックの歴代モデル
サンバーのモデルは、大きく次の7期に分けられます。
初代(1961年-1966年)通称「クチビルサンバー」。
2代目(1966年-1973年)通称「ニューサンバー」。
3代目(1973年-1982年)通称「剛力(ごうりき)サンバー」]。
4代目(1982年-1990年)ここから、RV志向の「サンバートライ」と、純商用の「サンバーバン」に。
5代目(1990年-1999年)上位グレードとして「ディアス」が登場。「サンバートライ」は後に「サンバーディアス」に。
6代目(1999年-2012年2008年8月、SUBARU発売50周年記念としてディアスワゴン特別仕様車が発売。
2011年7月27日、発売50周年記念特別仕様車「WR BLUE LIMITED」を発売
7代目(2012年 –2022年)ダイハツのOEMになる。
8代目(2022年1月-現在)フルモデルチェンジを発表。
スバルサンバートラックの歴代モデルの中古車価格
軽トラックの場合、新車は高い、中古は安いという常識が当てはまらないので注意が必要。
ニーズは常に一定数あり、一方市場に出まわる品数が少ないため、価格が下がりません。
乗り換え需要が多い乗用車との違いと言えます。
10年落ち10万キロ超の条件であれば、乗用車より軽トラの方が高いこともあるそうです。
また、限定生産の「WR BLUE LIMITED」にはプレミアが付いています。
初代 1,000,000円~
2代目1,000,000円~
3代目300,000円~
4代目150,000円~
5代目150,000円~
6代目300,000円~
7代目700,000円 ~
おすすめのサンバートラック
なんといっても魅力的なのはサンバーシリーズの発売50年を記念して1000台限定で発売されたサンバートラック、サンバーバンの「WR BLUE LIMITED」です。
スバルのシンボルカラー「スバルブルー」を纏い、シートもWR BLUE LIMITEDモデル限定の専用のブラックシートに黄色ステッチというおしゃれ具合。
軽トラ・バンとは思えないこだわりが大人気を呼び、発売発表時即完売で話題となりました。
気になる燃費は
残念ながらサンバーの燃費は余り良くありません。
カタログスペックで15.6km/Lとなっています。
走る車であれば37km/L以上、平均でも20km/L 程度といわれる軽の世界では、下位の燃費になり、どちらかというと、燃費より操作性や走りの安定感を重視した作りである結果とと言えます。
もちろん、燃費は積載量や道路状況によって変化するのは言うまでもありません。
維持費はどのくらい?
軽自動車は自動車税が安いので得だといわれます。
特にサンバーは貨物なので、4000円と格安です。
ガソリン代も、燃費がいいので普通車より安くなります。
細かなことですが、消耗品代も普通車より全体的に安いので、月々のランニングコストは普通車と比べると少なくて済みます。
以下に年別・月別で費用をまとめました。
年単位でかかる費用
自動車税:4,000円
車検代:100,000円
任意保険代:44,190 円/年
毎月かかる費用
ガソリン代:76,923円
駐車場代:1万円
スバルサンバートラックについていてほしいオプション
つけたいオプションその①ETC
価格10,152円~
余分なものは何もついていない、至ってシンプルなのが軽の特徴。
ETCも標準装備ではありません。
しかし高速道路を走る可能性があるのなら、ETCは必須。
小銭の心配も無く、ETC割引も利用できるので、付いているに超したことはありません。
いろいろな商品があるので、用途に合ったものを装備しておくことをおすすめします。
つけたいオプション②仕切りカーテン
価格10,000円
サンバーに乗る上でエアコンは要注意。
コンプレッサーに負担をかけないためにも、エアコンは注意して使いたいものです。
そのために便利なのがカーテン。
荷物の積み卸しなどでカーゴルームを大きく開ける場合も、冷暖房効率の低下を防ぐことができます。
カーゴルームに泥や土の付いた荷物を積んだときなど、運転席に埃が入るのを防ぐ効果もあります。
つけたいオプション③マルチレール
価格14,000円
「サンバーは荷物が沢山載る」といっても車内が、ごちゃこちゃし過ぎてしまっては本末転倒です。
マルチレールをルーフのサイド面に装着すると、アタッチメントが好きな位置に装着でき、立体的に使えるのでハイルーフのメリットが生かせます。
使い方によっては、これにポケットを下げて細かいものを入れたり、重ねたくないものをつるすことも可能。
取り付けには車体穴あけ加工が必要なので、よく考えてからつけることがポイントです。
サンバーはスバル360の流れを汲む名車です
自動車黎明期の名車というと必ず名が上がる「スバル360」。
サンバーは、そのDNAを引き継いでいます。
「豆腐の角が崩れない」といわれる安定性や荷物の上げ下ろしが楽な低く広い荷台などの実用性、他車にはない独特の設計による優れた乗り心地と運転する楽しさを実感させる操作性の良さ。
軽とは思えないその「深さ」は、スバルのこだわりが随所に発揮された結果。
個性的で挑戦的、そして乗る人の事を第一に考えた車だと言えます。
虜になる人が多いのもうなずけるところです。