大気汚染や、地球温暖化の諸問題を解決するため、世界中で排気ガスを出さない電気自動車(EV)が注目されています。電気自動車を普及させるための免税や充電スポットの増加などの国の施策もあってか、最近では以前にも増して電気自動車を街中で見かけるようになりました。しかし、電気自動車の大きな欠点として、冬場のバッテリー消費の早さが挙げられます。冬の寒さ、また暖房の使用により、バッテリー消費が早くなります。ですので、冬場は普段より多く電気自動車を充電する必要があります。
ノルウェー電気自動車協会が行った実験

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冬には、電気自動車のバッテリー消費が早くなりますが、その消費の早さは車種ごとに異なります。冬場の走行にどの車種が1番適しているかを、雪道走行の安全性、エネルギー消費効率、走行距離、充電所要時間など様々な側面から総合的に評価するために、ノルウェー電気自動車協会が実験を行いました。この実験で使われた電気自動車は、「日産 リーフ」、「フォルクスワーゲン e-Golf 」、「ヒュンダイ Ioniq」、「BMW i3」、「オペル アンペラ-e(シボレー・ボルトEV)」の5車で、ノルウェーの首都オスロからヘムセダルまでの約700kmを約-6.5度の中走行しました。この実験では5つの側面から電気自動車を評価し、最後に総合的に優れている電気自動車を決定しています。
では、どの電気自動車が高く評価されたのか、早速見ていきましょう。

雪道走行の安全性

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雪道走行の安全性、ハンドル操作の軽快さで高く評価されたのは、「日産 リーフ」と「フォルクスワーゲン e-Golf」です。特に、e-Golfのハンドリング性能の評価は高く、雪道でも軽快なハンドル操作が楽しめるそうです。
一方で、「BMW i3」と、「オペル アンペラ-e」は、この分野での評価が低かったです。BMW i3はこの実験に参加した5つの車のうち唯一のFR車で、やはりFR車は雪道走行には不向きであることがここから伺えます。
エネルギー消費の効率

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エネルギーの消費効率(kWh/10km)の良さで1番評価が高かったのは、「ヒュンダイ Ioniq」で、5台のEVのうち唯一、1.5kWh/10kmを実現しました。反対にエネルギーの消費効率が最も悪かったのが、「日産 リーフ」で、1.93kWh/10kmとなっています。
「ヒュンダイ Ioniq」に続いて、「フォルクスワーゲン e-Golf」の評価も高く、1.62kWh/10kmのエネルギー消費効率となっています。
日本人として、「日産 リーフ」のエネルギー消費効率が1番低く評価されてしまった点は個人的には悲しいです。エネルギー消費効率の分野では、「ヒュンダイ Ioniq」の圧勝のようです。
バッテリー容量の大きさ

先程はエネルギー消費効率についての評価でしたが、ここでは多くの電力を蓄えることができる電気自動車はどれかについて見ていきたいと思います。
バッテリー容量の大きさで高く評価されたのが、「オペル アンペラ-e」で、60kWhもの容量があります。アンペラ-eのバッテリー容量の大きさは圧倒的で、他の4台を2倍近く引き離す結果となりました。アンペラ-eについで高く評価されたのが「日産 リーフ」で37kWhです。