国産エンジン史高級車・国産乗用車用V8エンジン今昔80年代まで

日産としてはせっかくの大排気量V8エンジンを「特殊なクルマの特殊なエンジン」で終わらせるつもりは無く、その後もフェアレディZへのY40(あるいはY44)の搭載が計画されるなど、積極的な活用策を練ります。

4.4リッターへの排気量アップ(Y44・1973年)や、電子制御化(Y44E・1975年)もセンチュリーに先んじており、クルマ時代もショーファードリブン専用のセンチュリーに対し、オーナーが運転するドライバーズカーとしての用途も多かったプレジデントは、アメリカン大排気量スポーツのような雰囲気を持ちつつ、逆に超高級車としてのステータス制はセンチュリーに劣り出すという皮肉な結果となりました。

それを打破すべく、またトヨタの北米をメインターゲットとした高級乗用車用V8エンジンに対抗すべく、日産も1989年に新世代V8エンジンであるVH45DEを送り出すのですが、それは次回で。

日本で初めての280馬力カー?日産 プリンス・ロイヤルのW64型V8

ところで、トヨタと日産が初めてのV8エンジン搭載車でシノギを削っている頃、プリンスが宮内庁からの依頼で開発、日産との合併後に日産 プリンスロイヤルとしてデビューした、超々高級車がありました。

一般市販車ではありませんが、初の大排気量V8エンジン搭載車として触れないわけにはいかないでしょう。

後にトヨタ センチュリーロイヤルに後を託すまで40年近い長きにわたり、皇族や国賓用の御料車として活躍したプリンスロイヤルには、実に6.4リッターもの大排気量V8エンジンが搭載されていました。

御料車というのは普通の高級セダンと似ている外見をしていながら、そのサイズはふた回りほど大きいという、一般的なクルマの概念が当たらないクルマなので、それだけの大排気量は必須でした。

その結果生み出されるパワーは、宮内庁資料では260馬力ですが、プリンスの公式資料では280馬力。
見方によっては、プリンスロイヤルこそが、1989年に国産車で初めて280馬力に到達した日産 Z32型フェアレディZよりも20年以上早く280馬力に到達していたと言えるかもしれません。

SOHCエンジンを得意としていたプリンスが、あえて信頼性を追い求めてOHVエンジンとして作ったW64型6.4リッターV8エンジンは、その役目を全うして現在は東京都立川市の昭和天皇記念館に保存されているプリンスロイヤルの中で、眠りについています。

動態保存なので、時々エンジンがかかるとも言われていますから、現在でも状態は良いようです。


今回は80年代までの国産V8エンジンの歩みをご紹介しました。

次回は90年代以降、高性能化と高級化で増大したV8エンジンをご紹介します。


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コメント:
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