流行りのダウンサイジングターボを斬る!

最高のパワートレインはハイブリッド?それともダウンサイジングターボ?


自動車の心臓部を掘り下げる!

目下、自動車の心臓部とも言えるパワートレインはハイブリッドとダウンサイジングターボの二大潮流に見事に分岐しているようです。
もちろんその先に100%電気駆動のEV、究極のエコカーと言える燃料電池車果ては全自動運転(もはや運転とは言えないと思いますが)と最先端テクノロジーの結晶が世に送り出されようとしています。
さて、でも私たちは本当にそんな無味乾燥な自動車を望んでいるのでしょうか?
幸か不幸か完全実用化までには今しばらくの時間が必要でしょう。

◆ターボ仕様車の源流を探る!

さて賢明な読者諸氏はこの間隙を縫って今しばらくはクルマを遊び倒そうではありませんか。
ではそうしたコンセプトの下最適なパワートレインとはハイブリッドなのか?
それともダウンサイジングターボなのか?
今回は筆者の独断でダウンサイジングターボにスポットを当ててみます。
筆者は現在55歳、1980年代にメーカー各社がこぞって加給器付エンジン搭載車を市場投入したターボ車百花繚乱の時代の真っ只中を生きていました。
かくいう筆者も一時期ターボ車「HONDAレジェンドWING(ターボエンジン仕様)」のオーナーでした。
当時はメーカー各社ともモータースポーツへの参戦も積極的で、そのフィールドで培ったテクノロジーを市販車にフィードバックするという手法が取られていました。
私のレジェンドもまさしくそうしたクルマで、F1サーカスを席巻したHONDAF1エンジン テクノロジーを量産エンジンに昇華させたマニア垂涎(今回改めて調べていたらそういった論調のコラムを複数発見しました)のエンジンを搭載していました。
当時のターボ車特有の荒々しさよりもマイルドかつパワフルなエンジンフィールを随所に感じさせてくれる大好きなエンジンでした。
昔話が続いてはなはだ恐縮ですが、当時のターボ車はメーカー各社でかなりの個性を強調した味付けをされてリーリースされていました。
乗り手の意思や嗜好で好きなエンジンをチョイスできたように思います。

◆ ダウンサイジングターボは本当に魅力的か?

前置きが長くなりましたが、肝心のダウンサイジングターボの実態を探ってみましょう。
21世紀以降のエコでなければクルマではないというようなムードの中ハイブリッド先行の日本市場においても、欧州市場に遅れはとったものの次々とダウンサイジングターボ仕様車が市場投入されています。

◆ ダウンサイジングターボ・テクノロジーとは?

ここで簡単にダウンサイジングターボの技術的な側面を見ておきましょう。
前述したように過去のターボエンジンは簡単に公式で表せば「高出力NAエンジン+ターボ=ハイパワー」短絡的ではありますが概ねあっていると思います。
それに対しダウンサイジングターボではそもそもハイブリッド車に燃費面では大きく劣るNAエンジンの高効率化、低燃費化を目指して開発がスタートしたと考えて良いと思います。
公式で表せば「小型軽量NAエンジン+ターボ=低燃費・高効率・高トルク」といった感じです。
ゆえにダウンサイジングターボということになるわけです。
小型軽量化しても十分な出力が得られるエンジンということで「ダウンサイジング」なエンジンという訳です。
しかしながら低燃費化が主たる目的であった国産ダウンサイジングターボエンジンは、歪んだ見方かも知れませんが欧州車のそれと比較すると、欧州車がエコと運転の楽しさを両立させる方向性を感じさせるのに対し、我が日本では「1に燃費、2に燃費・・・」といった志向が強いと感じているのは私だけではないでしょう。
ところがここに来てその方向性(燃費偏重)をシフトさせるようです。カーエンジニア達もストレスを抱えていたようで、「走る楽しさを追求する」と含みをもたせた各社似たようなニュアンスのコピーを添えて次々と新車を発表しています。
ようやく日本メーカーのお手並み拝見といったところでしょうか?

◆ 国内メーカーがダウンサイジングターボに求める理想像とは?

決して私は偏った国内メーカー擁護派ではありませんが、前提として日本とヨーロッパの道路事情があることを忘れないでおきましょう。
そもそもロングツアラーが定着している欧州では、そもそも燃費向上という点でアドバンテージがあります。
対して、ストップアンドゴーを繰り返し強要される国内の道路事情ではハンデが大きすぎます。
そこでと言った訳ではないのでしょうが、国内メーカーは前述のような極端な燃費競争から舵を切って「クルマ本来の楽しさ追求」を目指し始めたようです。

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