国産エンジン史高級車・国産乗用車用V8エンジン今昔80年代まで

国産エンジンの歴史をジャンル別に解説するシリーズ、高級車編その4は、実験的要素の強かったクラウン・エイトに始まった日本の高級乗用車用V8エンジンが、その後どような道をたどったかをご紹介します。

V8エンジンはトヨタと日産の2強に

1964年デビューのトヨタ クラウンエイトで幕を開けた、日本の市販乗用車用V8エンジンの世界。

ライバル日産が黙っているはずも無く、翌1965年にはY40型4リッターV8OHVエンジンを搭載した高級セダン、プレジデントを発売しました。

2.8リッター直6OHVエンジンを搭載したセドリックスペシャルの後継として、日産初のV8エンジンを搭載したプレジデントは、2.6リッターV8エンジンを搭載したクラウンエイトより大排気量で余裕のある走りから防弾装備などの特殊装備を追加する事も容易で、好評を得ます。

トヨタも1967年に本命のセンチュリーを発売しますが、最初は3リッターV8エンジンとしてスタートした3V型エンジンは、馬力やトルクの面で日産のY型エンジンに余裕があるとは言えませんでした。

1980年代前半までのトヨタは、ことV8エンジンのスペックという面では、日産に水を開けられていたのです。

特に機構的に劣っているわけではありませんでしたが、大排気量V8エンジンを作らずにいたトヨタは、後に北米市場でフルサイズミニバンやピックアップトラックに参入した時、苦戦する事になります。

連綿と作り続けられたセンチュリー用V8は、ただ高級車用エンジンたれ

トヨタのV8エンジン、と言ってもセンチュリーはトヨタにとっても日本の自動車界にとっても特別な、特殊な自動車という枠を超えた存在でした。

世界的に見ればロールス・ロイスのような立場で、高性能を誇るようなクルマではないのですが、それでも作り続ける間にエンジンは変貌していきます。

デビュー時の3リッター(3V)から3.4リッター(4V)、最後は4リッター(5V-EU)と2度にわたる排気量アップと、1978年の電子制御化(4V-EU)は、単に増大した車重やライバルに対する対抗心というより、その時代ごとに厳しくなる排ガス規制の結果です。

事実、ライバル日産がスペックを向上した新世代V8エンジンを開発し、高級車でもドライバーズカーへ搭載していくのに対し、センチュリーのV8エンジンは後継のV12エンジンにバトンタッチするまで、ほぼ不変でした。

ひとつ大きく変わった時期というと、電子制御化に続き排気量を3.4リッターから4リッターに引き上げた5V-EUの登場時です。

最高出力が180馬力から、排気量アップしたにも関わらず165馬力にダウン、その代わりトルクは27.5kgf・mから29.5kgf・mに増大し、かつ最高出力も最大トルクも、その発生回転数を大きく下げました。

特別なショーファードリブンカーにカタログスペックなど無用とばかりに、エンジンを回さずともフラットトルクで余裕と静粛性を獲得し、超高級車としての実用性に供するためのエンジン、それがクラウンエイト/センチュリー用のトヨタV系V8OHVエンジンだったのです。

オーナーズカーとしても十分な動力性能を目指したプレジデントのV8

一方、日産のY型V8エンジンは元よりセンチュリーより大排気量の4リッターエンジンで180馬力を発揮していた事もあり、そのパワーを活かして特殊装備を施した公用車としても政府や官公庁での人気は高く、センチュリーの倍近い販売台数を記録していました。

それだけでなく、初代プレジデント用のY40型は130型セドリックのパトカー仕様にも搭載され、現在でいう交通機動隊用のスーパーパトカーの走りとなったのです。


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コメント:
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