超小型車の時代・フランス発EU規格のマイクロカー「クアドリシクル」

古くて新しいマイクロカー、EUで復権

以前もこのシリーズで書きましたが、ヨーロッパでのマイクロカーの歴史はかなり古いものがあります。

19世紀の末には既に「サイクルカー」として登場し、20世紀はじめには今の軽自動車のようなポジションである税金が安く登録や免許の制限が緩い事で大流行しましたが、普通の「自動車」に安価なモデルが登場すると廃れます。

その後1940年代の第二次大戦直後には疲弊したヨーロッパ各国で「バブルカー」や「キャビンスクーター」として簡便な自動車が流行し、経済の復興と共にまた衰退。

1950年代のスエズ危機でヨーロッパの原油価格が高騰したため再びバブルカーが見直されて走り出したものの、名車ミニの登場で今度こそ簡便な自動車は完全に消え去ったはずでした。

その後も日本製の軽自動車だったり他国製の低価格小型車だったり、その時代その時代で安くて簡便ではあるものの、とりあえず「自動車の形をしてそれなりに走るクルマ」が登場し続けたので、マイクロカーはそれほど表舞台にいる印象は無かったのです。

しかし、フランスなどでは主に高齢者向けの簡便で動力性能が低いため安全なコミューターとしてマイクロカーはしぶとく生き残り続けており、日本でもスズキなどが作っているセニアカーの、屋根があってもっと立派なクルマのようにして今まで作り続けてきました。

それがEU各国内で多少の違いはあるものの、基本的には「免許がいらない、あるいは原付免許だけで乗れる簡単なクルマ」として、若者向けにも人気が出てきています。

それがフランス語でなんと読むかのはわかりませんが「Voiture sans permis」(免許無し自動車)あるいは「Quadricycle」(クアドリシクル、原付四輪自転車)と呼ばれるマイクロカーです。

エンジンは日本製産業用エンジンを使いながら軽快

ここからは「クアドリシクル」で通しますが、クアドリシクルはかつては排気量50ccまでだったのがフランスなどでは400ccまで緩和されたようで、馬力もかつては5馬力ほどだったのが現在では20馬力あります。

イタリアなどでは500ccクラスのエンジンを積んだものもあるそうですが、基本的には日本のクボタやスバルの産業用ディーゼルエンジンが転用したものが多く、排気量や馬力の割には低回転からトルクがあるからなのか、思ったより軽快に走っています。

見た感じはトヨタ iQ、あるいはメルセデス・ベンツのスマートと言った感じでそれほど安っぽい感じは無く、スズキ ツインなどよりよほど立派です。

ものすごく取り回しの良さそうな超ショートホイールベース2人乗りのショートボディですが、バックモニターまでついている車種まであるのは、路上駐車の多いパリなどで隙間に詰め込むような縦列駐車が必要だからでしょう。

シティコミューターとしてはものすごく立派で自動車としてはこれで十分、と思うところですが、最高速度は45km/hに制限されているので高速道路には乗れず、長距離移動には適しません。

あくまで都市部の移動や、郊外で近所の移動がメインという事にはなりますが、軽量ゆえに燃費もいいので燃料満タンで300kmくらいは走るらしく、その気になれば低速ながらも長距離の旅も可能です。

とはいえ、日本の幹線道路のような流れを走るのはちょっと怖いですから、やはりあくまで近距離用でしょうか。


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コメント:
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