車の小さな進化。小さな変化だけど、格段に便利になりました。でも、こんな時代も良かったかも?
「ヒューランドパターン」って何?
オートマ限定免許取得者が5割を超え、オートマチック車全盛の時代をゆく現在。
マニュアル車自体が珍しくなりつつある今、かつてメーカーや車種によってシフトパターン異なっていたことをご存知でしょうか?
現在の一般的な国産常用車MTのシフトパターンは図のように「左上1速」「右下バック」というパターンが一般的だと思います。
2速発進を多用するトラックなどの商用車では「左下1速」「左上バック」というようなパターンが一般的です。
このシフトパターンはもともと「ヒューランドパターン」と呼ぶそうで、その昔イギリスの「ヒューランド社」が製造していたミッションに由来するとのことです。
レーシングカーにも多用されていたことで「レーシングパターン」と呼ぶこともあるそうです。
理由は急加速急減速を繰り返すレーシングカーでは「2速→3速→2速」のようなチェンジパターンが多く、この変速操作が直線的に行えるので、「ヒューランドパターン」が用いられたということです。
そして、その昔(昭和70、80年代)にはごく普通の乗用車にこうした異なるシフトパターンに加え、「プッシュバック」「プルバック」という異なる動作を要求されるシフトパターンが混在していたんです。
これって何が困るか?
そう「人のクルマを借りた時」です。
この頃は、こうした特殊パターン車のオーナーはきちんとパターンの違いを伝えるのがマナーでした。
そしてガソリンスタンドの従業員は車種によるパターンの違いを覚えるのが必須でした。
給油だけならドライバーがクルマを降りることはありませんが、洗車やら整備やらでクルマを預かることもありますから、モタモタしてると先輩スタッフからお叱りを受けます。
大体はシフトノブの頭にパターンが刻んであるんですが、年季が入っていると薄くなり
読み取れないことも…。
何れにしても厄介でした。
ガソリン給油口やキャップに鍵がついていた?!
「ガソリンキャップに鍵!」
現代のクルマしか知らない人にとっては「なんで?」と思うかもしれません。
かつてはガソリンは今以上に貴重品でした。
クルマからガソリンが抜き取られる何てことも珍しくはなかったのです。
そこで大切なものには鍵をかけよう!の発想でできたのでしょうか?
一般的には給油口の蓋にエンジンキーと同一の鍵でしたが、中には「蓋には鍵がなくて、キャップに専用の鍵がついている。」なんてケースも。
前述のパターンと同様、自分のクルマでなかったりすると鍵の存在すら知らないことも…。
こんなことがありました。
「旦那さんのクルマを運転して給油に訪れたご婦人、スペアキーで運転してきたからキャップの鍵を持ってない。ガソリンの残量も少ないし、どうしよう!」
でもどうにもなりません。
旦那さんが帰宅後再度給油へ、ということになりました。
それから、今のリモートで蓋が開けられるようになりだした頃は、ドライバーがオープナーの位置を知らないなんてことは当たり前で、よくトランクを開けてしまうことがありました。
以上、若き日にスタンドのバイトに従事していた筆者の経験に基づく「あるある話」でした。