もっと右ハンドルのアメリカ車を造ろう！フォードの高級ピックアップはいかが？

英国ではそこまで興味を持たれなくても、豪州ではウケそうだからです！

ヨーロッパ車に比べアメリカ車では、意外と右ハンドル仕様が存在していません。
それだと、本来はアメリカ大陸以外でも人気を博しそうなモデルが、もったいないではありませんか！
あのシボレーの名車「カマロ」だって、右ハンドルの市場（国）に出回れば、もっと知名度が上がるかも知れないのです。
というわけで、今回はリンカーン「コンチネンタル」に続いて、フォード「F-150ラプター」の右ハンドル車を提案したいと思います。
F-150といえばアメリカでは大人気のピックアップトラックです。
しかしフォードは、日本だけでなく、右ハンドル車の主たる市場であるイギリスとオーストラリアでも、F-150を販売していません。
ただ当然、この車種の場合、高級セダンのコンチネンタルなどとは用途も顧客層も違うため、ちょっと事情が異なります。

それではなぜ、我々がアメリカ以外のこうした国々で、F-150ラプターが売れると考えるか？についてですが、それにはラグジャリーSUVというカテゴリーが存在することがカギとなります。
昨今は、フォーマルスーツしか似合わないような超高級SUV（例えばベントレー「ベンテイガ」など）でさえ、オフロード性能を強調する時代です。
もちろん、2500万円もするようなSUVを一体誰が、荒れ地に連れ出そうなどと考えるのか･･･というのが実際のところですが、理論上はそんなことも可能だというわけです。
それならば、本当にラフロードが似合いそうなF-150ラプターが、逆にそのラグジャリー性をアピールすることも出来るはずではないでしょうか？
･･･というのが、我々の意見です。

フォードだって、高級感あるピックアップやSUVの造り方を、心得ていないわけではなく、少なくともアメリカではその戦略がうまく行っているのです。
実際にアメリカでF-150のトップグレード「リミテッド」を買おうとしたら、740万円ほどの出費は覚悟しなければなりません。
つまり、すでに立派なアッパークラスのクルマの域に達しています。
それを踏まえた上で、どんな装備やスペックになっているか見てみます。
すなわち、モハビレザーのシート（シートヒーターとシートクーラーに加え、マッサージ機能まで付いている！）からパノラマルーフ、10スピーカー、各種クロームメッキの採用。
それになんと、10速ATと3.5リットルV6エンジン（約450PS）の組み合わせ！
また最新の改良で、巨体を抱えつつも230kg近く減量しています。
ここまでの諸元表を見せられたら、高級SUVの代名詞たるランドローバーを検討中のイギリス人にとっても、フォードのF-150ラプターは魅力的に映るのではないでしょうか。

それにこのラプターなら、ランドローバー車のどのモデルと競合しても、オフロード性能で劣ることはないはずです。
それでもなおイギリスで不評だったとしても、オーストラリア市場が残されています！
しかもなんとこちらは、ピックアップ天国です。
販売台数トップ10の車種を見ると、豪州ではそのうち3車がピックアップという具合です。
ところが現実的には、フォードは豪州の現地生産から撤退する予定なので、アメリカからの輸入だと高くなってしまうことも確かです。
それにしても、あの広大な土地で、特にアウトバックに似合うクルマなんて、ラプター以外にそうそう存在しないのではと考えてしまいます。
アメリカで売れているクルマがほかでも売れるとは、決して言えません。
それでも、ラグジャリーなピックアップとSUVの境界線が曖昧になっている今こそ、たとえF-150ラプターがロンドンの街中を流していたとしても、そこまで奇妙な光景とはならないはずです。
フォードがもうちょっと頭を柔らかくして、アメリカ以外の地域にも、その「良さ」をもたらしてくれれば…と我々は願っています。
ドイツのメルセデスでさえ、豪州向けにピックアップを計画する時代です。
どうしてフォードが追従しないのか?
実現する日はそう遠くないかもしれません。