超小型車の時代・世界最小の自動車、ピールP50復活!日本で使えそう?

あの「Top Gear」でも紹介された世界最小の自動車

 

自動車マニアには有名な「Top Gear」でも紹介された事で一挙に有名になったピールP50。


世界最小の自動車として2010年にはギネスブックに掲載され、「TopGear」の中では当時の名物司会者、ジェレミー・クラークソンが街中どころかBBCの社屋内で乗り回します。
天気予報番組の最中、天気図の後ろでジェレミーが運転するピールP50がしずしずと通過する…というシーンなど、実に印象的でしたね。
あまりに小さく簡素でバッグギアすら備えていませんでしたが、何しろ軽いので人力で持ち上げて方向転換が可能で、そのための取っ手すらついているという、何かと規格外のクルマでした。

実際の生産期間は1960年代のごくごく短期間


しかし、有名になるまでのピールP50は無名もいいところで、イギリス本島(グレートブリテン島)とアイルランド島の間にあるイギリス王室領(法的にはイギリスの一部ではない)のマン島という小さな島でごく短期間作られた、超絶マイナーなマイクロカーにすぎませんでした。
マン島そのものはマン島TTレースなどオートバイやサイドカーの世界的レースで有名ですが、そこでクルマを作っていた事すら知らない人が多かったのではないでしょうか。
ピール・エンジニアリング・カンパニーもそうしたオートバイのスポーツフェアリングやボートなど、グラスファイバー製品を作っており、オートバイ用フェアリングとしてはちょっと知られたメーカーでした。
その技術を活かして軽量なグラスファイバー製マイクロカーを作ろうとしたのが1955年の事です。
当初は税金の安かったキットカー(ユーザーが自分で組み立てる)で参入しようとします。
実際に350ccエンジンを搭載したフロント2輪、リア1輪の「マンクスカー」を発表しますが、税金が上がったため断念。
改めて完成車メーカーとして計画を見直し、空冷2ストローク50ccエンジンを搭載したピールP50を1962年に発表、販売開始しました。
しかし1965年までの3年間で総生産台数はわずか47台、商売としては全く成り立ちません。
1966年からは小型車メーカーに転換し、バイキングスポーツというBMCミニのスポーツバージョンなどを作りますが、それも商売にならなかったようで、1969年には自動車事業から撤退。
ピール・エンジニアリング・カンパニーそのものも1974年には解散消滅してしまうのでした。

実際どういうクルマだったのか


そのピールP50が実際どういうクルマだったか。
何しろ世界一小さいクルマでしたから、寸法は全長1,340mm、全幅990mmと今の日本の軽自動車の4割以下です。
大人1人が乗るとあとはせいぜい買い物袋が一つ乗る程度で、スーパーで買い物してもあまり買い込むと乗せられません。
フロント2輪、リア1輪は試作で終わったマンクスカーと同じで、50ccエンジンで後輪を駆動します。
車両重量はわずか60kgですから、前述したようにリアの取っ手を掴んで引っ張る事も、ちょっと持ち上げて方向転換する事も可能。
「TopGear」の中ではジェレミーが乗ったまま通行人にお願いし、持ち上げてもらって方向転換してました。
50ccとはいえ軽いので最高速度は60km/hと原付スクーター程度の動力性能は持っており、燃費は35.7km/Lと、昔のクルマですから並というか、さすがにスーパー・カブほどは走りません。
イメージ的には1980年代に流行って光岡自動車などが大量に作ったマイクロカーをさらに小さくしたようなものですが、あまりに小さくしすぎて実用性が無いというか危ないというイメージもあったのか。
それとも、単にマン島の小さいメーカーが販売している事に誰も気づかないほどマイナーだったからなのか、「Top Gear」で取り上げられるまで忘れられたような存在だったのです。

文字通りのバブルキャノピーを持つ「トライデント」も


なお、ピールP50の派生車として「トライデント」がありました。
スポーツ仕様という位置づけですが、透明なバブルキャノピー…というより「泡」そのものに見える文字通りの「バブルカー」で、顔つきこそスポーティですが中身はピールP50そのもの。
こちらは何台作られたのか不明です。

復活のピールP50

 そのピールP50ですが、ギネスブックに登録された2010年にピール・エンジニアリング・リミテッド(過去のピール社とは無関係)からEV(電気自動車)として復活。
最高速度が16km/hとオモチャのようだったので当然公道走行はできませんでしたが、その後2012年には再びガソリンエンジンを搭載して公道を走れるモデルが登場、現在では公道も走れるEVも販売されています。
生産は手作業でごく単純。
グラスファイバーで作ったボディを裏返して簡素なパワートレーン一式を取り付け…というよりネジ止めして終了。
日本でもミニカー登録すれば乗れますが、かつて流行ったミニカーと比べてもあまりに小さすぎ、密閉式キャビンとして非常に狭いので、公道を走るのはちょっと怖い感じもしますね。
また、直射日光で青空駐車などしていると、すぐにグラスファイバーが劣化したり、真夏の暑さで歪んでこないか心配です。
そう考えると、各メーカーの「超小型モビリティ」はそれなりに頑丈そうで、かつキャビンが密閉式でないものが多いのには、それなりに理由があるんだなと考えさせられます。

 

いかがでしたか?約50年前の元祖超小型モビリティですが、実際に復活されて自分が乗るか?と言われるとちょっと考えますね。
せめて買い物した荷物を入れるカゴが欲しいところです。
あまり小さすぎても大きすぎてもいけない超小型モビリティですが、次回は「実際に超小型モビリティが導入されたら、その普及の壁は?」というテーマでご紹介します。

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