提携先を探し中のフィアット・クライスラーグループ
「理想のお相手探しのアプリ」なるものが自動車業界にも存在していたら、面白かったかも知れません。 というのも現在、フィアット・クライスラーグループ(FCA)が自社にふさわしい提携先企業を探している最中だからです。 最近のFCAは、重なる負債や品質評価の低下、さらにはディーゼルエンジンの排ガス不正問題など、抱える問題が多くなってきています。 そこで会社の建て直しを図るため、他の大手メーカーとの連携を考えているのです。 同社のセルジオ・マルキオンネCEOが目をつけているのが独フォルクスワーゲン(VW)であるとの報道もありましたが、これまで残念なことにVW側はFCAには興味を示していない様子でした。 しかし『オートカー』誌の最新情報によれば、その事態も変わってきているようです。
フォルクスワーゲンとは実は意外な共通点もあった?
FCAとVWの組み合わせが現実のものとなれば、これは非常に興味深いペアと言えます。 というのもVWグループのポルシェが、つい最近の品質格付けでトップに上り詰めている一方で、FCAは、品質評価の権威であるJ.D.パワー社および『コンシューマー・レポート』誌両方から、最低ランクの評価をもらっているからです。 こうしてFCAとVWを見ると、「出来の良さ」では正反対に位置するイメージも持たれそうですが、実は共通点もあり、双方とも排ガス問題では政府から厳しい目を向けられているという現状もあります。 つまりこれは、共通の問題を手を取り合って解決していく…というチャンスにもなるわけです。 さらにVWにとって、もしFCAを傘下に収めたなら、ヨーロッパ最大の自動車メーカーという地位を死守できることになります。 先日は仏PSAグループがオペルとヴォグゾールをGMから買収したことで、欧州の市場地図にも大きな変化が訪れているご時世であり、これも重要なポイントです。
まだはっきりと胸の内を明かさないフォルクスワーゲンのCEO
さて、これまではマルキオンネCEO側は合併を望んで来たものの、VWのミュラーCEOにしてみれば排ガス問題を全面解決へと持ち込むことが先決であって、FCAの相手をしている場合ではないとする報道が優勢でした。 そんなところへ入ってきたオートカー誌の情報では、VWのミュラー氏はまだ「ノー」と明言はしていないという点に注目です。 同氏は「現時点までに、私がマルキオンネさんとの話し合いを持ったことはありません。ただ私は、それ(業務提携や合併)を拒否したこともありません」と弁明しています。 「2015年以来、両社は別個の問題を抱えており、提携の話をするまでにこぎつけていないということです。」 ということで、ディーゼル排ガスを巡る一連の騒ぎが落ち着いた暁には、ミュラーCEOも検討を始めるかも知れません。 我々としては、まずはゆったりよい雰囲気作りをするために、素敵なディナーにワイングラスでも傾けながら話し合あえば、事もうまく運ぶかも!?と考えてしまいます…。 両社の行く末や如何に。
It Turns Out A Volkswagen And FCA Merger Is Not Entirely Off The TableAncar | Ancar(アンカー) – 中古車の個人売買