どんどん高性能化するポルシェ・パナメーラに、メルセデスはどう反応したか?
メルセデス・ベンツがこういうクルマを発表するであろうとは、前々から予測されていました。
ポルシェが「パナメーラ・ターボ・Eハイブリッド」や「スポーツ・ツーリスモワゴン」などを披露している状況で、メルセデス・ベンツが黙って指をくわえて見ているはずがありません。
ポルシェに対する反撃として、4ドア版の「AMG GT」が登場するということで、そのティーザー写真をすでにご存じだった方もいるでしょう。 さて、今回はジュネーヴサロンの会場で、その実車が完全な姿で公開されました。
今回、この車両はシンプルに「メルセデス AMG GT コンセプト」という名前で登場しました。
AMG GTクーペと同じ電動モーター付きの4.0リッター ツインターボ V8エンジンが搭載されています。
メルセデス AMG GT コンセプトの怒濤の最高出力!
その結果、どんなスペックになるかというと・・・。 なんと、合計出力が805PSになるというのです。
前述のパナメーラ・ターボ・Eハイブリッドは671PSですが、これをもかなり上回る数値です。
これは、AMGのF1マシンにも採り入れられている「EQパワー+」と呼ばれる一連のHV技術によって編み出されたハイパワーなのです。
実は、同じパワートレイン技術は今後AMGのすべてのHV車に搭載されることになっています。
0〜100km/h加速は3秒を下回るとされ、「これはすでにスーパースポーツカーの領域である」とAMGのトビアス・モアーズCEOは述べています。
しかもこのクルマ、フルEVモードで走ることだってできるのです。
AMG GTの最高峰モデルと同等の、特別装備。ところで、ミラーはどこに?
魅惑的な外観デザインは初代のクーペサルーン「CLS」を思い起こさせ、荘厳な印象さえ与えるものです。
曲線が際立つAMG GTクーペの滑らかなルックスを保ちながら、セダンの実用性を示す大きなトランク部を兼ね備えた、秀逸なスタイルと言えましょう。
また高性能版のAMG GTRと同じく、可動式の空力・冷却パーツも装備されており、可動式ラジエーター・シャッターを中央に据え、サイドのエアインテークも持っています。
カーボンファイバー製のパネルをルーフに採用し、Aウィング型のフロントスポイラーやリアディフューザー、さらにはカーボンセラミックのブレーキを備える点も、同様です。
そして、サイドミラーはどこかと不思議に思った方への情報ですが、実はこのクルマは「mirror cams」と呼ばれる内臓カメラを装備しているので、いわゆるミラーレスカーなのです。
これからの50年にもエールを送りたい、AMG
さて、まだこのAMG GTコンセプトは、その名前通りコンセプトカーの域を出ていませんが、メルセデスは近い将来、そう大きく変わらない性能を携えた量産車を発売するべく、検討中だということです。
ただしデザインの基本がそのまま量産車に受け継がれるかは微妙です。
ちょうど50周年を迎えるAMGのシンボルとして、ジュネーヴサロンに登壇したクルマだったわけですが、そういった事情は理解できるでしょう。
今できることは、今年9月のフランクフルトショーでF1の流れを汲む「プロジェクト・ワン」というハイパーカーを待つことです。
何かと話題の尽きないAMGですが、それはすなわち、これからの50年にも期待できるという意味ではないでしょうか。
<会場写真の著作権は、Hampshire Photographyに帰属しています。>
The Mercedes-AMG GT Concept Is An 800-Horsepower Super Sedan