新税「環境性能割」、自動車取得税と何が違う?
2017年3月で自動車購入時の「自動車取得税」が廃止されて減税される!という面を国は強調していますが、正確には「環境性能割」という新税に入れ替わるだけです。 それでも国の試算では200億円ほど減税になるとされていますが、実際に皆さんが車を購入するにあたり、それを実感することはできるでしょうか?
◆自動車取得税と変わらない点
・登録車(普通車)と軽自動車を、新車・中古車関わらず購入時に課税されます。 ・課税されるのは購入時。 ・取得価格が50万円以下であれば、免税 ・税率の基準になる「取得価額」((課税標準基準額+オプション価額)×中古車の場合は残価率)
◆環境性能割で変わるところ
・従来の「エコカー減税」に当たる部分が簡素化される ・EV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)、PHV(プラグインハイブリッド車)、平成32年度燃費基準値+10%達成車は非課税 ・平成32年度燃費基準値達成車は1%(営業用車両は0.5%) ・平成27年度燃費基準値+10%達成車は2%(同1%) ・それ以外は3%(軽自動車と営業用車両は2%)
自動車の新税制「環境性能割」の内容-全体では減税でも軽自動車は増税か | 自動車保険ガイド
ハイブリッド車なら重くても許される?変わりが無い車は何か?
キモになっているのはこの簡素化された部分で、それにより2017年以降お得になる車、少し高額の税金を取られる車が出てきます。 排出ガスや燃費が基準となっているのは変わりないので、もとより排ガスを出さないEVなどが非課税なのは変わりませんし、厳しい燃費基準をクリアしているクルマも同様です。 EVなど排出ガスゼロ車以外ですと「平成32年度燃費基準+20%達成車」は変わらず非課税ですが、代表的な車種は国産車ならトヨタのプリウス、アクアなどハイブリッド車全般。 それにアルファード/ヴェルファイア、エスティマ、ノア/ヴィクシー/エスクァイアなどハイブリッド設定車も達成していますが、「重ければ燃費基準が緩い」というのは批判もあり、いずれ見直されるかもしれませんね。 輸入車でも2013年10月にモデルチェンジされた現行メルセデス・ベンツ S400ハイブリッドが該当します。 また、元より「平成27年度燃費基準+5%」を達成していなかった車も、3%(軽は2%)で変わりません。 少なくとも自動車取得税に関する限り、多少古い車でも旧車でも取得税は同じというわけです。
非課税では無かったハイブリッド車がお得になる反面、軽は増税
新たに非課税になる車、あるいは税率提言される車は、いずれも「平成32年度燃費基準」をクリアしたクルマです。 +10%達成車であれば従来の0.6%(軽は0.4%)から非課税になります。 +10%で代表的なのが国産では日産 V37スカイラインハイブリッドやE12ノート、HY51フーガハイブリッドの一部で、輸入車ではBMW7シリーズハイブリッドあたりが非課税。 +0%達成車も普通車ならは1.2%から1%になり、代表例がBMW5シリーズハイブリッドです。
税率の増える車は?最新の軽が意外な増税
逆に税率が厳しくなる車ですが、ここで割を食うのが軽自動車です。 なんと平成32年度燃費基準+0%達成でも、0.8%から1%に上がってしまいます。 車重も軽く排気量も小さいのに、重量級ミニバンが非課税で軽は増税というのはいかがなものでしょうか? 平成27年度燃費基準+10%達成車ですと普通車は1.8%から2%(軽は1.2%から2%へ)。 同+5%達成車は2.4%から3%(同1.6%から2%)と、税率の上昇率は普通車でも軽でも変わらず、軽の方が割安です。
燃費基準を調べてお得に中古車を買おう
どのみち平成27年度燃費基準でしか自動車取得税の控除が無かった車種は、今回軒並み増税になりますので、中古車で購入するなら2017年3月までの購入がオススメです。 微妙なのは平成32年度燃費基準+0%達成の軽自動車で、新車でも2017年4月以降増税になってしまいます。 もっとも、そうした車種はほとんどが一部改良などで+10%達成などに引き上げられますから、大きな影響は無いでしょう。 平成27年度燃費基準以前の車も影響は無いので、比較的新しい中古車を購入する時はどちらの燃費基準化を国土交通省のHPなどでチェックして、少しでもオトクに買いましょう!
自動車:減税対象自動車一覧(平成26年3月31日以前に新車新規登録等した自動車) – 国土交通省Ancar | Ancar(アンカー) – 中古車の個人間売買