レカロシートなど、交換するシートのメリットとメーカーについて

「座ったまま」は楽ではない

自動車の運転を評して「座っているだけだから楽」などと表現される事があります。
確かに延々と歩き続ける営業の仕事や、立ったまま接客を続ける仕事、ストップ&ダッシュを繰り返す倉庫や宅配の仕事と比べれば、足を酷使する事は無いでしょう。

しかし、だからと言って一日中座ったまま机に向かって仕事をする事務やシステムエンジニアの仕事が楽かと言えば、そうではないでしょう。
ずっと座ったままで体をほぐすのもままならない環境が腰痛や血行の悪化に大きく影響を与えるのは、エコノミー症候群を持ち出すまでも無くよく知られた話です。

自動車のシートが健康に与える影響

自動車のシートも全く同じ話で、体に合わないシートや、運転に向かないシートは健康の悪化に大きな影響を与えます。
昔の国産車では、高級車のシートは単に座り心地のいいシートと誤解する傾向がありました。
フカフカと柔らかいシートで、座った瞬間にはいい気分がしてくるものの、走り出すと何か居心地の悪さを感じ、それが数時間のドライブともなるとお尻や腰が痛くなるシートの車は、珍しくなかったのです。

かえってスポーツ系の車に備えられたシートや、一見チープに見えるものの実用性のみを追求した商用車や軽自動車のシートの方がドライブには適していたりもしました。
よくある誤解で、軽自動車による長距離ドライブは疲れるのではないかという印象を持たれますが、実用性重視で適度な硬さを持った軽自動車のシートは、ロングドライブに十分耐え得るシートだったのです。

ただし、スポーツ系の車で「2+2シート」と呼ばれるシート形式の車の後部座席は、いざとなれば後ろにもう2人乗れる程度の考え方で作られたものなので座り心地も居住性も悪いことが多いです。ホンダのCR-Xのように、「犬でも1マイルで音を上げるワンマイルシート」などと言われるものもあり、実際に乗ってみると20分ももたずに下ろして欲しいと嘆いてしまいます。

このように、たかがシートひとつとはいえ、乗る人の健康に与える影響は重大なものがあります。

交換するシートのタイプには数種類

レカロシートのような社外品の高性能シート(一部は純正でも採用)には何種類かあります。
大きく分けると走行中の体を支えるホールド性を最重視してリクライニング機能などをもたない「フルバケットシート」と、それよりはホールド性がやや劣るものの、快適性も考慮した適度な硬さとリクライニング機能を持つ「セミバケットシート」があります。

近年ではフルバケットシートにもリクライニング機構を設けたり、あるいはセミバケットシートのホールド性を高めた中間タイプもありますが、かなり高価なためあまり一般的ではありません。
また、いずれのタイプでも通常タイプと、カーボンなどをふんだんに使用した軽量タイプが存在し、車体重量を軽量化したい時に装着しますが、これも価格が通常タイプの倍程度と、かなり高価です。

「フルバケットシート」は機構そのものはリクライニングもせず簡素なので安価で、ノンブランド品なら3万円程度から購入できますが、「セミバケットシート」は快適性を追求した複雑な構造から、一般的に最低でも10万円、高価なものは通常モデルでも30万円以上します。

レカロのように良いシートを装着する意義

レカロシートに代表される社外品シートの意義は、その用途で変わります。
スポーツ走行をする場合は単純に走行中の激しいGに耐えるため、4点式以上のシートベルトと合わせて体を固定する事で体がずれる事による走行操作への支障を防ぐ事です。
実際、競技用の車でノーマルシートと3点式シートベルトのみで走行すると、体がシートから放り出されそうになって運転操作が困難になるほどなので、とても重要な要素です。

スポーツ走行を行わない場合に一番大きな要素は疲労低減や肉体的苦痛の緩和で、車が路面から受ける振動や衝撃を緩和したり、座った人の体に積極的になじませる事で、座っている人の骨格が不自然に歪んだり、筋肉が余計な緊張をする事を防ぎます。
フワフワの柔らかいシートでも一見同じ事ができそうですが、そういったシートが快適なのは座った瞬間だけで、一旦体重で沈んだシートは、路面からの衝撃や車からの振動をそのまま座っている人に伝え、運転姿勢も最適化されていないので、骨格が歪む原因になりがちです。

レカロシートなどの場合はシートに手動調節式で空気を送り、膨らませたりしぼませたりする事でフィット感を高める「エアランバーサポート」なども備えているので、座る人の健康に対する配慮は相当なものがあります。
最近になって国産車でも人間工学的に優れたシートを装着する例が増えてきましたが、それでもレカロシートなどを愛用する人は数多くいます。

法的対応などシートメーカーの状況

しかし、実のところ、こうしたシートの交換には純正とは異なる「シートレール」(シートと車体を接続する頑丈な金具)が必要なのです。
そして、このシートレールの強度証明がなされていないシートでは車検に通らない仕組みとなっているため、純正以外のシートのままで車検を通す事が、今はとても難しくなっています。
極端な話ですが、純正シート以外はNGという見解まで存在するのです。

その中でも、クラッシュテストを実施して車検に対応した強度証明書を発行し、車検に対応させているシートも少ないながらも存在し、先のレカロシートがその数少ないひとつです。
レカロ以外でもブリッドなど一部メーカーで同じように強度証明を提出する事で車検に通るシートがありますが、単純に「車検適応」「保安基準適合」と記載があるのみの場合は、車検の検査官から強度証明書を求められた時に落ちてしまいます。

スパルコなど良心的なメーカーであれば「競技専用品」と表示して車検適合では無い事を明記していますが、安価なシートメーカーの場合は「車検適応」と書いた脇に小さく「100%車検に通る事を保証するものではありません」と書いてあるケースも未だに見うけられるので、強度証明があるかどうかには注意しましょう。

また、レカロやブリッドなど正規に車検適合したシートでも、肝心のシートレールに安価な社外品を使うと車検に通りません。
シートとシートレールは一体のものと考えた方が無難なので、正規品で揃える事を推奨いたします。

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