VWにスポーティさを求めるなら、ゴルフGTIとシロッコ、どちらを選ぶ？中古車価格からも検討！

大衆向けコンパクトカーから世界最速FFまでを網羅するゴルフ！

1974年の登場以来、今や7代目となったフォルクスワーゲン(以下VW)の主力車種、ゴルフ。ほかにもコンパクトカーならup！やポロ、セダンならパサート、SUVならティグアンやトゥアレグ、ミニバンならシャランとありますが、それもゴルフの存在感にはかないません。割と地味なフロントフェイスで統一感を出したがゆえに、どれもゴルフの派生型に見えてしまうクラスレス感が良くも悪くもVWですが、そのゴルフ自体もかなりバリエーションが豊富です。普通の大衆向けコンパクトカーのゴルフもあれば、ホットモデルのゴルフGTIと高性能版のゴルフRがあるほど。

しかも日本未導入の特別な高性能バージョンには、旧シビックタイプRを抜いてニュルブルクリンクサーキットでFF世界最速を誇るモデルすらあります。つまり、通常版を買ってお買い物グルマに使うも良し、高性能版を買ってサーキットをガンガン走り込んでも良しというわけで、まるで昔の日本車によくあった、高性能テンロク(1.6リッター)スポーツのようです。しかし、ゴルフの場合は日本において高性能版がそれほど注目されないこともあり、ホンダのタイプRや日産のスカイラインGT-Rのように、高性能版の存在ゆえ通常版がみずぼらしく見えないというのは、VWもウマイ商売をしているというべきでしょう。ゴルフの本質、それはあくまで大衆車だということを忘れていません。

実はゴルフより早くデビューした名門シロッコ

一方のシロッコですが、ゴルフほどメジャーではないものの、実は初代モデルのデビューはゴルフより数ヶ月前です。ビートル(VWタイプ1)同様、ビートルベースのカルマンギア・クーペの世代交代も課題だったこともありますが、結果的にはゴルフ同様、アウディ 80のエンジンや設計を利用してFFコンパクトクーペが成立するかどうかの試金石となりました。日本ではゴルフほどメジャーではないもののヨーロッパではヒット作となり、2代目の後は「コラード」と名を変えて1995年まで販売されています。 2008年に6代目ゴルフベースでシロッコとして復活、初代から続く2ドアクーペ(実質的には3ドアハッチバッククーペ)として、ゴルフより車高が低く幅広のスポーティ版という位置づけには変わりがありません。

この3代目シロッコはエンジンがゴルフ(6代目)と共通、またRラインがゴルフ同様に設定されて高性能版のシロッコRも設定されています。つまり、5ドアハッチバックのゴルフに対して3ドアハッチバッククーペのシロッコという程度の違いで、それゆえに人気車種というわけでもなく、日本では2014年3月で販売終了してしまいました。しかし、低く構えたスタイルや、ゴルフより精悍なフロントマスクは、未だに捨てがたい魅力があります。昔と違い、実用性重視で3ドアが嫌われるようになってしまった日本で人気モデルになれないのは残念。

中古車ならどちらに価値がある？

ここで、シロッコが現在中古車市場でどの程度の価格なのか見てみましょう。相場としては通常モデルが59.8～235.9万円、シロッコRで178～328万円です。同時期の6代目ゴルフはどうでしょうか？ゴルフGTIが103～346.4万円、ゴルフRで158～309.9万円。やはりシロッコのようなスポーツ版では通常モデルですと格落ちのようで価値が低く見られがちで、ゴルフGTIの方がメジャーなことや特別限定車などもある分だけ高くなっています。

しかし、これが270馬力の2リッター直４ターボを搭載した「R」同士となると話は別で、シロッコRの方に希少価値が出てきています。あるいは4WDのゴルフRより、FFのシロッコRの軽快感に価値があるのでしょうか？既にシロッコは新車販売されていないので現行の7代目ゴルフと比較するのはフェアではありませんが、新車のゴルフRを買うなら中古で安価なシロッコRが、あるいは中古のゴルフRを買うなら少し高くてもスポーティなシロッコRを選ぶ。そんな選択肢があっても良いかと思い、今回はスポットを当てさせていただきました。ちょっと変わったフォルクスワーゲン、という意味でもオススメしたいですね。

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