ホンダ「オデッセイ」生産終了へ|ミニバンブームの火付け役としての功績を解説

2021年6月、ホンダはミニバンの「オデッセイ」の生産を年内中に終了することを発表しました。

オデッセイは、1994年に日本で登場し、ミニバンブームの先駆車として長きにわたり活躍した車です。

そんな歴史と伝統、人気があったオデッセイが生産終了となり、ファンからは非常に残念そうな声をお聞きします。

約27年の歴史に幕を閉じることになりますが、これまで数々の功績を残してきました。

本記事では、ミニバンブーム火をつけた「オデッセイ」の歴史や魅力について解説していきます。

ホンダファン、特にオデッセイが好きな人はぜひ最後までご覧ください。

オデッセイの歴史

約27年間、多くの人に愛されてきたオデッセイですが、どんな歴史があったのでしょうか。

ここでは、初代から5代目までのオデッセイの歴史を振り返ります。

初代

冒頭でもお伝えしたとおり、オデッセイが誕生したのは1994年です。

当初はミニバンという車種が流行ってなく、そもそもミニバンなんて言葉が存在しておりませんでした。

乗用車専用に設計されたトヨタ「エスティマ」やマツダ「MPV」など、後にミニバンに分類される車種は存在しましたが、まだまだニッチな存在で知られてなかったのです。

セダンやクーペとは違った新しい価値観を持つ「クリエイティブ・ムーバー(生活創造車)」の第1弾として開発されたのがオデッセイでした。

フロアを低くし、全高が低くても広い室内空間を作り、着座位置や重心も低くなるのでセダンと変わらないような乗り心地を味わえるようなミニバンにしたのです。

この作りが話題となり、人気も出ました。

2代目へとバトンタッチする1999年までの5年間で累計40万台以上を販売し、日本その名を轟かせました。

2代目

1999年に初のフルモデルチェンジをして2代目オデッセイを発売しました。

大ヒットモデルの後継とあって2代目はスタイリングもキャラクターもキープコンセプトをモットーに作られる予定でした。

しかし、居住性の拡大と使い勝手の向上を目的にボディサイズは初代より全長は20mm、全幅は25mmほど大きくなりました。

その一方でもともと低かった車高はさらに15mmほど下げられ、より一層の滑らかな走りを実現したのです。

また、マイナーチェンジを機に走りを磨いたスポーティグレード「アブソルート」も追加されました。

これにより、2代目オデッセイも多くの人から愛されました。

3代目

2003年に2回目のフルモデルチェンジを行いました。

もともと全高が低い初代オデッセイを15mm下げたのが2代目で、3代目はそれよりさらに80mmも低くしました。

全高はなんと1,550mmに抑えられ、ミニバンでありながら機械式立体駐車場への入庫を可能としたのです。

燃料タンクの形状や材質、排気管の取り回しなどに工夫を凝らしフロアを低め、室内空間を犠牲にすることなく低い全高を実現しているのです。

また、室内空間も2代目と異なり、よりエレガントな作りとなりました。

4代目

4代目は、2008年に登場しました。

視認性や安全性など細部を極めるだけでなく、ハンドリングにも磨きをかけました。

しかし、消費者のニーズとズレが生じたためか販売成績は不本意な数字にとどまりました。

すなわち、販売台数があまり伸びなかったのです。

この経験を活かして5代目を発売することになりました。

5代目

5代目を2013年に販売しました。

まず大きく異なるのがボディサイズです。

全幅こそ1,800mmとこれまでと変わりませんが、全長は4,855mmへと55mmも延長されました。

初代から4代目まではホイールベースは一貫して2,830mmでしたが、新開発のプラットフォームでは2,900mmへと70mmほど伸ばされました。

車のサイズが大きくなり、インテリアも高級感を増した5代目は、サスペンション形式も改革しました。

スポーティな前後ダブルウィッシュボーン式からストラット式(前)、ドディオン式(後)を採用したり、オデッセイ初のハイブリットも用意したことで低燃費でハイパフォーマンスにチェンジしました。

しかし、5代目も思うような販売実績が見込めませんでした。

オデッセイが愛された理由

販売台数に伸び悩んだものの、多くの人から愛されたことには変わりはありません。

では、オデッセイが愛された理由はどこにあったのでしょうか。

主に、以下の3つが魅力で愛されていました。

  • ゆったりとした室内空間
  • 快適の高さ
  • 高い走行安定性

それでは、順番に解説していきます。

ゆったりとして室内空間

オデッセイの1番の特徴は、ホンダ独自の超低床プラットフォームを採用している点です。

乗車スペース確保のために床下の部品を可能な限り小さくしています。

これにより、全高1,696~1,725mmに対し室内高1,300~1,325mmという、スマートながらゆとりのある空間を実現しています。

一見、ミニバンなのに室内が狭く感じますが、室内は広く十分ゆったりとした空間です。

よって、快適に乗れます。

快適性の高さ

2列目のプレミアムクレードルシートが、オデッセイの快適性を象徴します。

最大170度のリクライニング機能や、リクライニング時にも顔が正面に向く中折れ機構が、ゆったりとした座り心地を実現させています。

また、運転席と助手席には、前後のスライド・リクライニングの角度調整が電動で行えるパワーシートを搭載しています。

さらに床下に収納できる3列目シートにもリクライニング機構が備わり、背もたれの角度を1隻ごとにずらせば大人3人が快適に座れるよう設計されています。

さらに、上質な柔らかい質感の本革シートは、オデッセイの快適性と高級感を一層引き立てるのです。

長時間の移動も体の負担を避けられるでしょう。

高い走行安定性

低重心の車は通常、セダンやスポーツカーなどのタイプによく見られるものです。

この作りをミニバンに取り入れたことで、他のミニバンには見られないような機敏な動きと安定性を実現できたのです。

また、Lサイズミニバンなのに小回りの良さを兼ね備えているところも大きな特徴と言えます。

最小回転半径が5.4mなので、狭い道や駐車場でもスムーズに運転・駐車ができるでしょう。

 

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