時代を超え、国を超えて世界中に名車といわれる車がたくさんあります。名車にはその時代における社会環境や流行が、自動車の性能やデザインに反映されています。自動車はその自動車が製造され、乗り回された時代を表す鏡になりうるのです。
世界の名車とは
世界の名車とは、性能やデザインなどが優れ、評判の高い自動車を指すといわれています。性能が優れているとは、その自動車が生産されて使用された当時の時代において優れていたという意味であり、現在の自動車よりも優れているという意味ではありません。性能は一般的には現在の自動車の方が優れているといえます。一方、デザインが優れているとは当時において優れているというよりも、現在の自動車と比較しても優れているという意味合いが強いです。
時代を表す鏡になる
名車は、各時代ごとに、世界中に存在します。その時代における社会環境や流行が、自動車の性能やデザインに反映されています。自動車は、その自動車が製造された時代を表す鏡になりうるのです。
世界で愛された名車10選
時代の移り変わりと共に多くの車は記憶から消え去ってしまいますが、時代を越えて愛され名車も世界中にたくさんあります。日本を含め、世界で愛されている名車を、以下に10例、紹介します。
ユーノス・ロードスター
初代ユーノス・ロードスターは、マツダによって1989年9月から1997年8月まで製造されました。現在、後継モデルがマツダ・ロードスターとして製造および販売されています。ユーノス・ロードスターには、マツダの新販売チャンネルでしたユーノスの名前が付けられました。1989年に発売された初代は、海外ではMX-5ミアータという名前で発売されました。ユーノスロードスターは2シーターでオープンのコンパクトな軽量スポーツカーです。コンパクトなボディサイズとオープンカーの軽快な走りに加え、買いやすい金額に設定された販売価格から世界中で売れました。現在でも名車として世界中で人気があります。
フォード・マスタングコブラR
フォード・マスタングコブラは、1993年にフォードがデビューさせたマスタングの高性能版でした。そして、レース参加用のベースマシンとして1995年に250台だけ生産された高性能バージョンがコブラRです。エンジンは300psのV8・5.8リットルOHVが搭載されており、V8サウンドといわれる特徴的なエンジンサウンドが人気がありました。多くのレースに出走して活躍していました。
ダッジ・バイパー
ダッジ・バイパーは、クライスラーの一部門であるダッジおよびSRT(Street and Racing Technology)から発売されていたアメリカンスポーツカーです。 ダッジ・バイパーは、8リットルV型10気筒、400hp(約406PS)のオープンモデルであるバイパーRT/10が発売され、後に450hp(約456PS)のバイパーGTSというクーペモデルが追加されました。当時は世界で最速の量産市販車でした。その後、2002年に2代目が登場し2012年に3代目が登場しましたが、2017年に生産終了となりました。
日産・GT-R(R34)
日産・GT-R(R34)は、ツーリングカーレースで活躍した先代プリンス・スカイライン2000GT-B(S54B-II型)の後継車として、1969年から製造されたGT-Rの5代目に当たります。GT-R(R34)は、1999年(平成11年)に製造が開始されて、2002年(平成14年)に生産が終了しています。現在は、GT-R(R34)の後継車として2007年に登場した日産・GT-R(R35型)が製造・販売されています。
マツダ・RX-7
マツダ・RX-7は、1978年(昭和53年)3月に初代(SA22C)が誕生しましたが、その当時は、サバンナRX-7と呼ばれていました。自動車排出ガス規制の強化を受けて、2002年8月に生産を終了しました。マツダ・RX-7は、マツダによって量産されたロータリーエンジンを搭載したスポーツカーとして製造されました。車体は、低いボンネットフードを有していて、その前端に設けられるヘッドライトは、ボディ内部に格納されて点灯時に外部に飛び出るリトラクタブル方式が採用されていました。
日産・フェアレディZ 300ZX
フェアレディZは日産自動車が製造・販売するクーペタイプのスポーツカーです。300ZXは、1989年から製造されたフェアレディ4代目 Z32型系のものであり、2000年に製造を終了しています。外見は従来のフェアレディZの特徴であるロングノーズ・ショートデッキを改めて、新たにワイド&ローというイメージでデザインされています。2シーターとそのホイールベースを延長して4人乗りにした2by2の2種があります。
ポルシェ・993ターボ
ポルシェ・993ターボは、ポルシェ・911の4代目モデルであり、1993年から1998年まで製造・販売されました。ポルシェ・993ターボは、空冷のエンジンを車体の後部に搭載していて、空冷エンジン最後のモデルです。また、初めてツインターボチャージャーが採用され、前後4輪を駆動する4WDシステムを搭載した最初のターボモデルです。
ホンダ・S2000
ホンダ・S2000は本田技研工業が1999年から2009年まで生産・販売したSシリーズ第4弾のオープンカーのスポーツカーです。駆動方式はS800以来29年ぶりとなるFRであり、エンジンは前車軸より後方に置かれたフロントミッドシップです。ホンダ・S2000の製造終了により、再びホンダにはFR車がなくなりました。トランスミッションは6速MTのみで、AT車の設定はありません。
シボレー・コルベットZR1
最初のシボレー・コルベットZR1は、ゼネラルモーターズ(GM)のシボレーブランドによって、1970年から1972年までの3年間で53台のみ販売されている、アメリカンスポーツカーです。最初のシボレー・コルベットZR1は、1970年のC3の時代に販売され、他の仕様のシボレー・コルベットと簡単に見分けがつく外観ではありませんでした。次に1990年から1995年C4の時代ににかけて製造・販売されたシボレー・コルベットZR-1。C5ではなくC6の時代の2009年に製造・販売されたシボレー・コルベットZR1。そして、2018年、「ZR1」がC7のラインナップに再度登場します。
トヨタ・MR-2(SW20)
トヨタ・MR-2(SW20)はトヨタ自動車によって1989年から1999年まで製造・販売していたクーペ型普通乗用車であり、「Midship Runabout 2seatr」の頭文字を取ったものでした。トヨタ・MR-2(SW20)は、1984年から1989年まで製造・販売された初代 AW10/11型の後継モデルです。トヨタ・MR-2(SW20)の大きな特徴は、エンジンを車体の中央付近に配置するミッドシップ方式となっていることです。
世界で最も美しい車と言われる名車
名車には、その外観が美しいものがたくさんあります。以下に、世界でもっとも美しい車と言われている名車を紹介します。
トヨタ・2000GT
トヨタ・2000GTはトヨタが1964年にヤマハとの共同で開発して、1967年5月に発売されたトヨタ初の本格的スポーツカーです。外観は、ロングノーズ・ショートデッキといわれる、伝統的な英国製スポーツカーのフォルムを取り入れた、曲面を多用する流麗なファストバックとしています。当時としては非常に高価であり、生産台数はわずか337台でした。
ジャガー・Eタイプ
ジャガー・Eタイプは、イギリスの自動車メーカージャガーが、1961年から1975年にかけて販売したスポーツカーです。ジャガー・Eタイプは生産された14年の間に大きなモデルチェンジを3回行い、それぞれは1、2、3シリーズと分類されています。いずれのシリーズでも、流麗なデザインと卓越した性能を有しており、それでいてライバル車よりも安価なEタイプは大きな人気を博し、特にアメリカでは大ヒットとなりました。
シボレー・コルベット
シボレー・コルベットは、ゼネラルモーターズ(GM)のシボレーブランドによって販売されているアメリカンスポーツカーです。1954年の初代から8代目の現在まで、スタイルおよび性能を変えながら製造・販売が続いています。
名車と呼ばれる車は世界中に存在する
名車と呼ばれる車は世界中に存在します。フォルクスワーゲンからドイツらしさを感じ、ルノーからフランスらしさを感じ、ジャガーから英国らしさを感じるように、日本らしさを感じる車もあります。名車は世界中に存在し、それぞれの国らしさを感じさせたり、時代を反映した名車も少なくありません。