キューバではアメ車のクラシックカーが現役で走る

みなさんはキューバという国に関してどれくらい知っているでしょうか。おそらく南米の数ある国の一つというくらいの認識だと思います。しかし、実はキューバというところは他の国にはない特徴がたくさんあり、中でも車に関しては昔の旧車が現役で走っておりクラシックカー好きならテンションが上がること間違いなしの国なのです。そこで、今回はなぜキューバは現役でクラシックカーが使われているのか、そしてこれからのキューバとクラシックカーがどうなっていくのかをキューバの歴史と共に紹介してきたいと思います。

どれくらい昔の車を使っている?

では実際にキューバで見ることができるクラシックカーは一体どれほど昔の車なのでしょうか。

およそ60年前の車

キューバで現役で使われている車はおよそ60年前の車。つまりは1950年代あたりの車です。その頃はアメ車の全盛期と言っても過言ではない時代で、おそらくみなさんがアメ車のクラシックカーと聞いて想像されるデザインはほとんどこの時代に作られた車だと思います。また、アメ車のクラシックカーの定番でもある後ろに長く伸びたテールフィンも1950年から登場し始めたデザインで、1950年に登場してから多くのメーカーが採用し一斉を風靡しました。その車に現役で乗っているということは同じ車を60年もの間、繰り返し修理して使い続けているということになります。

クラシックカーはアメ車だけ?

クラシックカーが現役で走り続けているキューバですが、実は走っているのはアメリカのクラシックカーだけでビートルやFIAT、MINIのようなヨーロッパのクラシックカーは走っていません。その理由は車がキューバに登場し始めた当時のキューバの政治情勢にあります。当時のキューバはアメリカの政治介入を受けておりアメリカの保護国のような立ち位置にでした。そのため、輸入品もアメリカのものしか基本的に受け入れていなかったので他の国の車は入ってくる余地がありませんでした。

クラシックカーが現役で使われ続けているわけ

ではここからはクラシックカーが現役で使われる大きな要因であるキューバの歴史について紹介していきたいと思います。

社会主義の影響

Marcus WirthによるPixabayからの画像

キューバの歴史は1492年にスペイン人の探検家コロンブスによってインドと間違えて発見されてしまったというところから始まります。発見された後からスペイン人の支配が始まり、原住民も戦いましたがあっけなく破れ植民地となってしまいます。スペインの支配はひどく、当時は奴隷貿易などが盛んでしたから多くの人が奴隷にされました。すると1868年、キューバでスペインの支配を免れようとする動きが生まれます。その動きを支持したのがアメリカでした。その対立が最終的にアメリカとキューバ対スペインの戦争を起こし、その結果アメリカの支援あってキューバは見事スペインの支配を免れることに成功します。

しかし、一からもう一度国を立て直そうとするキューバに対してアメリカは政治に積極的に干渉し、キューバにはアメリカの企業や車がどんどん進出してきて結果的にアメリカの保護国のような立ち位置になってしまいます。これが先ほどお話したアメリカから車が大量に輸入された年です。そんなアメリカからも独立しようとキューバ内で革命軍が発起されます。

発起された革命軍は政府軍に向かって闘争を二年ほど続け、政府のトップを国外へ追放することに成功しました(キューバ革命)。その後に革命軍はキューバをアメリカとは正反対の国、社会主義国にすると宣言します。社会主義は基本的なコンセプトとして国の人々全員が公正であることを目的としている主義で基本的に自分で好きなものを買ったりするということはできません。そのため、その頃からキューバでは好きな車を他の国から買うことはできない国になりました。これが昔輸入されたアメ車を現役で使う理由の一つです。

キューバがソ連と同じ社会主義になった当時、ソ連とアメリカは冷戦状態にありました。ソ連を見習ったキューバに対してアメリカは激しい怒りを見せ、物の輸出入を全くしない経済封鎖を行うようになります。さらにアメリカ人に対してキューバを訪問することを禁じ、国交を完全に断つようになりました。その結果、新しい物やサービスがキューバに渡らなくなりました。現在のキューバが「時代が止まった国」と言われる所以はここにあります。

クラシックカーがどんどん減っていくであろうこれからのキューバ

現在のキューバは「時代が止まった国」と言われることがありますが、そのように言われる時代は徐々に終わろうとしています。ここではこれからのキューバとクラシックカーについてお話していきます。

ソ連崩壊後のキューバ

先ほど紹介した通りキューバが社会主義国として見習っていたのがソ連でした。実際にソ連には食べ物などの供給も受けていました。しかし、そんなソ連はみなさんご存知の通り1991年に崩壊してしまいます。ソ連崩壊後のキューバは政治が破綻し、他の国の支援がないと国が崩壊するほどになってしまいました。そのためキューバは社会主義を部分的に緩め、ある程度ものの売り買いを自由にします。そんなキューバの状況を受けアメリカはキューバからの亡命を受け入れたりアメリカ人のキューバ訪問禁止を解除したりして少しずつ経済的な封鎖を解いていきます。そしてついに2015年、アメリカとキューバとの国交が回復することなりました。

国交が回復すると、、

国交が回復したということはつまり、これから新しいものやサービスがキューバに流れ込むことになります。今まで時が止まったままのキューバにとって便利なものは一刻も早く国に浸透させたいでしょう。新しいものには当然、車も含まれていますから今まで現役で走っていたクラシックカーはどんどんその数を減らしていってしまいます。新しいものが便利なのはわかりますが昔のものを修理し続けて使っていたキューバがなくなってしまうのは悲しいです。キューバの街並みと相まってクラシックカーが走っている様子はどこを撮っても絵になる光景でした。

でも完全にはなくならない…?

これからクラシックカーの数は少なくなっていくキューバですが、クラシックカーが完全になくなってしまうことはないかもしれません。それは現在のキューバは観光事業をメインに構えており、キューバに来るほとんどの観光客がクラシックカーと古い街並みを見に来ているからです。クラシックカーを使わないからと廃棄にしてしまうとその分観光客は減ってしまうでしょう。まだまだ発展途上のキューバにとってそれは大きな痛手です。そのため観光用としてある程度は残すと思います。しかし、クラシックカーを日常生活で使っているというキューバというのは完全になくなってしまいそうです。実際ここ最近は街中で見かける車にホンダやトヨタなども増えてきていて観光用のタクシーとしてクラシックカーを使っていることが多くなっています。もし、今からキューバに行ってみたいという人がいましたらなるべく早く、先進技術の波が完全に浸透する前に旅行することをおすすめします。

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