消滅した自動車メーカー・その3・名門無念消滅、サーブ(スウェーデン)

第3回は経営悪化と売却を繰り返し、ついにブランドそのものが廃止されたスウェーデンの名門サーブです。

航空機メーカー出身の自動車メーカー

自動車メーカーが航空機やそのエンジンの生産に乗り出す例は、第二次大戦までは多々ありました。
米国ビッグ3の一角、フォードは戦前にトライモーターという旅客機を作っていましたし、GMはグラマンの戦闘機や雷撃機を作っています。
一方、第二次大戦後になると、その逆に肥大化した航空機産業で急に仕事が無くなり、半ばリストラのような形で自動車産業に参入したメーカーや、戦争に敗北した事で航空機を作れなくなり、自動車産業に転換した例が出てきました。
前者の代表がイギリスのブリストルで、後者の代表といえば日本の中島飛行機(現在のスバル)でしょう。
そして北欧の中立国として戦争をやり過ごしている間に成長した航空機産業に、自動車も作らせる事にしたのがスウェーデンのサーブでした。

ラリーでも大活躍した優れたFF車、サーブ92シリーズ

第二次大戦中から自動車産業への参入準備を進め、戦争が終わった翌1946年には試作車を完成させたサーブは、早速1950年より初の量産車、サーブ92を発売します。

水冷2サイクル2気筒764ccエンジンを搭載した92は当時としてはまだ珍しいFF(前輪駆動)で、雪道での走破性を高めるため車体底面にカバーをつけるなど工夫が凝らしてありました。
さらに、航空機メーカーである事を活かし、当時としては珍しい風洞実験設備を使用したテストを行って空力低減に取り組んだ結果、わずか25馬力ながら最高速度105km/hを発揮したのです。
非力ながら軽量で空力に優れ、走行性能も高いという点では後のトヨタ スポーツ800に相当するクルマと言えます。
この92でラリーに出場するや好成績を残し、北欧の進行自動車メーカーは一躍注目を集める事になりました。
なお、サーブは現在生産している戦闘機、サーブ39「グリペン」に至るまで航空機は数字で類別しており、初期のサーブの乗用車も航空機と同じように数字が車名です。
92シリーズはエンジンを強化しつつ93、96とバージョンアップして生産を続け、最終的には1980年まで30年に渡って作り続けられ、96の時代にはラリー・モンテカルロやRACラリーなどで優勝しています。

バブル時代の日本で人気を博したサーブ900

その後、サーブは99を経てサーブ900を1978年に登場させます。

1940年代デザインの延長線上にあった96までのモデルや、過渡的な存在だった99といった2リッタークラスの中型乗用モデルを経て、900では近代的なデザインとなりました。
日本でも細々と輸入されていたサーブ900でしたが、1980年代後半に始まったバブル景気の中で、ボルボやアウディなどと共に人気になります。
ある意味では昔のイギリス車風で威圧感があるでもなし、未来的というわけでも無いスラントノーズの平凡なセダンだったサーブ900でしたが、逆にその姿がクラシカルと言われて人気を読んだのです。
バブル時代にはメルセデス・ベンツやBMWなど輸入車が大きく販売を伸ばした時期で、ヨーロッパでは大衆車だったクルマも海外ブランドというだけで人気が出ました。
しかもスキーブームだった事もあって4WD乗用車のアウディや、北欧のスウェーデン製というだけでボルボ、そしてサーブもブランドとして認知されたのです。

GM傘下となってからの迷走、売却、そして消滅へ

しかし、そうした日本経済の好不調とは関係無しに、サーブの状況は悪化していました。

1990年にはGMからの出資を受入れてGMグループとなり、ドイツのオペル車とプラットフォームを共有。
さらに末尾の番号からBMW3シリーズ、5シリーズに対抗したと言われるサーブ9-3、サーブ9-5を販売しますが、もはや「サーブ顔のGM車」に他ならなかったサーブ車の人気低迷に歯止めがかかる事は無く、日本でも半ば忘れ去られた存在となっていました。
末期にはやはりGMと関係の深かった当時のスバル インプレッサにサーブ顔を組み合わせたサーブ9-2Xまで登場し、もはやサーブの個性がどこにも見られなくなった象徴とさえなっていたのです。
このような状況下で2009年に親会社のGMが経営破綻すると、サーブは不採算部門として切り捨てられます。
最初はオランダのスパイカーへ売却され、さらにスパイカーも経営が悪化したため中国資本のNEVS(ナショナル・エレクトリック・ビーグル・サービス)に売却、その上9-3や9-5の生産設備や知的財産権も売却や譲渡された混乱状態にあり、生産再開と中止を繰り返している状態でした。
2015年には9-3をトルコの国民車として生産する計画まで出るなど、ますます迷走が深まった中で、2016年6月、ついにNEVSが「サーブ」のブランドを廃止して電気自動車の開発・販売に専念すると宣言したのです。
これで自動車メーカーとしてのサーブはオシマイ…になるはずですが、前述のトルコの話もあり、サーブ車自体はまだ作り続けられる可能性があります。
しかしそれは、誰がいかなる権利を持って、という事情が複雑になりすぎたため、本当に実現するのか、その時ブランドや車名はどうなるのか、明確な答えが出るのには少し時間がかかりそうです。
いずれにせよ、仮に名前が復活しても、それはもうスウェーデンのサーブではなくなっているでしょう。


いかがでしたか?
かつての名門とはいえ、小規模自動車メーカーが生き残る事がいかに難しいか、そして国際的な取引で売却されていると、いつの間にかよくわからなくなり、気がついたら消滅していた、という怖さがサーブからはよくわかります。
日本でまだここまで混乱した状態に陥った自動車メーカーはありませんが、一歩間違えれば明日は我が身、厳しい世界ですね。
次回は戦前からのメーカーでトヨタや日産のように生き残れなかった、オオタ自動車工業をご紹介します。


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