【何かわかりますか?】スズライト、コークボトル、47万円/麻美アルト、横丁小町、マー坊(今さら聞けない車の愛称略語)

クルマオタクの略語知識、車名愛称編。今回はかつてさまざまな愛称があった、過去の軽自動車について、CM戦略などで愛称の多かったスズキをまず紹介します。


スバル360より早い初めての実用軽自動車、「スズライト」

軽自動車と言えば規格制定以来、さまざまな零細メーカーが登場しては消えて行き、1958年のスバル360が初の実用量産軽自動車と思われがちですが、実はそれ以前にスズキが1955年に発売してた「スズライト」が初でした。

3種類販売されたボディのうち、セダンの「SS」とピックアップ「SP」は早々に姿を消してライトバンの「SP」のみとなり、1959年には後継のライトバン、スズライト「TL」がデビューします。

一方のセダンも1962年にスズライト「フロンテ」がデビュー、商用車もスズライト「キャリィ」から「フロンテバン」へと引き継がれていきました。

その中でも初期のフロンテまでの軽乗用車は商標でもある「スズライト」が車名より愛称的な意味合いで呼ばれており、60年代を通してコロコロした小さな車体は「スズライト」と呼ばれました。

それが本来の「フロンテ」として定着するようになるには、フロンテ自体に個性的なモデルが登場する1970年代に入ってからとなります。

流麗なスタイルでスズライトのイメージを脱却したフロンテ「コークボトル」

イギリスのミニを凡庸にしたようなデザインの「スズライト」のイメージは初代スズライト(スズキ)フロンテまで続きましたが、そのイメージを払拭したのが2代目フロンテです。

丸みを帯びながらスバル360のようにコロコロとはせず、むしろ伸びやかで流麗な「コカコーラ」の瓶のようなスタイルと評判になった事から「コークボトル」と呼ばれました。

旧車マニアにとってもボディラインの美しさから垂涎のモデルですが、ホンダN360に対抗したパワーウォーズの中で31馬力にチューンアップされたフロンテSSは、低速トルクがスカスカの高回転型2サイクルエンジンで、扱いが難しい事でも知られています。

驚異的な低価格がそのまま愛称となった「47万円アルト」

第1次パワーウォーズの狂騒からオイルショック時代の大幅パワーダウンによりすっかり人気を無くしていた軽自動車に猛烈な旋風を巻き起こしたのが、1979年デビューの初代スズキ アルトです。

実質的にはフロンテの簡易版兄弟車でしたが、商用車登録する事で税金が安かった事や装備を極限まで簡素化する事で「車両本体価格47万円」という驚異的な低価格を実現、「アルト47万円」のキャッチコピーがそのまま愛称となり、その代のアルトの代名詞となりました。

同時期に同じような成り立ちで登場したダイハツの「ミラクオーレ」(初代ミラ)と共に、商用車登録の軽乗用車「ボンバン」(ボンネットバン)は、商用車の税制優遇が少なくなってからも「手軽に乗れて簡素で軽くて速いモデル」として、現在まで商用ユーザーだけでなく、走り系のユーザーにも高い人気を誇っています。

有名女優のCMで大きくイメージアップした「麻美のアルト」

2代目アルトもまた、当時歌手、女優として有名だった小林麻美をCMに起用、女性ドライバー向けに回転乗降シートなどを採用した「麻美スペシャル」も設定した事で大きくイメージアップ、「麻美のアルト」と呼ばれました。

アルトツインカムやアルトターボ、アルトワークスなど走りの面でもこの代で大きな飛躍を遂げたアルトですが、それまでの主力だったフロンテの時代を終わらせ、スズキの看板車種に成長します。

「横丁小町」よ永遠に。スズキの軽スペシャリティ、3代目セルボ

80年代のスズキはCMイメージ戦略がうまく、前述のアルトだけでなく3代目セルボにも当時の人気アイドル、大西結花を起用したCMで有名になります。

それまではフロンテ・クーペの550cc版のように生まれた初代セルボのイメージからマニアックな走り系スペシャリティ軽自動車というイメージだったのを、CM一本で華やかなイメージに転換、「横丁小町セルボ」は現在まで語り継がれるモデルになりました。

しかし、華やかなCMの一方で当時の軽自動車としてはフロントが常識的なアルト、リアが奇抜なスポーツワゴン風というややバランスに欠けたスタイルから販売そのものは芳しく無かった事、さらに次代のセルボ・モードや2000年代に復活したセルボのコンセプトが全くかけ離れていた事から知名度が低く、今でもセルボといえば「横丁小町」の3代目を思い浮かべる人が少なくありません。

「スズキのマー坊と呼んでくれ」

スズキの軽自動車には本当に愛称が多いのですが、車名より愛称の方が有名と言えば軽ピックアップトラックのマイティボーイを置いて他に無いでしょう。

後にも先にもこれほどスタイリッシュで遊び心がある軽自動車は他に無いという意味でも異彩を放つマイティボーイですが、2代目セルボをベースにBピラーから後ろを大胆にオープントップの荷台としたスタイルの軽自動車をCMで「スズキのマー坊と呼んでくれ」とやったものですから、そのまま正式車名よりそちらが定着しました。

高付加価値軽自動車が増えた今、こういう遊び車が出ないのは本当に不思議です。


意外にも愛称が多い軽自動車編、いかがでしたでしょうか?

1990年代以降は軽自動車も型式で呼ばれる事がメインになったので、キャッチコピーがそのまま愛称となって愛されるようなクルマがグッと減りました。

しかし1980年代のスズキの軽自動車などはまさにその宝庫で、スズキがなぜ軽自動車No.1メーカーとして長く君臨する事ができたのか、その理由の一端を垣間見る事ができた思いです。

次回はスズキ以外の軽自動車にもあった、愛称についてご紹介します。


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