ヨーロッパと日本は自動車に対しての考え方が違います。
みなさんこんにちは。
今回は、ヨーロッパの車社会についてお話しようと思います。
10年前、僕はF1ドライバーを目指してイギリスに渡りましたが、そこで日本とのクルマ文化の違いに驚いたのを今でも鮮明に覚えています。
イギリスの自動車文化と楽しみ方
まず何より驚いたのは、一般ドライバーの運転の上手さです。
皆が周囲の状況を的確に把握して絶妙に位置関係を調整しながら運転していて、高速道路などで後ろから速い車が近づいてくると、邪魔をしないように
上手に道を譲ります。
そして一般車もMT車が根強い人気を誇っていて、老若男女問わずに好んでMT車を所有しています。
一度、同年代の女性に
「なんでMTに乗っているの?日本の若者、特にほとんどの女の子はATに乗っているし、MTは運転できないよ」
と聞いてみたことがあります。
そうすると
「だってATじゃつまらないじゃない。MTの方が楽しいからMTに乗るのよ」
という答えが当たり前のように返ってきて驚いたものです。
そして、モータースポーツの認知度や人気も当然高く、
出会った人に「レースをしにイギリスに来た」と話をすると、その食いつきようたるやものすごかったものを覚えています。
日本でレースの話をしても、大半の人はF1とそれ以外のレースの区別すらついておらず、基本的な質問に大半の時間を費やされてしまいますが、ヨーロッパだと
「何のカテゴリー?どこのチーム?前回のレースの結果は?」
と、質問攻めにされてしまうのが嬉しくもありました。
また、僕がスカラシップを受けていたシルバーストーンレーシングの一日スクールには、50代の女性が楽しそうに参加していたり、週末のレースが開催されているサーキットには老夫婦が手を繋いでレースを観戦しに来ていたり、おじいさんがお孫さんを連れてレース観に来ているというような光景も当たり前でした。
まさにカルチャーショックを受けた僕は、そんなシーンを目の当たりにして、歴史の深さの違いを痛感し、「この国に来て学ばないと世界から取り残される」と危機感を感じて本格的な渡英を決意しました。
日本の若者の車離れ
昨今、日本では若者の車離れが危惧され、自動車メーカーは様々な試みで若者の目を車の楽しさに向けるために工夫をしています。
僕はこのようなチャレンジを非常にうれしく感じますし、少しでも力になりたいと考えています。
車は単なる移動手段というだけではなく、様々な楽しみや喜びを与えてくれる道具であり、おもちゃでもあると僕は考えています。
まずは僕自身が、レース以外の車を使った遊び方や楽しみ方について知ることが必要ですね。
このコラムでも、今後すこしずつそういった事にも触れていこうと考えているので、是非楽しみにしていてくださいね。