日本での展開当初は車種の少なさで苦戦したトヨタの高級ブランド「レクサス」ですが、最近はいろいろなジャンルの車種から好みの高級車を選ぶ事ができるようになりました。
しかし、主に北米では日本未発売のレクサス車があるのです。
日本にしか無い、あるいは日本に無いレクサスがある
その結果として、中型ハイブリッドFFセダン「HS」のように、現在では日本でしか販売されてない車種もあれば、その逆に日本では販売されない車種もあります。
その理由としては需要の問題もありますが、既にトヨタ車として販売されている場合には、身内とも言えるトヨタディーラーとの兼ね合いもあって、販売に乗り出せない事もあったのです。
その代表がSUVの「RX」と「LX」で、「RX」はハリアーとして、「LX」はランドクルーザーシグナスとしてトヨタで販売されていたので、トヨタディーラーの売上のためにも、すぐにレクサス車として取り扱う事はできませんでした。
今ではそれも解消されてレクサス車として日本デビューが叶った車もありますが、それでもまだ日本未販売な車があるほか、過去に北米などで販売されていたものの、結局日本では販売されなかったレクサス車もあるのです。
そうした車は、逆輸入専門店や、中古車店で見つける事もできますので、紹介してみましょう。
かつては「日本名ウィンダム」のキャッチコピーで売られていた「ES」
元々はトヨタ・カムリの高級版として日本でも「カムリ・プロミネント」として販売されていたのが初代ESで、2代目から4代目までのESが「トヨタ・ウィンダム」として日本でも販売されていました。
バブル時代に始まった3ナンバーセダンブームの際に三菱のディアマンテがヒットして以降、大型FFセダンが売れた時代に日本に投入されたウィンダムですが、2000年頃から4ドアセダンそのものが極度の販売不振に陥り、大型FFセダンも売れない時代になります。
ウィンダムのベースとなっていたレクサスESも2006年デビューの5代目にモデルチェンジしたタイミングで右ハンドル車を生産しなくなってしまい、ウィンダムの後継となる事も、レクサス車としてデビューする事もありませんでした。
この5代目は日本でもトヨタで販売している「カムリ」ベースの車でしたが、2012年にデビューした6代目のESはより大型のアバロン(現在は北米でのみ販売中)をベースにした大型FFセダンとなり、現在のレクサス車共通の「スピンドルグリル」を装着した事で、一目でレクサス車とわかるデザインです。
エンジンは3.5LのV6と、現行カムリと同じ2.5L直4+ハイブリッド、そして通常の2.5L直4の3種類で、2015年にはインドネシア向けに右ハンドル車が復活したので、もしかすると近々日本のレクサスでも「ES」がデビューするかもしれません。
プラドにV8エンジンを押し込んだ「GX」
北米ではV8エンジンが搭載されているかどうかでSUVやピックアップトラックの売り上げが決まるようなところがあり、廉価版としてV6エンジン搭載グレードはあっても、V8搭載車がイメージリーダーとして重要な役割を果たします。
イメージが大切な高級車ならば当然のようにV8エンジンを搭載しているので、「GX」もそれに倣っているわけです。
とはいえ日本では走行性能のために必要な車以外でV8エンジンを搭載する必然性が無く、SUVではランドクルーザーのレクサス版「LX」がそのポジションにいるので、プラドと競合するGXが日本で正規販売されるのは難しいかもしれません。
2013年のマイナーチェンジでスピンドルグリルを採用してレクサス車としての外見を整えたので、是非とも日本でも乗りたい一台です。
V8エンジン+5ATはレクサスSC400だけ
日本でもソアラとして販売されていたので購入できない車ではありませんでしたが、北米ならではの4リッターV8エンジンモデルが、1997年には日本のソアラから無くなってしまいます。
翌1998年には北米の4リッターV8エンジン搭載「レクサスSC400」に、それまでの4速ATに代わって5速ATが搭載されたのですが、ソアラにはもうV8エンジンが無かったので、「4リッターV8エンジン+5速AT」を味わえるスポーツクーペはSC400だけでした。
もし、初代のレクサスSCを逆輸入の中古車として購入しようとする方がおりましたら、5速ATのモデルを選んだ方がレアで自慢できるかもしれません。
このように、だいぶ少なくなったとはいえ日本未販売モデルはまだあります。
また、まだ日本ではトヨタの「セルシオ」だった頃の、左ハンドル仕様レクサスLSを探すのも、エンブレムチューンよりこだわりがあっていいかもしれません。
レクサスの中古車を探す際には、こうした逆輸入車もチェックしてみてください。