国産エンジン史軽自動車・新規格時代到来!コストダウンの中で集約される軽自動車エンジン・その2

国産エンジン史軽自動車編その8は、前回のダイハツ、スズキに引き続き、ホンダ、三菱、スバルの紹介です。


旧規格からエンジンの切り替えに手間取った三菱

旧規格時代に軽自動車で唯一、1気筒あたり5バルブという複雑なエンジンを作っていたのが三菱です。

ただ、当時の三菱は他社のスポーツモデルほどには高性能エンジンを必要とする売れ線モデルを持っていません(ミニカ ダンガンはどちらかというとマイノリティ)。
660cc直4DOHC20バルブの4A30ターボを1BOXワゴンのブラボーGTやSUVのパジェロミニにまで搭載しましたが、新規格でも相変わらずパジェロミニやタウンボックス、トッポBJに採用します。
この4A30にはSOHC16バルブのリーンバーンNAエンジンもありましたが、どちらも排ガス規制に対応できずに2002年で消えゆく運命でした。
一方、3気筒エンジンは660cc直3SOHC12バルブの3G83リーンバーンNAエンジンに統一され、アッサリしています。
パジェロミニ以外のNAエンジンはこれで済ませてしまったのですが、他社と比べると特徴に乏しく、必要最低限のエンジンという印象です。
三菱の軽自動車は、新規格以降あたりから妙に肩の力が抜けていました。

4気筒1本槍でも中身は何種類もあったスバルのEN07

同じような構造の軽自動車を作り続け、大きく変わったのは乗用車がレックス時代にRRからFFに変わったくらい、エンジンも1度2気筒から4気筒に変わっただけというスバル。
新規格に変わった初期には、旧規格から使っているEN07も全車インジェクション(電子制御燃料噴射)に変わりましたが、多数のバリエーションがあります。
・SOHC8バルブNAのEMPi(マルチポイントインエクション仕様)、乗用車(プレオ)用
・SOHC8バルブNAのSPI(シングルポイントインジェクション仕様)、商用車(プレオバン)用
・SOHC8バルブNAのSPI、サンバー用
・SOHC8バルブマイルドチャージのSPI、乗用車(プレオ)用
・SOHC8バルブスーパーチャージャーのEMPi、サンバー用
・SOHC8バルブインタークーラー付きスーパーチャージャーのEMPi、乗用車(プレオ)用
・DOHC16バルブインタークーラー付きスーパーチャージャーのEMPi、乗用車(プレオ)用
スズキもそうでしたが、スバルも新規格軽自動車初期にはかなりのエンジンバリエーションを持っていた事がわかり、複雑すぎる印象です。
この凝りすぎとも言えるエンジンバリエーションはファンには好評でも、スバルが高コスト体質で販売台数を伸ばせなかった理由の一つでしょう。

シンプルそのもののホンダ軽自動車エンジンラインナップ

スバルの後で見るとアッサリしているどころではないのがホンダの新規格初期に使われた軽自動車用エンジンです。
何しろ660ccSOHC3気筒12バルブのE07Zのみで、NAとターボを選べるだけ。
NAは他社のように実用エンジンとハイパフォーマンス版に分けているわけでも無く、その中間的なエンジン1種類。
ターボも新規格当初はそもそも存在せず、少し経ってライフダンク用に追加されたくらいですから、まさにダイハツを上回るシンプル・イズ・ベストぶりです。
元々車種が少ない、というだけならスバルも同じですが、グレードごとに細分化していないので、何種類もエンジンを作る必要が無かったと言えます。
旧規格時代のMTREC(3連スロットル)をターボに置き換えただけで何も変わっていませんが、コストパフォーマンスとしては最高でしょう。
他社も後に同じような構成になりますが、それを先取りしていたホンダが、スバルとは違い現在でも軽自動車を作り続けられる理由は、こんなところにもあると言えます。


いかがでしたか?旧規格時代を引きずる三菱と凝り性すぎたスバル、シンプルイズベストのホンダと三者三様なのが面白かったですが、この違いがそのまま後に明暗を分ける事になります。
次回はその明暗がクッキリ分かれる直前、2012年頃の軽自動車用エンジンの状況をご紹介します。

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