文字通り「火花散る戦い」だったDTM
BMWとメルセデス・ベンツ、ともにドイツを代表する自動車メーカーです。お互いにもっとも意識しているライバルですが、それは公道だけではなくサーキットでもそうなのです。
特にもっとも激しいのが、ドイツを代表するモータースポーツカテゴリー「DTM(ドイツツーリングカー選手権)です。日本最高峰カテゴリー「SUPER GT」と同じく、市販車をベースにしたレーシングマシンで戦います。
現在では、SUPER GTがDTMと車両規定を共通とし、近い将来の「SUPER GT vs DTM」というドリームレースに向けて動いていることでモータースポーツ界隈では話題になっています。
DTMに話を戻すと、現在参戦メーカーは「アウディ」、「BMW」そして「メルセデス・ベンツ」。ベースマシンはそれぞれ「RS5」、「M4」そして「AMG Cクラス」とメーカー主力のスポーツモデルです。とはいっても、SUPER GTと同じく、「見た目」はそうであっても「中身」はもはやフォーミュラマシンに近い構造となっています。
というのもあって、コアなDTMファンは「現在のDTM」より「1990年代のDTMが本当のDTMだ」という声も多く、SNSやYoutubeなどで今も当時のダイジェスト映像が配信されれることも珍しくありません。
90年代、1990年〜94年までのDTMは、あくまでも骨格は市販車からレーシングモデファイを施した、日本のグループAマシンに近いものでした。ギリギリまで車高を落とし、ツライチタイヤは今のレーシングカーとはかけ離れた雰囲気です。
コースを飛ぶように片輪を上げたり、底面から激しい火花をあげ全力疾走するDTMマシンに国内外のモータースポーツファンは心奪われました。
現在は高値で取引されているホモロゲーションモデル
あくまでも市販車を軸したマシンでなければならないので、各メーカーは車両認定(ホモロゲーション)を取得するために限定モデルを販売しました。
メルセデス・ベンツは、W201型・190Eシリーズで2.3Lのエンジンを2.5Lにスケールアップした「190E 2.5-16」を皮切りに、まるでチューニングカーみたいなエアロを纏った「190E 2.5-16 エボリューションⅠ/Ⅱ」が500台ずつ限定販売された。現在では数千万円で取引されることもある。
BMWも初代E30型M3をベースに参戦、1987年、88年にホモロゲーションモデルとして「M3 エボリューションⅠ/Ⅱ」が限定販売されました。独特の甲高いエキゾーストノートを奏でる人気の1台です。
メルセデス・ベンツは2018年シーズンを持ってDTM撤退してしまいます。ケーブルTVやDTM公式Youtubeで見ることもできますので、是非ごらんください!