ロシアのマイナースーパーカー「E-GO revolt」

「E-GO revolt」、その名は「反乱」

「revolt」、日本語に直訳すると「反乱」を意味する物騒な名前のスーパーカーですが、それがロシア産と言われると「革命」などを意味するのかもしれません。 これが発表された2008年10月と言えば、ロシア初のスポーツカーメーカーと言われて、以前このシリーズでも紹介した「マルシャ・モーターズ」が最初のモデル「マルシャ B1」を紹介したのと同時期。 最高出力420馬力の英コスワース製3.5リッターV6エンジンをミッドシップに搭載していたマルシャ B1がフェラーリやランボルギーにに対する明らかな憧憬に包まれたデザインだったのに対し、E-GO revoltは重厚さと流麗さを兼ね備えたハイパーカー風の趣でした。 そのシルバーのヌメっとしたボディはまるでCGのよう…というより、おそらくCGなのでしょう。 何しろこのrevoltどこを見ても実車らしき姿がほとんど見当たらず、実車が存在したのかも不明です。

「E-GO revolt」の中身はロシア版三菱 GTO?

そもそもE-GO社とは何か? revoltの存在が伝えられた時の情報では、モスクワを本社とした新興のコーチビルダー、つまりボディメイクを得意とするカスタムメーカーのようです。 日本で言うと光岡自動車や、あるいは最近トヨタ 2000GTのレプリカ製作で有名なロッキーオートのような存在でしょうか。 ロシア語のサイトで数少ない情報を漁っていくと、バスの架装などもしているのか、あるいはそちらが本業なのかもしれません。 そうなると、三菱 GTOのプラットフォームを使ってオリジナルボディを架装…というプロジェクトもそう無理なものでは無さそうに思えます。 3リッターV6DOHCツインターボの三菱6G72エンジンを、輸出版の325馬力(国内仕様は280馬力)から550馬力にチューンナップして搭載、これも日産 RB26DETTやトヨタ 2JZ-GTEのチューニングエンジンに比べればおとなしめの数値ですから、現実性があるのでは? ただ問題は、三菱 GTOは2001年3月で販売終了しており、ギリギリまで生産が続けられたとしても7年オチの中古車がベースになることでしょう。 あるいはベースとなった大型セダン、ディアマンテの2代目が2005年まで作られているので、そちらをベースにした可能性もありますが。

デザインは紆余屈折?

三菱 GTOそのものは巷で言われているほどポテンシャルの低い車ではなく、過剰にデコレーションされた内外装や余計な装備を外して軽量化を詰めていけば、スポーツカーとして十分通用する素性は持っていました。 そのため、「究極のGTOを作ろうじゃないか、ウラー!」とウォッカをあおりながら気合を入れれば、それなりにすごいスーパーカーができそうでもあります。 ただ、曲がりなりにも量産車を送り出したマルシャがそうだったように、ロシアの新興自動車メーカー最大の課題は資金力です。 E-GOもご多分に漏れず常に資金問題に直面していたようで、2008年の発表以来、どこかのモーターショーに展示されたですとか、どこかでテストカーが走っているのを目撃されることもありません。 一番「実車」と言えるのはオレンジと黒のツートーンボディ…というより、まんまGTOのカスタムカーという姿でしたが、さすがにこれは本命では無かったのでしょう。 一番よく知られているrevoltの姿は、どちらかといえば、日産 R35GT-Rのコンセプトカー時代に似ていました。

最後はミッドシップ風?

そうこうしているうちに2011年頃まで来てしまいますが、この種の車でデザインその他の煮詰めに年単位の時間がかかるのはよくある話です。 三菱 GTOをベースにしてそこまで時間をかけていいのかはまた別かもしれませんが。 会社の方も「E-GO」から「E’GO」に代わってロゴも刷新されるという、どうでもいい変化がありました。 そのあたりでデザインその他は大きく変更があったようで、フロントのボンネットはかなり低く、そしてラジエターがリアに移設されたようで、フロント以外にリアフェンダーにも大きなエアインテーク(空気取入口)が設けられています。 一見するとミッドシップエンジンに切り替えたかと思いきや、ボンネットの排熱用エアアウトレットは残っていますし、スペック上もV6エンジンをフロントに横置きなのは変わらないので、ラジエター移設のみの変更なのでしょう。 このデザインで4台ほどのプロトタイプが完成しているとも、2013年頃からのデリバリー見込みとも言われていましたが、結局それっきりになってしまいました。

revoltはあくまでデザイン上での話であり、何度も書くように実車の存在が確認されていません。 そのため、実際の性能面などは想像するしか無く、「マイナースーパーカー」というより、単なる「スケッチだけの幻の車」な可能性が高いです。 しかし、そういう車は世の中何台もあるでしょうし、新型車の噂が流れてくるたび登場する、出処の怪しいCGを見ていると、こうして何年も細々と語り継がれるrevoltは、本当にいつかは登場するのかもしれませんね。

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