【4ドアのF1!?】F1直系エンジンを積んだ唯一のセダン BMW M5(E60)をご紹介

BMWがモータースポーツで培ってきた技術を惜しみなく盛り込み、最高のパフォーマンスを実現したモデルたち。それがBMWの頂点に位置するMモデルです。

そんなMモデルに、F1直系のV10エンジンを搭載した4ドアセダンが存在したのをご存知でしょうか?それが今回ご紹介するE60型M5(以下E60 M5)です。

ここでは、E60 M5の魅力や所有する上で注意すべきポイント、今この車がおすすめの理由をご紹介していきます。

そもそもMモデルとは?

Mモデルとは、1972年に創業したBMWの子会社「M社」が開発を手がけたモデルを指します。

M社は長年BMWのモータースポーツ部門を担っており、そこで得られた技術やノウハウを凝縮したモデルがMモデルです。Mモデルは強力なエンジンと強靱なボディにより、スーパーカーにも匹敵する高性能を実現しています。

M社はMモデルの他にも、専用のチューニングを施しスポーツ性と街乗りの快適性を両立した「Mパフォーマンスモデル」BMWの通常モデルに専用パーツを装備し、スポーティな雰囲気を高めた「Mスポーツ」をラインナップしています。

こうしたラインナップの頂点に位置するMモデルは、1978年にデビューした初の市販車「M1」を皮切りに、現在はBMWのほぼ全てのラインナップにMモデルを設定しています。

E60 M5とは?

M5は5シリーズをベースにしたMモデルで、E60 M5はその4代目として2004年にデビューしました。E60 M5の大きな特徴は、何といっても搭載されているエンジンにあります。このE60 M5には、当時ウィリアムズBMWとして参戦していたF1で培った技術をフィードバックした5リッターV10自然吸気エンジンが搭載されており、歴代モデルの中でV10エンジンを搭載した唯一のモデルです。

また、組み合わされるトランスミッションは「SMG3」と呼ばれる7速のセミオートマで、マニュアルのダイレクト感とオートマの利便性を兼ね備えているのが特徴です。このSMG3は、オートマ同様に自動で変速を行うモードのほか、シフトノブもしくはステアリングに装着されたパドルシフトを使い手動で変速を行うこともでき、変速スピードの調整も可能です。

そのほかにも、速度やエンジン回転数、ギヤ段などの情報をフロントガラス上に投影できるヘッドアップディスプレイや、サスペンションの硬さを3段階で任意に調整できる可変ダンパーの「EDC」など、当時最先端だった装備がふんだんに盛り込まれており、登場から20年近く経っても古さを感じさせません。

◆主要諸元:

・型式…ABA-NB50

・全長×全幅×全高…4.87m×1.85m×1.47m

・車両重量…1,880kg

・車両総重量…2,155kg

・最小回転半径…5.9m

・乗車定員…5名

・トランスミッション…7AT

◆エンジン諸元

・エンジン型式…S85B50A

・種類…V型10気筒DOHC

・総排気量…4,999cc

・最高出力…507ps/7,750rpm

・最大トルク…520N・m(53.0kg・m)/6,100rpm

E60 M5の魅力

E60 M5はデビューからすでに20年近くが経過していますが、現代のクルマにも引けをとらない多くの魅力があります。ここではそんなE60 M5の魅力についてご紹介します。

唯一無二のV10エンジン

まず何といっても、最高出力507馬力を誇る歴代唯一の5リッターV10自然吸気エンジンです。F1で培われた技術が惜しげも無く盛り込まれたこのエンジンは、5リッターという大排気量ながらレッドゾーンは8,250rpm~という超高回転型エンジンで、アクセルひと踏みでレッドゾーンめがけて鋭く吹け上がります。また、V8ともV12とも違う中音域が強調されたV10エンジン特有の乾いたサウンドはまさに唯一無二で、大きな魅力の一つといえます。

年々クルマに関する環境規制が厳しくなっている昨今において、今後こうした大排気量自然吸気エンジンを搭載したクルマが発売されることは難しいでしょう。そうした意味でも価値があるといえます。

トータルバランスの高さ

元々車体剛性の高い5シリーズですが、507馬力を誇る強力なエンジンパワーを受け止めるためにさらに強化された車体剛性や、コントロール性に優れ強力なストッピングパワーを発揮するブレーキ、正確でクイックなステアリングなど、これらすべてが非常に高い次元で両立されています。

そのため、4ドアセダンでありながらサーキット走行すら難なくこなすほどの高い走行性能を実現しており、街中やワインディングなどいかなる状況でも安心して走ることができます。これは、運転する上での心の余裕にもつながるので、大切なポイントといえます。

スーパースポーツと高級サルーンと実用性

ここまでご紹介の通り、E60 M5はスーパーカー顔負けの高い走行性能を誇る一方で、高級サルーンや実用性においても高い完成度を誇ります。M5は5シリーズがベースのため、車内は窮屈さを感じさせない広々としたスペースが確保されていますし、内装もレザーを多用した高級感あふれる作りとなっています。可変式サスペンションの「EDC」を一番ソフトな「コンフォート」に設定すれば、まさに乗り味は高級サルーンそのものです。

また、トランクスペースも大きいため、ファミリーカーとして使える実用性も確保されています。

ハイパフォーマンスと快適性、実用性のいいとこ取りのクルマがまさにこのE60 M5です。

E60 M5の弱点

ここまでご紹介の通り、E60 M5は歴代Mモデルの中でも特徴的で魅力の多い車ですが、完璧ではありません。ここでは、弱点についてご紹介します。

燃費と航続距離

まずは、とにかく燃費の悪さです。そもそも燃費を気にするような車ではありませんが、大排気量・多気筒エンジンかつ、現代のクルマのようにアイドリングストップやハイブリッド機構などもありませんので、燃費は極悪です。おおよそですが、一般道で大体3-4km/L程度、高速で8-9km/L程度です。

また、燃費の悪さゆえに航続距離が短いというのもこの車の弱点といえます。燃料タンクは通常のE60の5シリーズと同じ70Lですので、一般道中心の走行だと300km走れない場合もあります。給油頻度が多くなり煩雑なので、せめてもう少し燃料タンク容量が欲しいところです。

SMG3

次に、セミATのSMG3です。マニュアルのダイレクト感とオートマのイージードライブを両立した良いとこ取りのトランスミッションですが、大きく以下のマイナスポイントがあります。

低速時、変速時のギクシャク感

E60 M5には 、「SMG3」と呼ばれるシングルクラッチ式のセミオートマトランスミッションが搭載されています。シングルクラッチ式のセミオートマは、マニュアルトランスミッションをベースにしているため通常のオートマ車とは特性が異なり、発進や変速の際にギクシャク感が出やすいといった特徴があります。こうしたギクシャク感は、マニュアル車のように半クラッチや変速を意識してアクセル操作を行うことで緩和することができます。

SMGユニットの故障

乗り方にもよりますが、走行距離が8-10万キロ前後でSMGユニットの故障が発生することが多いです。クラッチ操作を行うアクチュエーターの故障であれば数万円程度の修理で直りますが、SMGユニット本体が故障した場合には100万円以上の出費を覚悟する必要があります。いずれの故障にしても、トランスミッション異常を知らせる警告灯の点灯とともに車両保護のために出力制限が入るか、最悪の場合その場で走行不能となってしまいます。

また、SMGユニットの故障とは別に、通常のマニュアル車と同様10万キロ前後でクラッチ交換が必要となります。クラッチ交換の際はフライホイールの同時交換が必要なため、約40万円程度の出費が必要です。

ただし、いずれも一度交換してしまえば以降また8-10万キロは持ちますので、低走行もしくはすでに交換済みの車両を選ぶか、こうした費用も車両代の一部と考えて、納車整備の際に併せて交換してしまえば安心して乗ることができます。

E60 M5の前期・後期

E60 M5は、デビューの2004年から2006年までを前期型、2007年から最終型の2009年までを後期型として区別することができます。

外観上では、フロントとリヤのライト形状で前期・後期を見分けられ、ヘッドライトの場合後期型はウインカーがクリアレンズとなりエンジェルリングも浮いたような形状に、テールライトはウインカーとテールランプがLED化され、さらに意匠もファイバー状のラインが強調されたスタイルに変わっています。

【前期型 ヘッドライト】

【後期型 ヘッドライト】

【前期型 テールライト】

【後期型 テールライト】

気軽に購入できるのは今がラストチャンス!?

ここまで、E60 M5についてご紹介をしてきました。F1由来のエンジンを搭載しスーパーカー級の高性能でありながら高級感や実用性も高く、ファミリーカーとしても使える魅力の多いクルマです。

そんなE60 M5は新車価格1,400万円を誇る高級車でしたが、現在の中古車価格は158万円~498万円と手が届きやすい金額までこなれてきています。

デビューから20年近く経過し、もう少しでネオクラシックに差し掛かるE60 M5ですが、現在であれば新品部品も容易に手に入りますし程度の良い個体もまだまだ出回っていますので、今ならまだ手軽に所有することができます。とりわけ、マイナートラブルの少ない2007年式以降の後期型を選び、納車整備と合わせてトランスミッションのメンテナンスを行ってしまえば、安心して乗ることができるでしょう。

この先、程度の良い個体はどんどんと姿を消していきます。そうなる前に、皆さんも魅力あふれるE60 M5でカーライフを満喫してみてはいかがでしょうか?

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