なぜ車のナンバープレートは隠さなければいけないのか

私たちがテレビを見る時、YouTubeを見る時、必ずと言っていいほどそこに映る車のナンバープレートにはモザイクがかかっています。また、SNSに写真をあげたり、あげられた写真を見る時も同様です。車のナンバプレートはほとんど加工で隠されています。私たちは昔からナンバープレートが隠されてきた映像を見てきているので隠さなければならないものと認識していますが、よく考えて見ると車に肖像権があるわけでもありませんしナンバープレートが映った車を見たとこで何か情報を得られる訳でもありません。では、一体なぜ車のナンバープレートは隠さなければならないのでしょうか。今回はその理由についてお話していきたいと思います。

ナンバープレートが表すものとは?

普段外に出ると見ないことはないほど目にしているナンバープレートですが、そもそもナンバープレートは一体なにを表しているのでしょうか。

きちんと手続きし、登録をしていますよという証明

公道はナンバーをつけた車しか走行してはいけませんから、ナンバーをつけるということはこの車は走っても良いですよという許可を受けた証明になります。とは言っても簡単にその証明が得られるわけではありません。公道で走っても良いよと認められるにはきちんと税を収めていることを証明し、車の保管場所があることを証明し、車検を通っていることを証明しなければなりません。ナンバーとはこれら全ての手続きをしっかりと行っていますよという証なのです。

付けている車の分類

もう一つ表しているのがそのナンバープレートを付けている車の分類です。ナンバーに記載されている数字や平仮名などは全てその車の分類を表しています。簡単に説明しますと、地域名の横に書かれている数字は3桁の最初の番号によって用途や車の大きさを示していて1〜3普通自動車、4〜7小型自動車、8特殊用自動車、9・0大型特殊自動車、のように分類されています。

普通 貨物 1 (10~19と100~199)
乗合 2 (20~29と200~299)
乗用 3 (30~39と300~399)
小型 貨物 4 (40~49と400~499)
6 (60~69と600~699)
乗用 5 (50~59と500~599)
7 (70~79と700~799)
特殊用途 8 (80~89と800~899)
大型特殊 9 (90~99と900~999)
建設機械用 0 (00~09と000~099)

一方、平仮名には自分の車か会社の車かを区別するという役割があります。自家用車として登録した場合は「あ行とか行以外」を使用し、会社の車として登録した場合は「あ行とか行」を使用します。そしてレンタカーには「わ、れ」を使用して区別します。しかし、すべてのナンバーにおいて「お、し、へ、ん」は使用しません。お(「あ」と間違えやすい)し(死を連想させる)へ(屁を連想させる)ん(発音しにくい)という理由があるからです。

自家用車 普通車 さ行〜ら行まで
軽自動車 あ行〜ら行まで
事業用車両 普通車 あ行、か行、を
軽自動車 り、れ
レンタカー 普通車 わ、れ
軽自動車
駐留軍人用 普通車 よ、E、H、K、M、T、Y
軽自動車 A、B

実はナンバープレートは個人情報ではない

ここまでナンバープレートに載っている情報を紹介しましたが、実はナンバープレートは個人情報ではありません。それは一体なぜなのでしょう。

法律での個人情報の定義

第二条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。第十八条第二項において同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
                    ー個人情報保護法 第一章 総則  第二条より
個人情報保護法によりますと個人情報とは上記のように定義されています。
ここで重要になってくるのが、「他の情報と容易に照合することができ特定の個人を識別できるもの」という最後の一文です。確かに車のナンバープレートには登録する時に必要な住所や保管場所、氏名など個人を特定できる情報が紐付けられ、それを確認することもできます。2007年以前はその確認に必要な書類が、請求書と身分証明書と車のナンバープレートの情報だけでしたので言ってしまえば、外からみてナンバープレートの内容がわかれば個人が特定できてしまうような状態でした。これでは個人情報に該当してしまいます。
しかし、2007年にナンバープレートを利用した個人情報の不正利用が相次いだことを受け、国土交通省は以前の書類にプラスして車体番号を必要としたのです。車体番号とは車のボンネット内部に刻まれている番号であり、外から見ただけではわかりません。その結果、ナンバープレートは容易には照合できない情報、つまり法律上は個人情報ではなくなったのです。

もちろん例外もある

国土交通省による車体番号がわからなければ個人を特定できる情報との照合はできないとお話しましたがもちろん、すべてにおいてそうというわけではありません。例えば、自分の私有地に置いてある放置車両の個人を特定したい場合や違法駐車など私有地での違法行為を証明するもの(写真など)があれば車体番号がなくても車両の所有者の情報を開示してくれます。

勝手にナンバーをネットにあげるのは違法?

では、もしネットにナンバーをあげてしまった場合は違法にはならないのでしょうか。

違法にはならないがマナー違反

先ほどもお話した通り、ナンバープレートと住所などの情報の照合について交付請求方法が変わったため、ナンバープレートは個人情報ではなくなりました。そのため、ネットにあげてしまっても違法になることはありませんし、そのことで裁判沙汰になるということもありません。しかし、おそらくみなさんもそうだと思いますが、だからといって自分の車がナンバーを隠さずに他人によってネットにあげられたらどう思うでしょうか?良い思いをするという人は一人もいないと思います。ナンバーを隠さないということは法律の違反ではありませんがマナーの違反ではあるのです。

車の写真をネットにあげ、問題となるケース

いくらナンバープレートが個人情報ではないといっても、もちろんすべての状況において不特定多数の人に公開しても大丈夫というわけではありません。例外で言いますと、ナンバープレートとその車の所有者の顔が一緒に写っていた、その人しか考えられないような環境で写真を撮影したなどナンバープレートの他に個人を特定できる情報を隠さずに不特定多数の人に公開してしまっては裁判沙汰になることもあります。ナンバープレートを大丈夫大丈夫と思って隠さずに撮っていると気づかぬうちにこう言った他の個人情報まで紛れ込んでいたというケースはうっかりとやってしまいがちです。

個人情報ではないから気にしないのではなくナンバープレートに限らず、ネットや多くの人に見られるような場に車の写真をあげる時は細かいこと一つ一つに気をつけましょう。


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