大阪の新開発のために埋め立てられた夢洲ですが、2008年にオリンピック誘致に失敗し、今では空き地ばかりの「負の遺産」と呼ばれています。ところが、2014年にカジノを含めた統合リゾート施設(IR)の候補地になってからは夢洲にも光が差し、2025年大阪万博の開催地に決定してからはまさに「夢の洲」。そこで大阪府知事は公道レースを誘致したいと発言しているのです。まだ開発前なので、レースに合わせた街にすることもできるとのこと。これは大阪でワイルドスピードが見れるかもしれませんね。
まさに夢の洲!夢洲公道レースはこうなる!
海外では公道レースがよく開催されます。マン島TTという島を丸ごとコースにしたレースもあったりします。しかし、日本ではそういったレースに対して道交法などの制限や市民の反対の声も大きく、なかなか実現しません。自動車産業が盛んな日本はレース車両の開発も一線を画していますが、GTやF1は国民的スポーツとまでは言えません。サーキット場へ行くのは敷居が高いですが、こういった観光地でレースが開催されればスポーツカー産業および自動車産業がさらに活発になるでしょう。
夢洲は2025年に大阪万博が行われるところ
大阪万博と言えば、1970年の大阪万博を思い出す人も多いのではないでしょうか。当時は来場者数6,421万人が訪れました。あれから55年ぶりとなる2025年大阪での万博は3つのワールドに分かれ、各国が出展する「パビリオンワールド」、メガソーラーやグランピング施設など自然をテーマにした「グリーンワールド」、豪華なホテルと噴水・照明で彩るまるでラスベガスのような「ウォーターワールド」を建設する予定です。もはやこれはテーマパークですね。来場者は2800万人を想定しているそうですが、これほどの大規模な万博になることと、将来的にカジノができることを考えればさらに注目を集めてもいいと思います。
カジノもある統合リゾート施設になれば…
この万博用の整備が行われた夢洲を今度は統合リゾート施設にしようと言うのです。負の遺産と呼ばれていた夢洲をまさかの3段活用。万博がテーマパークのような設計になっているのもこれを見据えてのことでしょうね。ただ、現在の日本ではカジノは禁止されています。これが「カジノ法案」として日本でのカジノ解禁を進めているのですが、ギャンブル依存症や治安の悪化、大きな声では言えないような力や権利の問題でなかなか進みません。大阪は早い段階から「万博+IR+カジノ」をセットで計画し推し進めたいため、カジノ法案の成立が遅れたり不成立となった場合は諦めて万博だけの計画で進めるでしょう。
肝心なのは公道レースとIR施設の関連性です。カジノで集客した外国人観光客に公道レースを盛り上げてもらうこと。公道レース目当ての外国人観光客にホテルとカジノを利用してもらうこと。この2つが成り立たないといけないのです。カジノ法案が通らなければ公道レースは実現しないと考えてよいでしょう。
人が住んでいなくて都市部からも遠い好条件
公道レースを行う立地としてはかなりの好条件です。公道レースを開催するには警察署の許可が必要になるのですが、これまではほとんど却下されてきました。しかし、夢洲は生活圏とはかけ離れたリゾート地。居住者はいないので騒音や人混みによる反発はないでしょう。ラスベガスで「うるさい」と文句を言う人がいますか?そんなことを言うのは人は場違いでしかありませんね。また、公道の設計もこれから行うので耐久性やスペースの確保など、安全面でも融通が効きます。環境と道路の問題はないでしょう。
すでに開催されているモナコ、シンガポール
実は、IR×公道レースというのはすでに存在しています。大阪府もそれらの年を模倣してレースを誘致したいと考えているようです。レースというのは世界共通のスポーツでもあり、エンターテイメントでもあります。特に、富裕層には車好きが多くスーパーカーやスポーツカーといった高級車を所有しています。カジノと自動車は相性抜群な組み合わせです。IRとレースというのは切っても切れない関係なのです。
モナコのレース「モナコグランプリ」
モナコグランプリ、通称モナコGPは写真を見てもわかる通り市街地で開催されるレースで、世界三大レースのうちの1つです。モナコの人口3万人に対して来客数は20万人に及びます。市街地の公道を封鎖し、王室などの協力のもと開催される国を挙げてのレースになのです。マンションなどの横をF1マシーンが駆け抜ける光景はまさに公道レースですね。ただ、市街地を通るので急坂が多くて道も狭く、難コースとしても知られています。小さい国ですが、カジノやホテル事業で栄えていて、このモナコGPはモナコに欠かせない存在となっています。
シンガポールのレース「F1シンガポールグランプリ」
シンガポールはカジノ導入とIRによって大成功した大阪の模範例です。3本の高層ビルに船が乗ったようなホテルがランドマークとして話題になりましたね。あの建物にはカジノが併設していて、周りのベイエリアもIRとして整備されています。夢洲もベイエリアなので似たところがありますね。一見、通常のサーキットのように見えますが、ほとんどが市街地の道路を閉鎖して行う公道レースになっています。ベイエリアの華やかなライトアップと高出力な投光器で照らされるナイトレースが人気になっています。
税金の無駄になる可能性が高い?実現できるの?
大阪万博もIRも公道レースも税金で建設・維持されます。ここで思い起こされるのが2020年東京オリンピック。まだ開催前ですが、すでに多方面から税金の無駄だと言及されていますね。膨らむ建設費用に追いつかない交通インフラ、足りない人件費や気候の問題など。東京都はてんやわんやで整備を進めています。大阪も同じ道を行かぬよう慎重に計画してほしいものです。
そもそも万博とカジノ建設費用で限界な可能性が
大阪成長と次世代への積極投資。背景には血のにじむ財政再建がある。天下り70%削減、職員1000人削減プランの実行、補助金改革等々。僕の市長報酬も40%削減、退職金0。10年前の実質公債費比率は12%だったが、現在は5.7%、将来負担率は260%、現在は65%、市債残高は5兆円、現在3.5兆円。見えない真実だ。
— 吉村洋文(大阪府知事候補) (@hiroyoshimura) 2019年2月13日
大阪がここまで積極的に動けるのには、影での血のにじむ財政再建のおかげです。お金が余っているから投資している訳ではないのです。万博では1,250億円の建設費を市・府・国で負担。IR事業は民間投資で9,300億円を投資する予定です。シンガポールのIRの2倍に及ぶ投資規模ですが、年間4,800億円の売上で府市の収入は700億円と計画されています。かなり大規模な費用ですが、IRに関しては実績のある開発企業やカジノ企業が既に目を光らせています。公道レースサーキットも民間投資によって賄われるならば夢物語ではないでしょう。
大阪・夢洲グランプリは実現されるのか
F1大阪グランプリ、公道レース、夢物語だとは思わない。モナコ、シンガポールができるなら大阪もできる。ハードルは認識してる。夢洲には世界最高水準のIRがくる。夢洲は人が住まない非日常の人工島。公道の形状、配置もこれから本格設計。やろうじゃないか。https://t.co/R9OwOYiO72 @YahooNewsTopics
— 吉村洋文(大阪府知事候補) (@hiroyoshimura) 2019年2月12日
今、大阪市の夢洲という人工島にIRを誘致する計画を5年越でやっていまして、本年6月の国会では基本法が通ると思っていました。IR事業と事業者を決める過程の中でフォーミュラEも検討しようと判断しました。20億円自治体負担分が集められるならGOですね @takapon_jp:
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) 2015年11月29日
この二人は本気で公道レースを実現しようと考えています。特に橋下氏はこれまでにも大阪発展のために大きく動いてきた人物です。将来を見通して計画し、実行にまで移すことができる、先見の明がある人物です。両者の発言通りハードルは高いものの、これから公道の設計をしていくことや立地の条件を考えれば現実的な話であると思えます。しかも、橋下氏はフォーミュラEまで検討していると言います。フォーミュラEは「電気自動車のF1」と呼ばれ、最先端のテクノロジーが競い合うレースです。これからの電気自動車産業を加速させるだけでなく、エネルギー問題や環境問題を解決する革命の種となる可能性も秘めています。大阪ではここぞとばかりに日本の技術を見せつけて世界を圧倒して欲しいですね。